『異常な音を出すガール』の話
『異常な音を出すガール』聴いてますか?
cosMo@暴走Pの新曲です。
異常な音を出すなんて銘打たれたら期待して聴いちゃうじゃないですか。期待を大きく上回ってきました。
開幕効果音4連続がめちゃくちゃ気持ちいい。音街ウナの無邪気な少女の声がぴったり。cosMo@暴走Pらしいガンガンのエフェクトが異常な音を端的に表している。
最初から最後まで飽きさせない、最近のボカロ曲に多い、速さ・ノイジーさを凝縮したような良曲です。
なによりぼくが気に入ったのはサビが上がりきらないところです。
音楽理論は門外漢で詳しくは言えませんが、サビがサビらしくない。
最初に通しで聴いたあと、すぐにもう一度聴き返してしまいました。
何度聞いても上がりきらないのが気持ち悪い。だがそれがいい。
ここまで音に注目してきましたが、歌詞も素晴らしい。
最近のボカロ曲の根底には「社会的抑圧と自己解放」があります。
それは「思春期」特有のものであったり、「個を尊重する」という建前の流布と「日本的社会性」の板挟みの時代性であったり。要因を挙げればキリがありませんが、そこへのカタルシスをこの曲でも感じることが出来ます。
注目すべきはこの歌詞
この曲で頻繁に出てくる変な音=和を乱す個の表現と解釈すれば、全編を通して上記の「抑圧と解放」を読み取ることが出来ます。
この曲はタイトルのとおり「変な音を出す少女」=「社会不適合な少女」の曲になります。
それを踏まえた上で、最初の「変な音が出てますか?? 大丈夫ですか?」は歌う少女の不安感と読み取れます。そこで続けざまに「心配ですか?」の一言。ここにキレがある。急に少女の不安感がぼくら聴いている側に投影されます。開幕3フレーズで、見事に曲の世界観に引き込まれます。
他にも目を惹く歌詞はたくさんちりばめられていますが、それは是非自分の耳と目で感じてみてください。
「異常な音を出すガール」何度もリピートしてしまいます。
ボカロと言えばこの短編集。
ボカロ好きであればクスッとくるような小ネタを散らしています。
以上です。