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長野県野尻/斑尾フォルケホイスコーレ『NoMaFo』の魅力〜暮らしながら、農業とマインドフルネスを学ぶ〜

こんにちは! IFASのLearning Partner Programメンバーの佐藤です。
今回は「日本でフォルケホイスコーレを体験できないかな?」といった疑問を持つ人に向けた記事になります!

フォルケホイスコーレスタイルの体験プログラムを長野県野尻/斑尾エリアで開催している「NoMaFo」
”18歳以上のすべての人に生涯学習の機会提供”という理念のもと、NoMaFoは2016年にスタートしました。
豊かな自然のなかで、ゆっくりと生活しながら、実践や対話での学びを通して、発信し、交流を深めて、その時にしか味わえない体験を作り上げています。

NoMaFo合同会社の代表社員である倉澤翔太さんに、NoMaFoについてお聞きしました!
以下、インタビュー形式でお届けします。



個人の背景や属性を超えて集まり、学ぶことができるコミュニティを。


佐藤:ホームページには「18歳以上の全ての人に生涯学習の機会の提供」とありましたが、理念の背景を教えてください。

NoMaFo倉澤さん(以下倉澤): 理念は、デンマークのフォルケホイスコーレの理論をそのまま参考にしました。「そもそも何で日本でフォルケホイスコーレやりたいか」に繋がってくるところですが、 やっぱり日本で生活しているとやり直しがしにくい社会である点、あとは何かしらの組織に属していないと、出会いなどの機会が少ない点があると思っています。なので、自分の生い立ち、組織、バックグラウンド、宗教、性別…そういったものを全て取っ払った個人で集まって学ぶことができるコミュニティがあることで、何か得られるものがあるのではと考えています。

日本の歴史、海外の文化、季節の変化…
体感型・直感型の学びの舞台「野尻湖」


佐藤:開校するにあたり野尻湖エリアを選んだ理由はありますか?

倉澤:
野尻湖って田舎の方なんですけれども、海外の方が古くから関わっていて、今でもそれが色濃く残っているちょっと不思議な土地なんですよね。スカンジナビア系の人も多かったりするので、デンマーク的な要素も残しつつ、でも紛れもなく日本の田舎であるっていう、その二面性がいいなと思っています。
なので、最初に狙っていたのは国内留学という扱いだったんです。デンマークに渡航するってなると、100万円ほど必要だけど、日本だったらもっと安くて同じような体験をできるんじゃないかと考えました。
野尻湖周辺は、日本古来の農業を実践している方がいらっしゃったり、山菜刈りができたりや雪が降ったり四季が感じられる度合いも強い。
だから、フォルケホイスコーレのようなその体感型・直感型の学びを提供する舞台としては最高なんじゃないかなって思っています。


NoMaFoで学ぶ農業とマインドフルネス

佐藤:NoMaFoの学びの軸を農業体験とマインドフルネスにしている理由はありますか?

倉澤: はい。まず農業体験は、三つ理由があります。まず前提として、農業のイベントがある時期にプログラムをつくっているので、農業が軸になっています。春先の植えるシーズン、夏に収穫するシーズン、秋に稲刈りをするシーズンです。
なぜ農業を軸にしているかというと、一つ目が、その土に触れることの大切さっていうのを、味わってもらいたいからです。土に触れていくと、自分たちが生きていく上で一番大切な食に対して自分視点で能動的に向き合うので「生きること」をもっと主体的に考えることができるのでは?と考えています。

二つ目としては、日本は食料自給率が低いことに対する気づきの提供も、農業を体験してもらうことによって「本当にこれでいいのか」と食に対する意識をもっと落とし込めて生活していけるんじゃないかなっていう狙いがありますね。協力してくれている農家さんは自然農法を実践されている方で、古代米って言われる日本古来からある赤米や黒米を作っている方なんです。なので自分たちのルーツを感じられるような体験になっています。

三つ目は、とにかく疲れてもらいたいからです。がっつり体力的に疲れるっていう体験があった方がいいなっていうふうに思っていて、それが対話の時間などをもっと濃密な時間にすることに繋がっていくと考えています。

マインドフルネスは、創始者のスタンオルソンさんが一番関わっていて、NoMaFoの一番核となっているところですね。シンボルマークも、実はマインドフルネス的な考えからきていて、自分自身から外へ向かっていくだったり、外からの影響を自分に落とし込んでいくという意味合いがあります。
人生を生きていく中で、常に軸を自分の中で持つ、またはその軸を育てることが大事じゃないかなと思っています。瞑想などを通して、より深く体感的に自分自身っていう存在を見つめることを目的としてマインドフルネスを軸に置いています。


NoMaFoのロゴはマインドフルネスのイメージから。



佐藤:デンマークのフォルケホイスコーレ的な要素を実践に取り入れる上でどのような工夫をしていますか?

倉澤: 今でも悩みながら行ってるんで、答えみたいなものはあまりないんです。
授業カリキュラムに取り入れてるっていうよりは、暮らしの中で大事にしているという捉え方なんですよね。

例えば、夜ご飯は料理を作ってみんなで食べて、みんなで片付けます。料理を手伝う人、自由に過ごす人、積極的に片付けを手伝ってくれる人、すぐにくつろぐような人もいます。それぞれで良いのですが、片付けをする人がいないと絶対に片付かない。みんなで良い暮らしを作り上げるときに、どうやったらみんながいいように暮らしていけるかを考えて動く。みんながみんなのことを考え、決めて動いてもらえたらいいなって思ってます。
カリキュラムもある程度スケジュールを作りますが、実際その中で何をやるかは、みんなに決めてもらうこともあります。 農作業は、天候以外の理由では動きませんが、それ以外は参加者にファシリテーターとして主導権をとってもらったり、みんなで考えて動いてもらうように工夫をしています!

NoMaFoが目指す『本来の自分』に出会う旅 

どのような人におすすめ?


佐藤:NoMaFoは、どのような人に向けて開校していますか?

倉澤:人生の次の段階に行こうと思ってる人、改めて自分自身のことをゆっくり見つめ直したい人、都会でできないけど普通の旅行だとできないようなアクティビティをやりたい人ですね。
ただ、属性が偏るというよりは、幅広い方が来てくれたら嬉しいです!
あと大学生が来てくれたことが一度もないんです。20代中盤から、30、50代ぐらいがコアな年齢層になっています。例えば、40代のご夫婦、60代、家族連れで来てくださる方もいました!これからもっと大学生など20代前半に来て欲しいなって思っています。

参加者の反響や変化は?


佐藤:これまで参加者の方からはどのような反響がありましたか?

倉澤:多くの参加者がリピートしてくれることですね。例えば、ゴールデンウィークにジャガイモなどを植えるので、次は夏に自分が植えたじゃがいもを取りにくれたり、9月にはお米を収穫するというように。
マインドフルネスにも力を入れてるので、自分自身の悩みや課題に対して、少し違った視点を持って帰っていけました、という声もありました。


佐藤:NoMaFoを通じて参加する人たちに与えたい気づきはありますか?

倉澤:「そのままでいいんだ」
って思ってくれたらいいかな。自分自身がデンマークのフォルケホイスコーレに一緒に行った人を見て得た体感ですが、一緒にいるうちにどんどんその人の殻が破れていく感覚が見えたんですよね。
ホイスコーレの面白いところって、同じ人でも、家族の中の自分、会社での自分、友達の中の自分とか、そうしたものを全部1回取っ払っちゃうところだと思うんですよ。本来の自分として、何か気づきがすごいある場所だと思っているんです。

佐藤:たしかに、対話と暮らしのある学びだからこそ取り繕わない本来の自分を出していきやすいのかもしれないと思います。

倉澤さん、NoMaFoについて教えていただきありがとうございました!
NoMaFoの大切にしている軸、活動内容などを聞いて、私自身も実際に参加して実感したいと感じました。



日本にもフォルケホイスコーレをモデルとした体験ができる場所があること、そしてNoMaFoの魅力が届いて関心を持っていただけましたら、とても嬉しいです!
NoMaFoのプログラムは季節に合わせて定期的に開催されています。
ぜひホームページやSNSをチェックしてみてくださいね✨

NoMaFoの情報はこちらでチェック👀
公式サイト:
https://www.nomafo.org/
instagram:https://www.instagram.com/nomafo2012/

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