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質問と発問はどう違う? vol.123
授業の技術やテクニックなどをお聞きしていると、「対話の回数を増やす、質問の回数を増やす。」などといった言葉をよく聞きます。
それ以外にも、机間巡視や板書など先生にしか伝わらないけど、何となくで意味合いが伝わるような言葉がたくさんあります。
しかし、私たちはその言葉の意味を深く考えたことがありますでしょうか?
1つ”質問”と”発問”をとっても、全く持って意味が異なります。
今日はそういった、先生たちの中で使われるちょっと「ん?」と思うような言葉についてまとめていきたいと思います。
対話と会話
そもそも、会話と対話では何が異なるのか、2つの言葉を広辞苑で知らべてみると、下記のように出てきます。
会話、、、二人あるいは小人数で、向かいあって話しあうこと。また、その話。
対話、、、 向かい合って話すこと。相対して話すこと。二人の人がことばを交わすこと。会話。対談。
どうでしょうか?2つのざっくりとした違いを理解できますでしょうか?
こうしてみると、会話の方が広義的で対話はその中でも、より深いところまで踏み込んだようなもののように感じます。
もっと、具体的に考えてみましょう。
授業の中での”会話”と聞くと、一見雑談のようなイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。
簡単な受け答え、雑談、おしゃべり、これらも全て会話の一つですから、マイナスのイメージを持ちやすいのです。
一方で”対話”と聞くと、教科性の高い本格的な話のような印象を受けます。
子どもたちからすれば、これらの違いはあまり分からないかも知れませんが、教員側が会話と対話の違いを意識して、効果的に使い分けようとすることが大切なのです。
質問と発問
次に質問と発問です。
広辞苑によると
質問、、、疑問または理由を問いただすこと。
発問、、、質問を出すこと。問いを発すること。
と出てきました。はい、堂々巡りです笑。
しかし、この2つは大きく意味が異なります。
先程の会話と対話にも少し似ているかも知れませんが、質問は1問1答の場面で扱われることが多いです。
「今日は何時に起きましたか?」
「昨日の晩御飯は何でしたか?」
「あなたの趣味は何ですか?」
これらの問いかけは全て質問です。
考えなくとも、既に持っている知識を引き出してくれば、そのまま回答になります。
では、発問とは何なのか?先程の質問を発問に変えます。
「今日はなぜ、その時間に起きようと思ったのですか?」
「昨日の晩御飯の栄養バランスはどうですか?」
「あなたの趣味の魅力は何ですか?」
どうでしょうか?
先程の質問よりも深みが増していませんか?
発問とは、生徒の脳に汗をかかす問いかけのことをいいます。
確かに授業を円滑に進める上では、質問の量を増やした方が(先生が)”やりやすい”かも知れませんが、実際に生徒が学びを感じる部分には、発問が溢れていることが多いです。
生徒に教えるときに、答えをすぐに言ってはダメというのは、こういったことも含まれています。
もっと、言語化をしていうと、問いかけに具体性を持たせて、抽象的な考えを具体化させます。
そのために、有効なのがWHYとWHATです。
5W1Hの中でも、この2つだけは問いかけに広さを持たすことができます。
だから、授業の中でいかにこのような質問を生徒に繰り返し答えさせ、そして、その中で教師がうまく拾えるかが大事になってくるのです。
本質と大事なことを言語化
他にも様々このような言葉が溢れていると思います。
でも、その言葉どれをとっても、その行為のどこを大切にしているのかで意味合いも変化してきます。
例えば、以前は机間巡視と呼ばれていた言葉も、私は大学で机間指導と呼びなさいと口すっぱく言われてきました。
板書と呼ばれる、黒板に書くこと示す言葉も、IT化の進んだ現代、これからは死語として扱われていくのかも知れません。
まぁ、最も本質を考えなくてはいけないのは、我々教員集団の”会議”の意味だと思いますが笑。
意思決定のみにわざわざ集まって確認は必要ありません。
今大切なのは雑草(相)。
雑談と相談。
今の教員には雑談も相談もないのかも知れません。