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『全国学力テストはなぜ失敗したのか』 日本の教育を測るのは何か vol.552

毎週、火曜日の20:30からオンラインで対話会をしています。

今週は読まなくても大丈夫な読書会。

つい先日話題にも上がった全国学力テストに関する著書『全国学力テストはなぜ失敗したのか』について読書会を行います。

私自身、中学校から私立学校へ進学したために、全国学力テストとは小学生のときのみの関わりでしたが、実際受けてきた人、実際に学校の中で扱ってきた人からしてみて、どのように感じているのでしょうか。

今日はそんな全国学力テスト、正しくは全国学力・学習状況調査について考えていきます。

テストの目的とは?

この本を読んで、一番最初に感じたのは「勉強になった」という点。

自分がこれまで持っていた全国学力・学習状況調査に対してのイメージがガラッと変わりました。

これまでは、お役所がやっているくらいなんだから、大層素晴らしいテストなんだろうと思っていました。

ところがどっこい、このテストが非常に拙いものであり、形骸化している学校現場と対して変わりのないものだと読んでいて気づいてしまったのです。

何とも悲しいかな、、、。

これは、学校で行われている定期テストも全く同じなのではないでしょうか。

元々は児童生徒の学力の定着を図るために行われていたはずが、いつの日かそれを成績としてつけるための重要な要素として、入試のための定期テストという立ち位置になっていってしまったのでした。

全国学力テストは、これの入試がないバージョン。

でも、各自治体からすればその正答率を公開されるために自然と躍起になっていってしまう代物なのです。

国を上げての教育実態調査は?


では、そんな全国学力・学習状況調査がただのテストとしてしか役になっていないのであれば、日本の教育政策や授業などの成果はどのようにしてわかるのでしょうか。

これが驚くことに、日本全体のそう言った取り組みや学力を図るために実施されているものはないようです。

強いて言えば、PISAやTIMSSなどが挙げられるでしょうが、これはあくまでも国際的な指標を示したものとなるために、日本の実態にあっていないこともあります。

自治体ごとにこう言った取り組みをしているのかもしれませんが、なかなか目に見えてわかるような結果はありません。

日本の教育が遅れていると言われる所以はここにあるのかもしれません。

皆が横並び、お互いに空気を読んでと言った日本特有の行間を読む文化が、引き起こしてしまった不十分な調査体系。

いつまでこの状態を続けなければならないのでしょうか。

一人一人が構造的な問題意識を

そんな問題だらけの全国学力・学習状況調査ですが、恥ずかしいことに私自身もこれまでそこに対してそんなに危機感を持たず、問題視をしていませんでした。

しかし、この全国学力・学習状況調査、もちろん全国で行われているわけですから、タダな訳ありません。

毎年、文部科学省からの委託事業として35億円近くの費用をかけているのです。

もちろん、税金です。

これだけの金額があれば、毎年なぁなぁで行っているテストをやっていくよりも、何かしらの教育施策に置き換えて、しっかりとフィードバックを手にしていくのが大事なのではないでしょうか。

改めて気づけた、全国学力・学習状況調査に対しての問題意識、ぜひ皆様とも話してみたいです。

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