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「ペイ・フォワード 可能の王国」 やりきるから見える世界があるvol.580

こちらも有名な映画『ペイ・フォワード』。

説明欄だけ見て何とも面白い発想だと思っては見たものの、それを映画にするってどういうこと?と不思議に思った映画です。

社会科の先生が中学生たちに課題を与える。「もしきみたちが世界を変えたいと思ったら、何をするか?」。母親のアル中を気に病み、近所にたむろするホームレスを気遣うトレバー少年は、そんな、自分の周りの決して幸せとは言えない人々に思いを馳せ、ある考えを思いつく。それは、受けた好意を他人に贈る“ペイ・フォワード”という行動だった。

https://eiga.com/movie/1144/

映画を見ての感想を書いていきます。

クソな世界からの脱出

この映画、トレバー少年が思いついたことは実に単純。

人に無償の愛を提供し、それを次の3人へと伝承してほしいというもの。

しかし、それを伝えるかどうかはその人次第。

冒頭部分の少年少女が口癖に「無理だ」と言っていたのが印象的でした。

確かに無理だと感じる部分、人はそんな簡単に信頼では動かないと思う部分、それは当然に出てくるかと思います。

しかし、それを何よりも感じていたトレバー少年だからこそ、これこそがやはりいいと感じた選択だったのでしょう。

彼が言っていた「世界はクソだ」というセリフ。

これは彼だけにとどまらず、現状の何か困難に立ち向かっている人、どうしても動かせないと思い込んでしまっている人にとってみれば、共感しやすい映画だったのかもしれません。

でもだからこそ、僕らはやり抜くんだと背中を押してくれた映画だったのではないでしょうか。

やりきった先に見えた世界

トレバーは自分の実験を失敗だと実感しています。

それは自分より繋いだ3人が、次へと繋ぐことができなかったからです。

しかし、その渦は思いもよらないところで動いていたのでした。

自分の知らないうちにその範囲はどんどんと広げ、ある人がある人に高級車をそのままプレゼントするほどに。

トレバーはそれを見て、「思った以上にクソじゃない」と言います。

そして、今まで恐怖心が勝って動けなかったいじめの場面にも、自分が後悔しないように突っ込んでいきます。

つまり、無理だ、できないと思っていても、自分のやっていることを信じて行動していたその行動が、思いがけずに自分に帰ってきて自分自身の行動を変えたのです。

世界を変えたい、現状をよくしたい、そう思っていてもなかなかできないという現実があります。

邪魔をされてしまうかもしれません。

でもそれでも、自分の信念を信じてやり抜いた先にはまた別の世界が広がっているのかもしれません。

そう思えた映画でした。

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