
「学びたい」がつなぐ縁 【国内ホイスコーレ体験記/ 道草ダイアローグ】
こんにちは!
IFASラーニングパートナーのなおです。
年が明けてもう2ヶ月が経とうとしていることに驚きが隠せませんが、春の訪れを今か今かとわくわくして待っています🌼🐝
国内ホイスコーレ体験記第四弾です!
今回は、鎌倉で一泊二日のプログラムを開催する道草ダイアローグの参加者にお話を伺ってきました。
2024年3月に開催されたプログラムでは、
「私にとっての”ちょっと良い生き方”を考える」というテーマで、
創作ワークやジャッジのない対話を行う時間がありました。
道草ダイアローグでは、以下のふたつのことを大切にしているそうです。
いつもとは違う場所に身を置き、いつもとは違う時間の流れを感じること。わたしの世界の美しさを表現し、他の誰かの世界の美しさにも気づくこと。
実は、今回のプログラムには、私と同じくIFASのラーニングパートナーとして活動しているはなこちゃんも参加しており、そのご縁で一緒に時間を過ごしたももよさんをご紹介していただきました。
▼詳しくは、道草ダイアローグのnoteをご覧ください。
〈聞き手〉
なお:大学4年生。ひょんなことからフォルケホイスコーレを知り、衝動的に国内ホイスコーレに2度参加する。旅と美味しいご飯と自然が好き。現在はIFASのラーニングパートナープログラムに参加中(そろそろ卒業…)。
〈話し手〉
ももよさん:学び続けることを大切にしながら、人材コンサルタントや古民家再生事業など幅広い仕事に携わる。留学中の娘さんからフォルケホイスコーレを教えてもらい、経験者の体験を聞きたいという思いで、道草ダイアローグに参加。
仕事だけでない自分の人生のための学び
――本日はよろしくお願いします。フォルケホイスコーレを知ったのはどのようなきっかけでしたか?
娘が留学中に、デンマークに留学している友達からフォルケホイスコーレの話を聞いていて、娘と話している中で「ママ絶対好きそうだよ〜!」と教えてもらい興味を持ちました。
大人の学校とか大人の学びという言葉は聞いているけど、どんなところなのか教えてと話が盛り上がりました。私は、メインのお仕事とは別に、演劇もしているので、せっかくホイスコーレに行くなら演劇を学べるような学校を探していました。
――娘さんから「好きそうだよ」とお話があったのは、ももよさんがどんなことに関心があったのでしょうか?
私は常に何かを学んでいたいタイプなので、自分の人生の時間をより豊かにする場として興味を持ちました。
大学をアメリカで卒業した後に、日本に帰ってきて色々やっていたんですけど、建築を学びたいと思って夜間の建築学部に通ってみたり、MBA取得のために海外へ行ったり、人材トレーニングのためにドイツやイギリスの資格を取得したりと、学ぶことが好きなんです。でもコロナの影響も大きくて、海外に行く機会がなくなってしまって、仕事だけでなく、もっと自分の人生に対して学ぶことができたらいいなと思っていました。
娘が留学しているのも羨ましくて、最近学んでいないなとも思っていたところなので、おもしろそうって乗っかってみた感じです。
――学ぶことがお好きなんですね。学びに対する意識はどのように育まれているのでしょうか?
元々知りたい、学びたいという気持ちが強くて、何か学んで少しずつ成長していないと不安になるぐらいなんです。資格マニアですかって言われるくらいたくさんの資格を持っています。
留学していた時に、クラスメイトが同い年の人たちじゃなくて、一度社会に出た後に戻ってきた人たちもたくさんいたので、学びたいと思えばどの世代でも学ぶことができるんだなという認識が学生時代にできました。
社会人になってから30前後ぐらいの時に、夜間の建築学部に行ったときには、18歳で入ってくる人たちがほとんどの中で、同じ世代の人たちが数人いたり、さらには60歳でバリバリ働いていらっしゃる方も学びにきていました。正直、若い子達がいっぱいいるところに入るのは悪いかなと思う気持ちもあったんですが、みんなで仲良くなって学ぶことができたので、学びたいと思ったら躊躇せずに飛び込んでいいんだと思うようになりました。自分が学びたいと躊躇しなければ意外と受け入れられるという経験を何度かしているので、学びが途切れず続いているのかもしれません。

経験者の声を聞きたい
――デンマークのフォルケホイスコーレに興味があった中で、日本国内のホイスコーレ(道草ダイアローグ)に参加されたのはどうしてでしょうか。
実際にホイスコーレに行った人の話を聞きたいというのが一番の理由でした。どれくらいの期間だとどんなことが体験できて、それを持ち帰って日本でどんなふうに心持ちが変わったりとか、影響があったりとかっていう話が聞けたら嬉しいなと。
ホイスコーレについて調べている中で、北欧留学情報センターに行って情報を集めたり、ホイスコーレの留学経験者が体験談を話すラジオを聞いたりしていましたが、もっと経験者のお話を聞きたいと思っていました。
――道草ダイアローグを運営されている方は、フォルケホイスコーレの経験者でしたよね。
そうなんです。参加者にもホイスコーレ経験者の方がいたので、行ってみてどうでしたかみたいなお話をたくさんしました。
あとは、場所が鎌倉だったのもおもしろいなと思っていました。
関東に住んでいるので、鎌倉には遊びに行くことはあっても、近すぎるから泊まることがないエリアなんです。宿泊場所の亀時間というゲストハウスもすごい素敵そうだなって。古民家を改修して運営されているそうなんですが、実は私も、築100年を超える古民家を買って、改装して一棟貸しみたいな形で貸し出すこともやっているので、亀時間では、建具やガラスの細工など、古いものが上手に使われているとネットで見ていて、どんなふうに運営されているのか見てみたいという思いもありましたね。

鎌倉にある日常
――普段気軽に行けるからこそ、泊まることがない場所に泊まってみる経験はおもしろいですね。鎌倉の印象は変わりましたか?
鎌倉は遊びにいくところなので、お店とか神社とか観光スポット巡りになると思うんですけど、今回は一切観光スポットには行かないで、住宅街にぽつんとあるゲストハウスに泊まって、周辺をみんなでタラタラ散歩しながら海岸に行って、「こんなとこにこんな古い感じのお店があるのね」とかっていう話をしたり、道が細かったら車に気をつけて小学生みたいに縦1列に並んで歩いたり。当たり前だけど日常がいっぱいある場所なんだなと、鎌倉の別の一面を見ました。

亀時間(ゲストハウス)は、モモと時間泥棒に登場するカシオペアという亀をイメージして作られた場所だと聞きました。
時間泥棒に時間を奪われてしまうところにカシオペアとモモが時間を取り戻すために戦いにいくという物語で、亀のゆっくりとしたイメージや、普段の慌ただしさや幻想から離れて自分を取り戻すための場所という思いが込められているそうです。
入った瞬間になんだかタイムスリップしたようなレトロっぽい感じがある場所で、みんなでほっこりお話しする場所として素敵だなと思いました。

自分の中のものが花咲くように
――道草ダイアローグでは、どんなプログラムを体験されましたか?
自分が大切にしているものを表に出してみよう、自分の感覚を表現してみようという創作ワークがありました。キャンバスって四角いものが多いですが、それだと枠にハマるみたいなイメージがあるので、あえて丸いキャンバスにして、それぞれの想像力で思い思いに色を使って描いてみましょうという時間がありました。
私は「Blooming out」という題名をつけて、花が咲き開くように自分の中のものがどんどん出ていくといいなという想いで作りました。作品を作った後に、タイトルはなんだと思うかみたいなのをやってみたり。日常生活では、なんとなく色んなことを聞いて受け入れることが多いけど、恥ずかしがらずに自分の内側を表現する体験は印象的でした。


あとは、バリューカードを使ったワークも印象に残っています。
カードには、いろんな価値観が書かれていて、その中から自分が大切にしたいことや自分を表しているものを選ぶのですが、5枚だけしか選べないので、選ぶのが意外に難しい場面とかがあって。これに関してどっちにしようかすごく悩んだり、一度捨てたカードをまた取り戻す人もいて、他のものに比べたらやっぱりそっちが大切なんだなみたいに葛藤する姿がおもしろかったです。

――さまざまな方法で自分を表現されたんですね。
プログラムのない時間にはフォルケホイスコーレのことを聞いたり、旅行が好きな人の話を聞いたり、美味しいお酒をおすすめしてもらったり、パンのお話をしたり…ほのぼのしたお話をたくさんしていました。お互いに興味があることや好きなことをたくさん共有する時間も楽しかったです。
経験者の中に宿るホイスコーレの学び
――心に残っている体験などありますか?
色んな人たちのホイスコーレでの経験を聞けたのが印象的でした。1回だけじゃなくて2回行った人とか、また行こうと思ってるんだっていう話を聞いて、なんとなく学びの体験として1回行ったら終わりみたいなイメージがあったんですけど、次は違うところでこんな体験したいとか、自分の人生とか生活の一部にホイスコーレをその方たちが置いてるんだなっていうのを知ったのが印象的でした。断続的だけど、継続的にホイスコーレっていう存在がその人たちの中にあるんだなって。
私の中で海外って、何度も行ったり同じような体験を繰り返すというよりも、観光スポットに行って終わりとか一度きりみたいなイメージがあったので、フォルケホイスコーレはそれよりももっと継続的で、その人の中に根付くみたいなのが印象的でした。
共感からつながる縁
――今振り返ってみて、道草ダイアローグでの経験をどのように捉えていますか?
娘と同じくらい世代が離れている人とも知り合えて、家族みたいに近い関係性になれたことが嬉しかったです。コースが終わってからもlineでわちゃわちゃやり取りができるのが楽しいな、よかったなって。普段だったら世代が離れていると、ついかしこまっちゃったり遠慮しちゃったりとか、おばちゃん近づいたら嫌がられるかしらと気にしてしまうこともあると思うんですが、フォルケホイスコーレの自分を見つめたりとか、大きく深呼吸して次の一歩といったところに共感してきてくれる人たちだからという安心感もありました。
みんなでわちゃわちゃ過ごす時間も楽しくて、海辺で風が強くて「わあ〜!」ってはしゃいでて、はたから見たら「あの人たち変なことしてる」って見えるだろうなって思いながらも、そんなことも気にせずにちょっと童心にかえって動ける、そんな優しいメンバーだったんです。ホイスコーレに興味がある人たちは、こういうあたたかい人たちなんだなと安心感を得て帰った記憶があります。
――どのような時間が皆さんの距離を縮めたと感じていますか?
自由時間にまったりお話しててみたいなのがその空気感を繋いでくれたのかなと思います。
あと、温泉に行ったのが私にとって大きかった気がする。変な話、温泉で裸をお互い見ちゃうと「もういいよね(笑)」みたいな気持ちになっちゃう。夕暮れ時に夕日が沈むのに間に合うようにバタバタと温泉に行って、「ぎり間に合ったかもー!」とか言いながら、裸で湯船に浸かりながら話していました。ちょっと私たち声が大きいかしら、周りの人たちに悪いね、なんて言いながらもずーっとお喋りを楽しんでいました。

以上、国内ホイスコーレ参加者インタビュー第四弾〈道草ダイアローグ〉でした!
〈編集後記〉
鎌倉は観光で何度も訪れたことのある町ですが、その日常は見たことのない景色です。お話を聞いていて、観光地という非日常の中の日常、あるいは日常の中の非日常など、まだ見えていない一面を発見することのよろこびってあるなあと思いました。(気づきがある日ってなんだか嬉しい気分^^)
また、道草ダイアローグでは、言葉だけでなくアートを通じた自己表現が印象的でした。言葉にすることが苦手でも、アートを通じて内側にある思いが引き出され、それが形となって表れる。作品となって残ることで、あとから当時の体験を思い出すきっかけにもなりそうです。
最後に、ももよさんの学びを体現し続けている姿は、私の「知りたい・学びたい」というわくわくした気持ちを刺激してくれるようでした。
「躊躇せずに飛び込んでみる」
私も、この姿勢を大切にしながら、新しいことをたくさん学んでいきたいです。ももよさん、お話ありがとうございました。
道草ダイアローグを運営される方は、「瀬戸内フォルケホイスコーレ」という直島を舞台にしたプログラムも開催されています。
WEBサイトには、2024年11月に開催されたプログラムの参加者の声も載せられているので、ぜひ覗いてみてください。
最後に、この記事を読んで少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
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【道草ダイアローグ】
【瀬戸内フォルケホイスコーレ】(2024年11月開催)