
3学期「読み書き算」を定着させる「わざ言語」
【谷和樹の教育新宝島】vol.65 Part1 宝島からの学び
3学期。国語・社会・算数・理科・英語、復習をしています。
谷和樹の教育新宝島vol.65でも年度末の復習がについて書かれていました。
12月から1月までに、国算の教科書の内容がほぼ全部終わっている
という状態でなければなりません
新卒5年目までは、まったくこういった感覚を知りませんでした。私のアンテナが低く、周りにそうしている人が見当たらなかったからです。TOSSで学び始めて、1月までに教科書が終わっているというスピード感を知りました。衝撃でした。それまでの概念が吹き飛びました。それ以来、教科書は1月にはほとんど終えている状態を目指すようになりました。
今年度、特別支援学級を担任しています。
国語は12月に教科書を終えました。1月からは漢字の「漢字総まとめくん」を使って、全学年の漢字まとめをしています。
1年生〜6年生まで全てのページを印刷しておき、「どこからでも初めてかまいません。やってごらんなさい。」
としています。特別支援学級です。どうしても思い出せない漢字ばかりです。答えを見て写してもよいことにしています。どの子もシーンとして、取り組みます。
算数で「計算まとめくん」を使って全学年の計算まとめをしています。
1年生の問題はどの子もできました。「簡単!」と言ってノリノリでクリアして行きます。
2年生の問題もバッチリです。「かけ算、得意!」と言ってさーっと解いて行きます。
一人、かけ算が苦手な子がいます。Bくんです。1学期からその子の苦手さ「見取って」きました。また、いくつかの方法で「介入」してきました。
一つはフラッシュカードです。
二つ目は「かけ算シール」です。
\九九の習得に!/スクールシール!かけ算九九表シール 教育技術研究所
Bくんが「かけ算が苦手」ということが他の子に目立たないような方法をとりました。人前で間違うことが極端に苦手なお子さんです。
計算まとめくんの4年生のページで手が止まりました。「あ、これ、わかんねー。」
わり算の筆算でした。かけ算は概ねできるようになりました。あまりのないわり算もできます。あまりのあるわり算もできます。
「わり算の筆算」ができなかったのです。
子どもの「できない」状態には、3つの違いがあると向山洋一先生は言います。
①つまづき ②まちがい ③できない
「つまずき」は、その授業の中心的なねらいが理解されていない場合に、学習者の誤った思い込みとの矛盾として発生するものである。
「まちがい」はウッカリミスとしたほうが通りがいいかもしれない。学習内容が不安定にしか定着していない場合である。その基本的な要因は、ていねいさ・持続性が不足しているからである。
「できない」は、そのときの学習をするための条件が不足している場合である。クラス全体からはるかに離れて遅れている場合である。
向山洋一著 「授業の腕をみがく」
Bくんの場合は「まちがい」です。わり算の筆算をするための条件が不足していました。
わり算の原理から筆算までを丁寧に教える必要があると思いました。
近くにあった白い紙に赤でうすくだんご図を描きました。
「なぞってごらんなさい。」
すると、微かに手が動きました。
この言葉、教師が子どもに投げかける「わざ言語」です。

「2こずつわけて。」
「・・・」何も言わずに2こずつぐるっと囲みました。
「3つに分かれたね。あまりは?」
「1こ」静かに答えました。
「賢い!筆算をなぞってごらんなさい。」
「最後は自分でやってごらん。」
そのあと、だんごを書き直して9➗3も解いていました。
翌日、2桁➗1桁の筆算もできました。
教師として、Bくんに何をしてあげられるか。
卒業までの14日間。
少しでも力をの伸ばすことです。
「読み書き算」をしっかり教えられなくて、何で教師かと思う。
逆に、この点さえしっかりしていれば、親は教師を信頼してくれるのである。
今週も教師として、大事なことを学びました。
教師としての「軸」を学びました。