地球環境戦略研究機関(IGES)

持続可能な世界を目指すシンクタンク、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES:アイジェス)公式noteです。気候変動、持続可能な消費と生産、SDGs、自然環境と生態系などについて、最新動向や研究成果を不定期に投稿します。役立つと感じたら、いいねやフォローで気軽に教えてください。

地球環境戦略研究機関(IGES)

持続可能な世界を目指すシンクタンク、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES:アイジェス)公式noteです。気候変動、持続可能な消費と生産、SDGs、自然環境と生態系などについて、最新動向や研究成果を不定期に投稿します。役立つと感じたら、いいねやフォローで気軽に教えてください。

マガジン

  • もっと知りたい世界の森林最前線

    世界の持続可能性を考える上で、気候変動の緩和や適応、生物多様性や地域社会の生計の維持に重要な役割を果たす森林の重要性への認識が広がりつつあります。「もっと知りたい世界の森林最前線」では、地球環境戦略研究機関(IGES)生物多様性と森林領域に所属する研究員が、主に森林に携わる方向けに、世界のニュースや論文などを日本語でご紹介します。

  • ISAP Now!

    「持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)」は、私たち地球環境戦略研究機関(IGES)が毎年主催する国際会議で、環境や持続可能性をめぐる最新の動向や専門家の知見がわかるとご好評をいただいています。でも、中にはちょっと敷居が高いという声も。本マガジンでは、背景や関連情報も含めて、見どころや議論のポイントをなるべくわかりやすくご紹介します。

  • おしえて地球温暖化

    IGESの甲斐沼美紀子研究顧問による、地球温暖化の解説シリーズです。 気候変動への注目が高まるにつれて、専門家にとって「あたりまえ」だと思っていたことへの質問や、思わず専門家も唸ってしまうような、良い質問をいただく機会が増えています。また、中学生・高校生向けの教科書の作成にも関与する中で、温暖化の科学をひも解いて、如何に平易なことばで分かりやすく伝えられるかを考えてきました。中学生・高校生とのやり取りを通じて、彼ら・彼女らからの質問ややり取りの中に、温暖化問題を自分事として考えてもらうヒントがあるのではないかと思い、こうした質問にお答えする機会として、この解説シリーズを作ることになりました。

最近の記事

『なぜ今、管轄レベルのREDD+クレジットが求められるのか。今後の見通しは?』

ウェビナー「森林カーボンクレジットの動向:管轄REDD+とは何か?」フォローアップ その2 先月、IGESでは「森林カーボンクレジットの動向:管轄REDD+とは何か?」と題したウェビナーを開催し、多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました。事後アンケートで、「ぜひ文面でも議論の結果をまとめてほしい」、「可能な範囲で答えられなかった質問にも回答をしてほしい」などの温かいご要望をいただきましたので、こちらのノートで、2回に分けて議論の結果と質疑の回答を公開します。

    • 『管轄レベルのREDD+とは?プロジェクトレベルのREDD+との大きな3つの違い』

      ウェビナー「森林カーボンクレジットの動向:管轄REDD+とは何か?」フォローアップ その1 先月、IGESでは「森林カーボンクレジットの動向:管轄REDD+とは何か?」と題したウェビナーを開催し、多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました。事後アンケートで、「ぜひ文面でも議論の結果をまとめてほしい」、「可能な範囲で答えられなかった質問にも回答をしてほしい」などの温かいご要望をいただきましたので、こちらのノートで、2回に分けて議論の結果と質疑の回答を公開します。

      • 企業の持続可能性に対する説明責任の手法として主流化しているデューデリジェンス

        最近、サプライチェーンのデューデリジェンス、人権デューデリジェンスなど、「デューデリジェンス」という言葉をよく聞くようになりました。日本では、今年の4月にクリーンウッド法が改正されたことにより、事業者は取り扱う木材が合法的に伐採されたものかどうかを確認する「デューデリジェンス」の実施が義務付けられることになりました(2年後に施行)。 木材はサステイナブルな資源です。しかしそれは、持続可能に管理された森林から適切に伐採された木材である場合に限られます。残念ながら、現在市場に流

        • 「森林宣言評価」日本語翻訳版を公開しました

          2022年10月にForest Declaration Assessment Partnersにより公表された “Forest Declaration Assessment: Are we on track for 2030?”の日本語翻訳版「森林宣言評価 我々は2030年に森林の世界目標を達成できるか?」を6月8日に公開しました。 Forest Declaration Assessment Partners は、2014年の「森林に関するニューヨーク宣言」や2021年の「森

        マガジン

        • もっと知りたい世界の森林最前線
          22本
        • ISAP Now!
          12本
        • おしえて地球温暖化
          2本

        記事

          プラスチック汚染に関する国際協力へ向けた期待と課題

          こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は12月5日に行われるISAPのテーマ別会合15について見どころを紹介したいと思います。 今回のISAPで廃棄物汚染に関するセッションは3つあるのですが、このテーマ別会合15は、その中でもいちばん世界的なシステムに関するお話です。 プラスチックによる自然破壊が進んでいることはすでに周知の事実となっているかもしれませんが、人類は依然として非常に多くのプラスチック製品を産出

          プラスチック汚染に関する国際協力へ向けた期待と課題

          廃棄物の野焼きを低減するためのグローバルなイニシアチブと優良事例

          こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は12月5日に行われるISAPのテーマ別会合14について見どころを紹介したいと思います。 日本ではもうあまり見かけなくなった、廃棄物の野焼き。特に都会では近隣の住民に迷惑であるなどといったことから、条例で取り締まられていたりします。また地方であっても、ごみ収集や分別についてシステムができあがっており、野焼きが問題になることはあまりありません。 しかし、主に発展途上国では

          廃棄物の野焼きを低減するためのグローバルなイニシアチブと優良事例

          マイクロプラスチック政策の立案に求められる良質なデータとは?

          こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は12月5日に行われるISAPのテーマ別会合13について見どころを紹介したいと思います。 正直、このセッションの内容を読むまで、マイクロプラスチックは海中などに漂う小さなプラスチック片で、海洋生物たちがそれを食べて死んでしまうので問題なのだと思っていました。違いました。もっと問題の根は深かったのです。 マイクロプラスチックとは、5ミリメートル以下の微細なプラスチック片の

          マイクロプラスチック政策の立案に求められる良質なデータとは?

          SATOYAMAイニシアティブによる2030年までのネイチャーポジティブ社会に向けた変革的行動

          こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は12月2日に行われるISAPのテーマ別会合11について見どころを紹介したいと思います。 最近、研究機関の界隈ではネイチャーポジティブという言葉をよく聞くようになりました。人間の諸々の活動によって自然環境が破壊され、生物多様性が失われてきているのは皆さんもご存じのとおりです。この流れを逆転させ、生物多様性をより豊かにしていく方向に持っていくことが、ネイチャーポジティブです

          SATOYAMAイニシアティブによる2030年までのネイチャーポジティブ社会に向けた変革的行動

          ポスト2020生物多様性枠組、およびCBD COP15において期待される成果

          こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は12月2日に行われるISAPのテーマ別会合10について見どころを紹介したいと思います。 ISAPの中でもとりわけタイムリーなこのセッション。テーマである生物多様性条約の第15回締約国会議(CBD COP15)は12月7日から始まりますので、その直前にCOP15の内容を解説するものになります。 COP15の最大の議題となるのは、「ポスト2020生物多様性枠組」の採択です

          ポスト2020生物多様性枠組、およびCBD COP15において期待される成果

          科学と政策の橋渡し: 気候変動にレジリエントなアジア太平洋地域を実現するためのAP-PLATの取り組み

          こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は12月1日に行われるISAPのテーマ別会合9について見どころを紹介したいと思います。 皆さんが気候変動を考えるとき、それをどう抑制していくか、ということをまずは考えると思います。しかし一方で、地球温暖化はすでに産業革命前の水準から摂氏1度以上進行しており、気候変動の影響は、すでに大雨や干ばつ、海面上昇といった形で現れているのです。さらに、気候変動の影響が将来にわたって一

          科学と政策の橋渡し: 気候変動にレジリエントなアジア太平洋地域を実現するためのAP-PLATの取り組み

          インドのネット・ゼロ社会実現に向けた日本とインドの環境協力(「日本・インド環境ウィーク」に向けて)

          こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は12月1日に行われるISAPのテーマ別会合8について見どころを紹介したいと思います。 アジアにおける脱炭素社会、いわゆるネット・ゼロ社会を実現するためにとても重要な国となるのが、インド。巨大な人口を抱え、かつ経済成長も著しい大国です。特に南アジアにおいてネット・ゼロを実現できるか否かは、インドがカギを握っていると言え、むしろ、インドが脱炭素に向かわないと、アジア全体での

          インドのネット・ゼロ社会実現に向けた日本とインドの環境協力(「日本・インド環境ウィーク」に向けて)

          脱炭素アジアに向けた日本の貢献 ステークホルダーによる重層的な取り組み

          こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は12月1日に行われるISAPのテーマ別会合7について見どころを紹介したいと思います。 皆さん、1.5度目標や2度目標といった言葉を聞いたことがありますか? 世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃以内、あるいは2℃以内に抑えようとする目標のことです。 すでに人間は温室効果ガスを排出してきて、温暖化を招いてしまっているので、それを抑制しなければなりません。そのた

          脱炭素アジアに向けた日本の貢献 ステークホルダーによる重層的な取り組み

          脱炭素社会の実現に向けた個人の覚醒: 「気候市民会議」からの示唆

          こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は11月30日に行われるISAPのテーマ別会合6について見どころを紹介したいと思います。 皆さん、気候市民会議って聞いたことがありますか? 気候変動が進んでいることは毎日のようにニュースになっていますし、激甚災害や異常気象を抑えるため地球温暖化を止める努力をしなければならないことは知っていると思います。しかし、なにしろ相手は「気候」ですので、個人の力ではどうしようもない

          脱炭素社会の実現に向けた個人の覚醒: 「気候市民会議」からの示唆

          アジアにおけるネット・ゼロに向けた社会的に公正な移行

          こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は11月30日に行われるISAPのテーマ別会合5について見どころを紹介したいと思います。 皆さんは温室効果ガスの排出を実質なくした社会、いわゆる「ネット・ゼロ社会」に必要なものは何だと考えますか?それを「アジアで」実現するには何がいちばん重要だと考えますか? 脱炭素化を進める技術やそれを支える資金、人材やノウハウ、確かにそれらも必要でしょう。しかし、それらがうまく機能す

          アジアにおけるネット・ゼロに向けた社会的に公正な移行

          気候変動アクションと地域別の持続可能な発展戦略のシナジー

          こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は11月29日に行われるISAPのテーマ別会合2について見どころを紹介したいと思います。 気候変動を抑制するためには、地球規模での変化の規模やスピードの観測を始め、将来予測に基づく世界レベルでの対策の検討や合意形成が不可欠です。各国レベルでは、世界規模の課題達成のため、また各国レベルでの課題克服のために目標設定や具体的政策の立案が行われますが、その目標達成のための行動を実

          気候変動アクションと地域別の持続可能な発展戦略のシナジー

          耕作放棄地におけるソーラーシェアリングによる地域循環共生圏の創出

          こんにちは。持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)で事務局を担当している津高です。今日は11月29日に行われるISAPのテーマ別会合1について見どころを紹介したいと思います。   テーマ別会合1はソーラーパネル設置に関するディスカッションですが、まず、背景情報があります。   日本は、古来より農業が盛んで、食料の確保や海外からの農作物に負けない価格で農作物を流通させるためなどの理由で、耕作地を他の目的に転用する開発行為に厳しい規制がかけられてきました。しかし

          耕作放棄地におけるソーラーシェアリングによる地域循環共生圏の創出