【書評】『考具(CCCメディアハウス)』 加藤昌治
抱いた自分の欲求を周りの人、すなわちデザインしようとしている道具やモノを使う人がどう思うのか、実際のユーザーにとって使いやすいのかどうか、を厳しくチェックする。
今現在ぼくは、YouTubeのサムネイル作成を行なっているのですが、
まさにこのことが当てはまります。
『サムネイル』というのは、いわば『動画』という商品の“パッケージ”。
中にどんな商品(動画)が入っているのか、
一目で見てわかるようにしなければなりません。
最近ではYouTuberが増え、攻略法なども広まっている中、
凝ったサムネイルを見かける機会が多いです。
また、ぼくもなるべくプロに劣らないものを作ろうと心がけています。
しかし、本質はあくまでも
「中に何が入っているか一目でわかるようにすること」
「視聴者に見たいと思わせること」です。
デザインに凝りすぎて見にくくなっては元も子もありません。
この引用文のように、
客目線での評価がどうかをしっかりと見極める必要があると
改めて感じました。
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「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
ぼくが、ミニマリストをやる上で参考にしている
ミニマリストしぶさんという方がいます。
しぶさんは、
「自分の経験でしか選択はできない」
というようなことを言っていました。
これは、
「自分の選択は結局、今までの自分の経験に基づくものでしかない」
というものです。
この引用文も同じことだと思います。
今まで凡人だった人が、
いきなり企画会議でガウディのようなアイデアを出せるはずがありません。
一方のガウディも、
30歳の時にパッとサグラダファミリアを思いついたわけでもないでしょう。
それまでにそのような経験があったから、
サグラダファミリアというアイデアが浮かんできたはずです。
要するに、
多くのことを経験した者勝ち
ということとも言えると思います。
アイデアが自分の経験からしか出ないのであれば、
その引き出しを増やせばいいだけです。
よく言われる「若いうちに経験しておけ」という言葉は
こういうことも含まれているのかもしれません。
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あなたが考えた、非常に強力で魅力的な企画へ。
アイデアや企画につながる頭の使い方は、拡げて絞って、また拡げて絞る。
まずはどんなアイデアでもいいから
書き出してみることが大事だと述べていました。
とにかくいろんなアイデアを出して(拡げて)から、
一つ目の引用文のような精査を繰り返して絞っていく。
これで完成に近づいていくのだそう。
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メモする技の上級編もあります。
それは絵の要素を取り入れること。
文字の場合はただの殴り書きでも構いません。
しかし絵となると、具体的な何かを描かなければならなくなります。
つまり、
それだけ頭を使って出来るだけ細かく考える必要が出てくるので
思考が活性化されるのだと思います。
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オズボーンのチェックリスト
転用
応用
変更
拡大
縮小
代用
置換
逆転
結合
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自分がGiveしないと、相手からTakeできないんです。
藤原和博さんの言葉に「与える者が得る」というものがあります。
数年前に出会ってから以降心に留めているのですが、
これと同じことです。
Takeばかりを期待している人は皮肉にもTakeは見込めないのでしょう。
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まとめ
「考える」ということにおいて、
本書のようなツールを知っておく、または自分なりの考え方を用意しておくということは、とても有効的なことだと感じました。
型にハメすぎても良くないですが、
ある程度の自分の道筋を持っておくとスムーズにアイデアを生み出すことができるのだと思いました。