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探究授業案5「30日後、遠方へ」 vol.538
もし、漫画のように突然の引っ越しを余儀なくされたら、みなさんならどうするでしょうか?
これはそんな状況を実際に考えながら1ヶ月を過ごしてもらうといった探究授業案です。
この発想は、『DIE WITH ZERO』の中に記載されていた文にインスパイアされ発案しています。
『DIE WITH ZERO』について知りたい方はこちらへ。
私たちは常に時間は無限のものだと勘違いしてしまいます。
いつもと変わらぬ明日が、必ずあると思ってしまうのです。
しかし、現実はそんなことありません。
今日はそんな部分も含めて考えていきます。
100日後に死ぬワニ🐊
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一時期Twitter上で物議を醸したあの漫画です。
読者のみが100日後に死ぬと分かっているワニくんの日常を、そのカウントダウンと共に見ていくというもの。
死ぬ日がわかっているだけで、こんなにもただの日常の4コマ漫画が別のものに感じるのかというのは、誰もが思ったのではないでしょうか。
もしかしたら、ワニに自分自身を重ね合わせて、今の生き方やあり方などを考えた方もいたかもしれません。
私たちだって当然100日間安全に満足に生きられる保証なんてないんです。
それを教えてくれているのでしょう。
ワニ自身も100日後に離れるなんて思っていなかったと思います。
今を生きる
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そんな今日I日を大事にする感覚をつけてもらいたいと思い、この授業案を考えました。
30日後に、自分のことを誰も知らない場所で、今とは全く異なる生活を始めるとしたら、この30日間をどのように過ごすか。
と言ったもの。
地元の場所を大切にいろんなところを回るか、さまざまな友達と最後の熱い抱擁を交わすか、お世話になった人に会うか。
その過ごし方は自由です。
でも、リアルに30日間を想像して、その使い方を考えるというのは、なかなか毎日が決められていて同じことの繰り返しの学校現場においては難しいと思います。
だからこそ、余命というわけではありませんが、あるカウントダウンを設けて、限りある命を燃やす感覚を身につけてほしいと考えたのです。
生き方につながる
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これはまさに生き方を示しています。
この限られた中で何を大事にするのか。
友か金か親か愛か。
どれが正解というわけではないのですが、その瞬間に自分が大事にしているものが表出してくるのでしょう。
そして、大切なのはそれを自覚ができるということ。
将来の自分の姿がぼんやりと見え始めてくる高校生。
しかし、ぼんやりとは見えてもその芯となるところはなかなか掴みづらい部分もあります。
そこをこの授業の中で、自分の生き方を通して気づいてほしいなと考えています。