空間に引き出される本来の自分【国内ホイスコーレ体験記 / School For Life Compath】
こんにちは!
IFASのラーニングパートナーとして活動している加知です。
ようやく暑さが和らいできて、ほくほくな秋の気配が近づいてきましたね🍂
前回のつわのホイスコーレ参加者インタビューに引き続き、
国内ホイスコーレ参加者へのインタビュー第二弾!
今回は、「私のちいさな問いから社会が変わる」という言葉を中心に、
北海道東川町を舞台として大人のための学び舎をつくっている
School For Life Compathのコースに参加された、てるきさんにお話を伺っていきます。
School For Life Compathでは、2024年4月28日〜5月5日に「good vibes-心地よさの探求–」というテーマで8日間のショートコースが開催されました。
今回のコースに参加された方は、あたらしくオープンされた校舎で共同生活をする第一号だったようです。
共に暮らすことを通じてどのような気づきがあったのでしょうか。
自分と他者の可能性を広げたいという思い
――本日はよろしくお願いします!早速ですが、てるきさんがCompathに参加したきっかけを教えていただけますか?
僕は元々教員になろうと思っていたので、教育に興味があるっていうのは単純にありました。あとデンマークのフォルケホイスコーレに行っていた友達に話を聞いていて、行きたいなと思っていたんですけど、仕事もしているのでデンマークの方にはなかなか行けず、たまたまゴールデンウィークの予定が空いたので調べていたらCompathを見つけて。デンマークには行けないけど日本だったら行けるわ!と思ってとりあえず説明会行ってみて、そしたらいつの間にか参加して、いつの間にか帰ってきてましたね、早かったです(笑)。
――プログラムには、どんなことを期待していましたか?
個人的な生き方として、基本的に自分を幸せにするのは自分だけど、その中で誰かが新しい景色や何かをする可能性を提示してくれるタイミングは幸運でありチャンスだと思っています。今回は尊敬している友達がフォルケを教えてくれたので、その景色を一度見てみたいっていうのはありました。
あとは日本にはない教育なので、自分が他の人にも可能性を提示できるように選択肢として知りたいなと思っていました。でも今思えば、そこに来る人達から刺激をもらいたい、何かのきっかけにしたいという思いもあったと思います。
Compathでの日常
――コース中はどのようなスケジュールで生活を送っていましたか?
時々日の出を見るために4時に起きることもありましたが、基本的には7時頃には起きて朝ご飯ですね。毎日のように朝のコーヒーを入れてくれる人がいて幸せでした。8時ぐらいからは朝の会と掃除があり、その後は授業に参加したり、遊びに行ったり各々自由に過ごしていました。
選択授業は、自然や家具がテーマとなったものが多かったです。東川は家具が有名で、家具を作っている方から家具の歴史や木の種類などのお話を聞きながら、実際にしおりを作ってみるワークがあったり。ワークとは別で、東川に住んでいるおじいちゃんのお家にお邪魔して、薪割りのお手伝いをすることもありました。
18時頃になると夜ご飯の時間で、自分達でカレーを作ったりBBQをする日もあれば、東川の人が作りに来てくれる日もありました。ご飯の後はイブニングアクティビティの時間があり、哲学対話や参加者が提案してくれた人生年表ワークとかもしました。お風呂は校舎にもシャワーがあるのですが、近場にある「きとろん」という銭湯に行くことが多かったです。
――地域の人と関わる機会が多いのも魅力的ですね。余白時間は何をしていましたか?
基本的に出かけるのが好きなので、みんなとまちに出かけたり遊びにいくことが多かったです。東川町はもちろん、美瑛や旭山動物園にも遊びに行きました。本当は雪が積もっている旭岳に登るプランもあったんですけど、天気が悪くて登れなかったのでまた今度リベンジしに行きます。
――東川町はどんなまちでしたか?
東川は地域や自然と共生していたり、今住んでいるところに比べて人との関わりが多くて、一緒に過ごしている感覚があたたかくていいなって。まちの人達から様々な出会いの話を聞いて本当に人同士の関わりが深いんだなと感じました。教育に力を入れているということ相まって、移住者が多いということもうなずけました。
あとは家具!という印象も強かったですね。資源を有効活用して生み出される多種多様な東川の家具を見るのは面白いですし、家具屋さんやきこりさんの話を聞く体験も新鮮でした。
自然の中でまっさらなキャンバスに描くじぶん
ーーコースの中で、特に印象に残ってるプログラムはありますか?
初日の「森のMEISHI」というプログラムが個人的には好きでした。ざっくり説明すると、各々が校舎の周りの好きな場所を選びそこにキャンバス替わりの布を置いて、落ちている葉や枝などを使って自分を表現をするというものです。初めてやる自己紹介(?)の形だったので、少し苦戦はしました(笑)。想像以上にみんなの表現の仕方が様々で、お互いよく知らない状態からみんながどのような意図でこの場所を選んでこの置き方をしたのか、という話を聞いて深堀していく時間は一番楽しかったかもしれません!
あとは自然が好きっていうのもあって、新しくできた校舎の裏に秘密基地を作るワークも楽しかったです。木こりの方が講師をしてくださり、木の説明とか、どういうふうに切る木を選んでいるのか、自分たちが日頃使っている家具がどういう過程で育っているのかっていう話を聞きながら、じゃあそれを意識した上で、ここの土地をちょっと切り開いて居心地のいい場所を作ろう、みんながやってみたいことをやろうっていう授業でした。笹を刈ってハンモックをかける場所を作る人もいたし、木を切り倒して木材にする人、木登りをする人、スプーンを作る人とか、僕は椅子を作ってたんですけど、一日かけて自然と触れ合いながら各々がやってみたいことをできる時間でした。これだけ時間かけてこれだけしか木が育たないんだとか、日頃考えないことも踏まえて物を作っていったり、意外と工夫すれば椅子も作ることができるんだっていう経験ができたのはいい機会でした。
――共につくるっていうのも今回のテーマの一つでしたよね。
そうですね。まだ校舎もできたばかりで未完成な空間ということも相まって、共に暮らす空間や場を共に作っていきたいということも含めたテーマなのかなと思いました。
対話が生まれる空間での暮らし
――校舎で参加者の方々と共に暮らすことに関してはどうでしたか?
正直出会ったばかりの人達と共に暮らすということは、最初から不安がありましたし多少なりとも気を遣う点はありました。それでも人と関わるのは苦手なわけじゃないので、そこまで苦だとは思ってないのですが、普段の生活やただ共同生活をするのとは違って、自然と対話を求められる節があるのは難しかったかな。参加者は人をよく見ている人が多かったので、時にはその空間に気まずさを感じる瞬間もありました。ですが、共同生活という中でも自分の時間を自由に取ることができますし、会ったばかりの人達の様々な面を見ながら生活できること、Compathに来なければ関わらなかったであろう人達を知ることは楽しかったです。
ただ、個人的にもう一つ思うのは、私が夜更かしをしたり朝日を見るために早起きをしたりしていたので、同部屋の方には大変申し訳なかったです(笑)
自分の純粋な感情への気づき
――1週間を通して得られた気づきなどありますか?
難しい…!整理しきれていないところもありますが、自分の感情に少し気づけたことはありました。元々人が好きというか、みんなが幸せだったらそれでいいぐらいのスタンスで生きていたんですけど、みんなのために頑張りすぎてるんじゃないかって悩んでいた部分があって。対話が求められる共同生活の中で、参加者に悩みを打ち明けて考えた結果、自分は思ったより周りのみんなへ純粋な感情を持っていて、気を遣ってみんなの力になろうとしているのではなく、好きでやってるだけだから別にいいやって思うようにはなりました。他者に自分を開示できたことや普段と異なる環境から自分に目を向けて考える時間が多かったことで、自己理解は深まりました。行く前と行った後では、心の余裕みたいなものも増えた気がしています。
あと自分はコミュニケーションが苦手だったつもりはないのですが、自分の悩みをどう開示すればいいかわからなかったこともあり、意外と自己開示や対話という部分は苦手なんだとも感じました。日頃していないことをするのは難しいなあと感じています。
――最後に、Compathはどんな空間でしたか?
来る人みんな、何かしら人と関わりに来ていたこともあったのか、なぜか日頃よりも話せる不思議な空間でした。年齢や経験、視点が違う人たちと関わることで、新鮮さや刺激を感じることができて、いつもの環境にいるよりは「自分はこうだったかも」って良くも悪くも知らなかった新しい部分を発見できたり、本性のようなものが自ずと引き出されたと思います。
以上、国内ホイスコーレ参加者インタビュー第二弾〈School For Life Compath編〉でした!
てるきさん、素敵な体験談聞かせていただきありがとうございました😌
東川町の地域性を活かしたプログラムや共に暮らしながら学ぶことへの魅力がぎゅっと詰まった様子が伝われば嬉しいです。
School For Life Compathでは、1週間〜10週間の滞在型プログラムが定期的に開催されています。
長期でのお休みが取りにくい!という方でも、オンラインと週末滞在を組み合わせたトライアルコースが今年から始まっています🫧
興味のある方は是非、ホームページやSNSをご覧ください!
では、また!
加知