生成AIとの討論【領土問題】

毎日、授業で生成AIを使います。

今日は、6年社会科「平和で豊かな暮らしを目指して」で生成AIを使いました。

単元の終盤です。3つの先生問題を出しました。

①戦後日本の復興を象徴するものは何か

②ロシア、中国、韓国、アメリカ、戦後最も重要な問題はどの国との関係か。

③国際連合への復帰は日本にとってプラスであったか。

 調べたことをもとに考えを書かせました。
 
今回、8時間の授業をするにあたり、基本的な方針を立てました。

「教師が教えない」ということです。

教育系メルマガ「谷和樹の教育新宝島」で学んだことです。

向山氏の授業メモをもとに谷氏が授業をした際の手順です。

┌<引用>────────────────

3 調べさせる

答えは教えません。

調べさせます。

私は百科事典や、インターネットを使いました。

今ならそれほど難しくないでしょう。

生成AIもあります。

簡単でかまいません。

調べたことを書かせておきます。

└──────────────────

子供に調べさせるから力がつきます。

これは社会科の授業の核と言ってもいい部分だと思います。そこに「生成AIとの討論」を組み込みました。

 ②の問題を生成AIに聞きました。次のように答えました。

AI「それぞれ重要ですが、特にアメリカとの関係は、戦後の日本に大きな影響を与えました。例えば、日米安保条約や経済的な協力関係が挙げられます。」

子供たちは、猛反対しました。

「いや、ロシアだよ。」

「北方領土問題が重要だ。」

北海道の子供達らしい考えですよね。

「あなたはロシア出身の方なのですか」

「歴史的背景とか知らないけど、国境って知っていますか。」
6年生は、北方領土に関する学習をしていますから、知識はそれなりにあります。でもどうしても感情が先に立ってしまいます。

「明確な根拠をもとに話しなさい。」

ある男の子がつぶやきました。

「先に見つけたのは日本だ。先占したんだ。」

前の時間に、「先占」「条約」「実効支配」について触れたのを思い出したのです。

私はその呟きを拾い上げ、

「AIに聞いてみる?」と問いかけました。

「先生が聞いて。」

とのことだったので、私が代わりに生成AIに聞いてみました。

「日本が最初に見つけたんですから日本のものです。 先占というルールがあるんですよね。”」

AI「なるほど、先占のルールですね。国際法では、様々な要素が考慮されるため、議論が続いているのだと思います。それぞれの主張を理解しながら、平和的な解決に向けて話し合いが続くことが大切ですね。」

かなりいい主張だと思いましたが、生成 AIの反応はいまいちです。

「根拠」という言葉を意識して、主張する子が出始めました。

「日ソ中立条約があるから・・・」

かなり具体的な根拠が出てきました。生成AIとの討論は次回のお楽しみにしました。

(授業後の職員室で試しに「日ソ中立条約」というキーワードを入れてプロンプトをいれました。かなり具体的な内容に踏み込んで回答してくれました。

次回、楽しみです。)

残りの授業時間は探究学習としました。

自分の追求が終わっていない人は、個別で学ぶよう促しました。

概ね終わったという人は先生コースで領土問題についてもう少し掘り下げることにしました。

残り15分ほど、グーグルアースを使って、日本の北方領土、竹島、尖閣諸島、沖ノ鳥島を探検させました。

気づいたことを発表させ、最後に少しだけ領海とEEZ(排他的経済水域)に触れました。

ここでも、自由に調べさせたり、話し合わせたりする活動を入れました。

Googleアースを使って、思うままに探検する子供達。

「自由に調べさせる」ということの大切さがすごくよくわかりました。

子供達は沖ノ鳥島や尖閣諸島、竹島それぞれで調べました。

グーグルアースだけでなく、Google検索で調べ始める子もいて、自然発生的に話し合いが始まりました。

調べるツールは多種多様です。それらを使いこなすことで、「自由に調べることの楽しさ」は深まるのだと思いました。

調べた後の活動をどうするか。

向山氏は、6年1組憲法をつくらせました。

┌<引用>────────────────

教室は沸騰するほどの大激論となった

└──────────────────

とあります。

「身近な問題」をもとにした調べ活動から、最後はまた「身近な問題」に還るのです。

すごすぎて言葉もありません。

向山氏の実践から学び、どのように白熱した展開に持っていくか。

今、学習している「領土問題」「外国との関係」を身近な問題に・・・。どんな展開が考えられるか、ワクワクしながら頭を悩ませています。

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