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【書評】『嫌なこと、全部やめても生きられる(扶桑社)』プロ奢ラレヤー


『彼ら(資本家)の言葉に惑わされずに、「何も生み出さない時間」を大事にすることも贅沢な生き方だと僕は思います。』


現代の命題のようになっている時間はお金より大事という言葉に一石を投じる考え方ですね。
たしかに、インターネットが発達して資本主義の構造に気づき出した被搾取層が、搾取層のよく言う時間はお金より大事という言葉に振り回されてる気がします。
何を隠そうぼくもその一人です。
しかしたしかに大事なものは人それぞれ違うから無理に意識しなくていいんじゃない?とも思いました。



文中の一つの章に
無駄なものに課金しろ。個性を打ち出して、希少価値を高めろ。
というようなことを唱えている章がありました。
これはレッドオーシャンではなく、ブルーオーシャンを見つけろ。そっちの方がラクだよ。
と言っているということですね。
そして藤原和博さんやキンコン西野さんのような考えに基づいてさらに言えば、その希少価値を掛け合わせればより希少さが増すということですね。



『価値の最大化の基本は「人が何に対して100円を使うのかを考えること」』


費用対効果を考える。
その100円をどうすれば最大限の価値を生み出すことができるか。
これが経済の基本ということだそうです。
以前プロ奢さんのTwitterで興味深いものがありました。
自分が今300円を持っているとして価値を最大限に高められる使い方は、ホームレスのおっちゃんにおにぎりとあったかいお茶を差し入れてあげること。そうすれば将来的に自分がお世話になることになったらそのおっちゃんに優しくしてもらえるから。
ということでした。目の前の価値に捉われずに長期的な価値を見出すことが経済につながるんだと思います。



「若いうちの楽しみを我慢して必死に2000万円ためて、それでやっと普通の老後が迎えられるなんておかしな話ですよ。」


もちろん人にょって価値観はあるけど、
将来のために今我慢するってなんか嫌だと思います。ぼくは。だからプロ奢さんの意見に同意です。
今20歳だとしておそらく将来って60歳くらいですよね。でも実際60歳になった時にはたぶん80歳になった時のためにって言ってまた我慢するんですよ。つまり結局いつ楽できんの?っていう話になります。しかも80歳で楽できたとしてもできること限られますよね。毎日ゲームして過ごす!って言っても体が思うように動かないだろうし、好きなものだけ食べて生活する!
って言っても体壊すだろうし。そんなことなら今楽しといたほうが良くない?と思います。



『〜中略〜長い歴史から、土地と社会に適した最も生存率の高い生き方が導かれていった結果が「普通」なわけです。だから、動物の生き方としては「大正解」。ただし、〜中略〜人間としてそれが面白いかどうかはまた別の話です。』


まさに。
特に今日の人間はより多く、深い生き方、生きる目的があると思います。
普通ではもったいないと思います。
もちろん普通を極める特異というのもあると思いますけど。



「親切の押し売りほど失礼なものはない」


キンコンの西野さんも言ってしましたし、ぼくも同感です。多様性が謳われている現代ではより如実だと思います。多様性を強要するのは多様性ではありません。


読む前は彼はネットを通じて生きている、言わばネット依存が強い人なのかと思いました。
しかし、そういうわけではありませんでした。
自分が今いる環境を客観的にも見ることができていて、とてもうまく「プロ奢ラレヤー」をこなしてるんだなと感じました。
そして世間から距離を置いて人とは関わらずに生きているかのように思っていましたが、反対に人が好きなんだと思います。人のことを思えば価値が最大化するなどということも言っていて、奢られる場で人の話を聞くということもあり、むしろ一番人と関わって生きている人なんだなと感じました。




#イの本ね

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