教育現場での私とICTの歩み2(67日目)
ICTを使い倒そうと、ICTにとらわれ授業スライド作りに没頭して1年。
ある生徒の変化に気づきました。
スライドを作って生徒の注意を引こうと思っても、寝てしまっている生徒がいたのです。
理科の面白さを伝えようと教材研究をして、興味の引きそうなものをピックアップしすぎて、私自身が何を伝えようとしているのかが不明確になっていったのでした。
確かに、クラスで十台程度利用しグループワークのようなことをすれば、意欲的な生徒も多くいたのですが、それの反面座学の授業での扱いに迷走し始めました。
授業の本質を見極める
そんな時に出会ったのがTOSSという、教師の教育技術についての方法を提唱するサークル活動に出会いました。
そのサークルに所属しているのはほとんどが公立の先生で、当時はICTとは無縁の世界の中で授業をされている先生がたくさんいました。
正直なところ、ICTのない授業をほとんどしていなかった私にとっては、「ICTのない公立の授業なんて、あまり大したことがないだろう。」とたかを括っていました。
しかし、そのサークルで行われていた模擬授業の検討の数々は、冒頭5分間のみにもかかわらず、引き込まれ、たくさんのスキルとテクニックを感じるものでした。
今まで見たことがないほどに考え尽くされた授業の技の数々に、圧倒されたのを今でも覚えています。
そこで、何か目覚めたような感覚にもなりました。
「授業は教科書を教えるのではなく、教科書で教える」
と、よく言われます。
まさにこの通りだと思っていた私が、「ICTを使うのではなく、ICTに使われている」と気づけた瞬間でした。
すぐに、TOSSを通しての自学習を始め、少しずつチャレンジして生徒と授業を作り上げるようになっていきました。
訪れるBYOD
そうこうしているうちに、ついに私もiPadを全員が持っている学年の担任をすることになりました。
記念すべき初担任です。
ただでさえ、初担任ということで心配なのに自分の学年はiPadを持っています。
問題が起きないように色々と試行錯誤し、学年のルールを定めました。
1.iPadは学習のツール
iPadは学習で使うための道具です。毎日持ち帰り、充電をして学校に持ってくるようにしましょう。
2.普段はロッカーの中に
授業で扱うときは先生から指示があります。それ以外は、ロッカーにしまっておきましょう。
3.人の写真を撮らない
情報モラルをきちんと守り、許可のない撮影を行わないようにしましょう。
4.パスワードの管理を徹底
パスワードは形のない貴重品です。人には絶対に教えず、学院手帳を使って、しっかりと管理をしましょう。
5.家庭でのルールを決める
iPadは、ご家庭から貸し与えていただいているものです。家庭でのルールをしっかりと守り、22時以降は、使用を控えましょう。
我ながら今振り返ってもよく考え込まれたルールだと思います。
しかし、このルールには、いや、このルールを作る私の考え方には大きな落とし穴があったのでした。
次へ続く、、、