『桜のような僕の恋人』時間は自分だけのものでなく vol.528
おすすめされた映画です。
人が変わるためには他者が必要、そんなことを思い出させてくれるような映画だそうです。
『桜のような僕の恋人』。
またまた恋愛映画笑。
これは少し見るのに覚悟入りそうなもの。
なんだかこれはこれで記事にしようと思うのですが、最近の恋愛もののドラマや映画は、純粋なるハッピーエンドは少ない気がします。
この映画を見ての感想を書いていきます。
時間は交差する、そして関わり合う
人よりも何十倍も早く歳をとっていってしまうという病気、「早老症」。
ウェルナー症候群とも言われるらしいこの病気にかかってしまった彼女とそれを知らない彼氏の恋愛映画。
そして、その恋愛がある中でも互いに互いの夢を持ち続ける。
それらの時間が交差したときに時間という概念に少しずつ変化が起き始める。
そんな映画に感じました。
正直ベタベタなありきたりな映画だとは思います。
展開も読めてしまう。
それでも、そんな映画から考えさせられることはたくさんあります。
例えば、自分が病気になったという事実を相手に伝えられるのかどうか。
これは、伝えなければ相手の時間を奪わず、伝えてしまったら自分に関わる無駄な時間を相手に取らせてしまう。
そう病気の本人は思ってしまうかもしれません。
でも実際には人生という長い目で見たときに、伝えずにわからないままにその関係が断ち切られてしまえば、いつまでも心に残り続け、より長い時間をもらうこととなるでしょう。
そういった、2人の視点から見る自分に降りかかる時間のあり方を見れる映画なのかもしれません。
覚悟は自分だけのものではないのかもしれない
この映画では幾度となく、覚悟と選択を迫られる場面が出てきます。
カメラマンを諦めていた晴人は、美咲に出会うことでもう一度カメラマンを目指すようになる。
病気であることがわかり、それを晴人に伝えないという選択をした美咲。
病気であることを聞き、彼女のために個展のスペースを使い切ろうと決心する晴人。
晴人に会うことを覚悟する美咲。
美咲の跡を追うように死のうとしたけど、踏みとどまった晴人。
どの場面にも、自分一人だけでなく誰かの存在、大事な存在が近くにいるのです。
覚悟をするためには、自分一人の決断も大事ですけど、何よりも近くにいてくれてそして力を与えてくれる存在が必要なのでしょう。
そんなことを深く感じさせてくれた映画でした。
自分にとって覚悟や選択が必要なとき、そんな自分を支えてくれる、その選択に大きな力を与えてくれる人は誰ですか?