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『ホリデイ』 運命の出会いではないけれどvol.838
感情の起伏が激しいと聞いて見た映画『ホリデイ』。
確かに登場人物たちの感情の起伏は非常に激しかったのかもしれません。
ただ、見ているこちら側がなにかソワソワしたり、見てられないというふうになったわけではなく、どこかほっこりしながら見終わることができました。
今日はこのホリデイを見ての感想を書いていきます。
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ハリウッドで映画予告編製作会社を経営するアマンダと、ロンドンで新聞社に勤めるアイリス。それぞれ失恋したばかりの2人は、お互いの家や車を交換して休暇を過ごす“ホーム・エクスチェンジ”をすることによって、人生の新たな一歩を踏み出していく。
運命の出会いではないけれど
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ホームチェンジという面白い休暇の過ごし方をすることで、アマンダとアイリスは新しい恋に出会います。
これは果たして運命の出会いなのでしょうか。
数ある候補の中からたまたまその場所を選び、その選んだ先にたまたまいた男性と出会えた。
それも最初はそんなつもりなど全くない状況で。
見方によっては運命の出会いと言えるかもしれません。
ただ、私はこれを運命と言っていいのかどうかは懐疑的です。
この2人の恋を否定しているわけではなく、運命というたった一つの便利な言葉でまとめ上げるにはあまりにも陳腐な気がするからです。
自分の足かせとの決別
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では、この出会いは何だったのでしょうか。
本はといえば、アマンダもアイリスも自暴自棄になって今の場所から離れたくなって2週間の休暇を選択しました。
しかし、その選択がたまたま新しいものを引き寄せたのです。
ただ、この2人の恋は最後の方まで成就することはありませんでした。
互いに気がありそうな気はありましたが、付き合うというところまでは発展していなかったのです。
では、何をきっかけに恋人関係に進んだのか。
これはアマンダもアイリスも共通しています、過去の自分との決別です。
アマンダもアイリスも意中の叶わないと分かりながらも意中の人への思いを断ち切れずにいました。
その気持ちを断ち切ったときに初めて次の恋、本当の恋へと進むことができたのです。
本気になるのが怖い自分
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きっとアマンダもアイリスも本当の恋愛をするのが怖かったのでしょう。
アマンダは泣くことができませんでした。
それは自分自身の過去に辛い過去があったからと話していましたが、本当は恋愛に本気になって失うのが怖いからだったのでしょう。
そのせいもあってか、どこか恋愛をしてもそこに対して本気で向き合わず仕事に熱中してしまうという姿が見られました。
アイリスは自分が一番でないと分かりつつも、理解のある女性を演じて主ににならないようにとしていました。
見方を変えれば男性に利用されていたわけです。
でもそんなふうな扱いでも、それを断ち切ってしまったときに自分の不安から分かりつつも断ち切れずにいたのでしょう。
そんな自分を客観的に見ることができなかったのかもしれません。
その証拠に、職場でも先輩職員さんに遠回しに諭されたりもしていました。
そんな自分との決別がこの映画のテーマだったのだと思います。
恋愛映画と題打っていますが、この映画は恋愛映画の顔をした過去の自分との決別、成長の映画なのでしょう。