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身の回りに使われている無線の周波数について(3)
こんばんは。
今日は身の回りに使われている無線の周波数の3回目です。
前々回は低い周波数、前回は我々の日常で使われているスマートフォン、Wi-Fi、電子レンジ等で使われている”マイクロ波”について共有致しました。
前々回の記事はこちらのリンクからご訪問ください。
前回の記事はこちらでございます。
周波数の全体像は総務省電波利用のホームぺージからご覧いただけます。
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今日は私たちのあまり馴染みの無い周波数も出てくるかもしれませんが残り3周波数帯です。
7.マイクロ波(SHF:Super High Frequency)
周波数が3GHzから30GHzの電波をいいます。
マイクロ波の波長は、1~10cmで、直進性が強い性質を持つため、特定の方向に向けて発射するのに適しています。
伝送できる情報量が非常に大きいことから、主に放送の送信所間を結ぶ固定の中継回線、衛星通信、衛星放送、そしてこの周波数も無線LANに利用されています。
具体的に言うと、テレビのBS放送、CS放送、高速道路で使われるETC、そして携帯電話5G、ワイヤレスUSB等です。
この他、レーダーもマイクロ波の直進性を活用した利用システムのひとつで、気象レーダーや船舶用レーダー等に利用されています。
気象レーダーと言えば、もしかしたら建物の上にあるドーム型を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
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このドーム型(レドーム)の内側では細長いレーダーがくるくると回転しながらマイクロ波を発射しています。なぜドームで覆われているかと言うと風邪、雨、雪、氷、太陽の紫外線から保護するのが目的です。
気象レーダーは、アンテナを回転させながら発射した電波が戻ってくるまでの時間から雨や雪までの距離を測り、戻ってきた電波の強さから雨や雪の強さを観測します。また、戻ってきた電波の周波数のずれ(ドップラー効果)を利用して、雨や雪の動きすなわち降水域の風を観測することができます。
」より
厳密に言うとレーダーの表示と言うのは電波の送信してから戻ってくるまでのズレと強さだけが表示されています。レーダーが発信したマイクロ波が雲、雪、雨などにぶつかって反射して再びレーダー側で電波を受信します。
このズレて戻ってきた電波とその強さとその速度から雲、雪、雨と推定して説明しています。
また皆さん、馴染の小惑星探査機「はやぶさ」で使われた無線も6.2G~10GHzの周波数帯となります。
実は元々は極超短波(UHF)周波数である390MHz~1.55GHz帯もしくは1.5~3.9GHz帯が宇宙事業用に使用される周波数だったそうですが、日本では携帯電話や地上波デジタル放送で使用されているため、認可が下りずこのSHF周波数を使ったそうです。
8.ミリ波(EHF:Extra High Frequency)
30GHz帯から300GHz帯の電波のことを言います。
ミリ波の波長は、1mm~10mmと非常に短く、マイクロ波と同様に強い直進性があり、非常に大きな情報量を伝送することができますが、悪天候時には雨や霧による影響を強く受けてあまり遠くへ伝わることができません。
このため、比較的短距離の無線アクセス通信や画像伝送システム、簡易無線、自動車衝突防止レーダー等に利用されている他、電波望遠鏡による天文観測が行われています。
なお、低い周波数帯と比較してあまり利用が進んでいないことから、大容量・長距離の伝送を可能とする技術や無線装置の小型化・低価格化等、利用促進に向けた技術の研究開発が行われているところだそうです。
9.サブミリ波
周波数としては300GHz~3THzとなります。THzはテラヘルツと読みます。
電磁波で遠赤外線の一部でもあります。
この3THzはマイクロ波の上限と言われています。伝送媒体には導波管や光ファイバーが使用されているようです。
サブミリ波の波長は、0.1mm~1mmで、光に近い性質を持った電波です。
ミリ波同様、宇宙空間に存在する多くの分子が、この波長域で輝線を発するので、宇宙空間の分子を研究するためによく用いられます。
現在の技術では巨大な無線設備が必要で、また水蒸気による吸収が大きいという性質があるため、通信用としてはほとんど利用されていませんが、一方では、ミリ波と同様に電波望遠鏡による天文観測が行われています。
この周波数帯についても、無線通信技術の発達による今後の利用拡大が期待されています
まだまだ未開発の周波数もありますね。
次回もいままで3回の無線周波数の話に関する投稿をしたいと思います。
いつもありがとうございます!
それでは、また次回の記事で会いましょう!