インフェルニティにおけるホルスの採用意義【遊戯王マスターデュエル】
●はじめに
この記事は2024年05月09日に実装された王の棺を軸としたホルスギミックに関する考察となっています。
決闘に勝つことよりもソリティアに悦びを感じる方向けなのでご留意ください。
●ホルスについて
本題へと入る前に“インフェルニティの初動”として必要な三大要素の話をおさらいしておこうと思います。
以上3つのポイントを抑えつつ、安定した初動率や最大限の素引きケアを備えた展開ルートを“インフェルニティの初動”と定義しています。(あくまで筆者の理念でありこれが絶対的な正解ではない)
このホルスギミックは「ハンドレス状態の形成」に特化しており単体でもそこそこのパワーを発揮できる現代遊戯王的な出張テーマと言えます。手札を2~3枚コストに出来れば「インフェルニティ・デーモンへのアクセス」は可能ですが結局「インフェルニティ・デーモンの出力」は運次第となってしまうので、それよりはNo.90 銀河眼の光子卿で手札誘発をケアしたりリンク値を伸ばす活用法が無難でしょう。
また、インフェルニティ・セイジから始動する確定ハンドレス展開であったりペンデュラム召喚を駆使したギミックのように充分な初動率を確保しつつ手札誘発を採用できる訳ではありませんが、増殖するGを弾くカード5枚程度であればギリギリ積める枠は確保できます。(初動率を削ってまでそれ以上の手札誘発を積むよりは複数のギミックを活かした手数で戦う方が賢明)
つまりホルスとは、それ自体が手数を生みつつ手札を使い切れる保証が無い展開ギミックに「ハンドレス状態の形成」という安定感を付与できるギミックと言えるでしょう。
なお真血公ヴァンパイア(ランダム4枚墓地肥やし)をインフェルニティの初動として運用する行為は、相当な強運の持ち主にのみ許された特権です。どうしようもない時の保険として採用することを推奨します。
●純構築
ここからは「ハンドレス状態の形成」をホルスギミックに一任することで安定感を得られそうな初動ギミックを紹介していきたいと思います。
なお記事の都合上、王の棺にアクセスできている前提で文章を書いていますので実際の初動率への文句は受け付けていません。(2枚初動と考えても60%前後しかないことは極秘事項)
まず筆頭は純構築です。
従来の純構築は初手の5枚で「インフェルニティ・デーモンを墓地へ送るカードと蘇生魔法カード(或いはヘルウェイ・パトロールなどの手札から特殊召喚できるパッケージやトランスターンなどのリクルートセット)を引いたうえでハンドレス状態を形成する」という極めて運ゲーに寄ったおみくじデッキだったのですが、必ずハンドレスにできるのならばその運ゲー度合いは多少緩和されます。
また、王の棺は手札に残すカードを選べるという点も強く狙って貫通力を上昇させることが可能です。EXデッキの自由度はピカイチですしアドリブを楽しみたい満足民の方にはうってつけだと思います。
覇王眷竜ダークヴルムのようなPスケールを揃えるための出張ギミックは「ハンドレス状態の形成」と「インフェルニティ・デーモンの出力」という2つの要素を一手に担える点が魅力です。
●スクラップ
次に紹介するのはスクラップ・リサイクラーを起点とした展開です。
1枚初動から彼岸の黒天使 ケルビーニ+リンク値1という状況を作り出せ、魔サイの戦士からインフェルニティ・デーモンへとアクセスできます。
また、王の棺を絡めることで従来はケアが難しかったスクラップ・ゴーレムとジェット・シンクロンの併せ引きなどをも克服できる点はかなり噛み合っていると思います。(全て墓地へ送れば解決するため)
①化石調査orスクラップ・エリアorスクラップ・ラプターorスクラップ・リサイクラー
王の棺ef(効果発動)ハーピを墓地へ送る
→リサイクラーns(通常召喚)efローズニクスを墓地へ送る
→ローズニクスefトークンを生成
→【リサイクラー+トークン】ワイバーンls(リンク召喚)efリサイクラーを蘇生しリサイクラーを破壊→ワイバーンefゴーレムss(特殊召喚)しワイバーンを破壊
→ゴーレムefリサイクラーssefオライオンを墓地へ送る→オライオンefトークンを生成
→【リサイクラー+トークン】ケルビーニlsef魔サイをコストに自身の攻守アップ→魔サイefトリック・デーモンを墓地へ送る→トリックefインフェルニティ・デーモンをサーチ
→ハーピef自己蘇生
→【ケルビーニ+ハーピ+ゴーレム】スカルデットlsefデーモンssefガンをサーチしセット
星鍵士リイヴ
スクラップからの有名な展開として、機械族の星遺物を墓地へ送り星鍵士リイヴで持ってきた星遺物を継ぐものですきなモンスターを蘇生する動きがあります。
この部分のみを目的として「インフェルニティ・デーモンの出力」手段がデッキに13枚投入されているという構築も面白いかもしれません。
●P.U.N.K.
続きまして、自由度の高さで各所に顔を出すP.U.N.K.です。
P.U.N.K.ギミックはスクラップギミックと同じことができるうえで素引きしたトリック・デーモンをNo-P.U.N.K.フォクシー・チューンで誘発することまで可能という極めて高いインフェルニティ適性を持っていました。
さらに手札がP.U.N.K.に偏っている場合であれば王の棺が絡まずともハンドレスにできる地力があり、インフェルニティ展開ができない場合でもP.U.N.K.のみで2妨害残せるなど魅力的なテーマとなっています。ハンドレス状態を形成するために存在するかのような新ギミックが実装されいよいよ実用レベルになって嬉しいです。
スクラップギミックと比較した場合の欠点としては手札コストが必要なためホルスの供給が不足する危険性があることくらいです。(インフェルニティガンの効果でインフェルニティモンスターを捨てる代わりに王の棺を用いることで幾らか補える)
①No-P.U.N.K.オーガ・ナンバーor緊急テレポートorNo-P.U.N.K.セアミン(手札コスト1枚)
王の棺efハーピを墓地へ送る
→セアミンnsefフォクシーをサーチ
→フォクシーef娑楽斎ssef
→【セアミン+娑楽斎】カープ・ライジングfs(融合召喚)efセアミンとディア・ノートss
→【セアミン+ディア・ノート】ドラゴン・ドライブssefサイコウィールダ―をサーチ→ディアノートef娑楽斎ss
→サイコウィールダ―ss
→【サイコウィールダ―+娑楽斎】ケルビーニlsef魔サイをコストに自身の攻守アップ→魔サイefトリック・デーモンを墓地へ送る→トリックefインフェルニティ・デーモンをサーチ
→ハーピef自己蘇生
→【ケルビーニ+ドラゴン・ドライブ+ハーピ】スカルデットlsefデーモンssefガンをサーチしセット
②No-P.U.N.K.フォクシー・チューン(手札コスト1枚)
王の棺efハーピを墓地へ送る
→フォクシーefセアミンssef娑楽斎をサーチ
→娑楽斎nsef
→【セアミン+娑楽斎】カープ・ライジングfsefワゴンとディア・ノートss
→ワゴンefセッションをサーチし発動
→【ワゴン+ディア・ノート】ドラゴン・ドライブssefスパイダーをサーチ→ディアノートef娑楽斎ss(セッションef1ドロー)
→セッションefフォクシーを除外しスパイダーssef罠をサーチ(セッションef1ドロー)
→【スパイダー+娑楽斎】ケルビーニls
→以下①と同様
展開例
※スクラップ、P.U.N.K.初動から合流
→【スカルデット】ジーランティスlsef場のモンスターを全て除外し帰還→デーモンefセイジをサーチ
→王の棺efセイジを捨ててイムセティを墓地へ送る→セイジefネクロマンサーを墓地へ送る
→ガンefセイジとネクロマンサーを蘇生
→【セイジ+デーモン】トリロスークタss(※EXモンスターゾーンの真下に置く)efセイジss
→ネクロマンサーefデーモンssefガン´をサーチしセット
→【デーモン+ネクロマンサー】ヤマlsガン´efネクロマンサーとデーモンを蘇生→デーモンef罠をサーチしセット
→【ヤマ+デーモン+セイジ】ファイアウォール・ドラゴンls(※ジーランティスと相互リンク状態になるように置く)efセイジを回収
→王の棺efセイジを捨ててドゥアムテフを墓地へ送る
→ネクロマンサーefデーモンssef罠をサーチしセット
→【ファイアウォール+ジーランティス+ネクロマンサー】シンギュラリティls
→【トリロスークタ+デーモン】バロネスssシンギュラリティefファイアウォールss
→イムセティef自己蘇生
→ドゥアムテフef自己蘇生
→【イムセティ+ドゥアムテフ】タイタニック・ギャラクシーxs(エクシーズ召喚)
→バロネスefセッションか王墓の石壁(蘇生したホルスモンスターでも可)を破壊→ヤマefネクロマンサーssefデーモンssef罠をサーチしセット
●百鬼羅刹 巨魅ガボンガ
こちらは百鬼羅刹を用いたP.U.N.K.から繋がる展開です。
P.U.N.K.JAMドラゴン・ドライブ+レベル3モンスター2体となるまで展開し百鬼羅刹 巨魅ガボンガをエクシーズ召喚することで、王の棺が絡まずとも鎖龍蛇-スカルデットの成立前にインフェルニティ・デーモンを出力可能でもっともソリティアが伸びる形となります。(メインデッキのスペースを気にしなければラーの翼神竜-球体形をケアした全ハンデスが可能な状態)
欠点はメインデッキの消費が増えることで、ホルスと併せて採用すると灰流うららを積むスペースすら喰い漁ってしまいます。
EXデッキについてはUk-P.U.N.K.カープ・ライジングを経由せずに展開することで枠を節約できます。(その代わり、P.U.N.K.固有の妥協プランなどは捨てる必要がある)
①ダーク・オカルティズムorNo-P.U.N.K.オーガ・ナンバーorNo-P.U.N.K.セアミンor緊急テレポート(手札コスト1枚)
セアミンnsefフォクシーをサーチ
→フォクシーefディア・ノートss
→【セアミン+ディア・ノート】ドラゴン・ドライブssefサイコウィールダ―をサーチ→ディア・ノートefセアミンss
→サイコウィールダ―ss
→【セアミン+サイコウィールダ―】巨魅ガボンガxsef特攻ダグをサーチ
→特攻ダグef自身をssef大参上をサーチ
→大参上ef神速ブーンをサーチしX素材を取り除き神速ブーンをss
→【特攻ダグ+神速ブーン】ケルビーニlsef魔サイをコストに自身の攻守アップ→魔サイefトリック・デーモンを墓地へ送る→トリックefインフェルニティ・デーモンをサーチ
→【ドラゴン・ドライブ+巨魅ガボンガ】ヌトスssefデーモンss
ランク3製造機としてのP.U.N.K.
P.U.N.K.JAMドラゴン・ドライブすら経由せずいきなり百鬼羅刹 巨魅ガボンガを立てた場合でも、エクシーズ・アーマー・フォートレスを重ねてX素材として取り除いた百鬼羅刹 巨魅ガボンガを百鬼羅刹 爆音クラッタで蘇生することでホルスモンスターの消費無しで上記のスクラップ初動やP.U.N.K.初動と同じ盤面を形成可能です。
この場合P.U.N.K.の採用は初動になるカードのみで済むためスロットに優しいもののP.U.N.K.ギミックに付属されていたメリットがほとんど消え去ってしまう点には注意が必要です。(SRベイゴマックスを初動兼誘発ケア札として無理なく採用できる点は美味しい)
●罪宝スネークアイ
強すぎるあまり規制により枚数が減ることが確定している以外の欠点が無いことでお馴染みのこちらのギミックですが、展開力を活かしてスプライト・スプリンド+αという盤面を作ったり賜炎の咎姫を経由しナイトメア・スローン展開に繋げたりと様々な展開が考えられます。
一旦紹介するのはTG ロケット・サラマンダー展開で、こちらも鎖龍蛇-スカルデットを使用することなくインフェルニティ・デーモンを出力可能な展開です。
蛇眼の炎燐や地竜星-ヘイカンといった素引きケアが必要なカードが混じってしまうことが課題です。
①“罪宝狩りの悪魔”or黒魔女ディアベルスター(手札コスト1枚)
ディアベルスターssef原罪宝をセット
→原罪宝efディアベルスターを墓地へ送りエクセルssefロケット・サラマンダーをサーチ
→ロケットnsefタンク・ラーヴァss
→【タンク+エクセル】マイティ・ストライカーssefオールクリアをサーチ→タンクefトークンを生成
→オールクリアefマイティを破壊しスクリュー・サーペントをサーチ
→スクリューnsefマイティss
→【スクリュー+トークン】スター・ガーディアンssefロケットを回収
→スターefロケットssefスクリューss
→【スクリュー+ロケット】ボウテンコウss
→【マイティ+ボウテンコウ】スプリンドlsefセイジを墓地へ送る→ボウテンコウefヘイカンssセイジefデーモンを墓地へ送る
→【スター+ヘイカン】ショウフクssefスプリンドを破壊しデーモンssefガンをサーチしセット
②篝火
篝火ef蛇眼の炎燐をサーチ→蛇眼の炎燐ef自身をssef原罪宝をサーチ
→原罪宝ef蛇眼の炎燐を墓地へ送りエクセルssefロケット・サラマンダーをサーチ
→ロケットnsefタンク・ラーヴァss
→【タンク+エクセル】マイティ・ストライカーss
→以下①と同様
③スネークアイ・エクセル
エクセルnsef蛇眼の炎燐をサーチ→蛇眼の炎燐ef自身をssef原罪宝をサーチ
→原罪宝ef蛇眼の炎燐を墓地へ送りロケット・サラマンダーssefタンク・ラーヴァss
→【タンク+エクセル】マイティ・ストライカーss
→以下①と同様
展開例
※罪宝スネークアイ初動から合流
→【ショウフク+デーモン】プロキシー・F・マジシャンls
→ガンefセイジとデーモンを蘇生→デーモンefネクロマンサーをサーチ
→F・マジシャンef
→【デーモン+セイジ】スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンfs→F・マジシャンefネクロマンサーssefデーモンssefガン´をサーチしセット
→【デーモン+ネクロマンサー】ヤマls
→【F・マジシャン+ヤマ】ファイアウォールls
→ガン´efセイジ(※EXモンスターゾーンの真下に置く)とネクロマンサーを蘇生
→ネクロマンサーefデーモンssef罠をサーチしセット
→【ファイアウォール+デーモン+ネクロマンサー】シンギュラリティls
→【セイジ+ヴェノム】バロネスssシンギュラリティefファイアウォールss
→バロネスefオールクリアを破壊→ヤマefネクロマンサーssefデーモンssef罠をサーチしセット
●おわりに
今までは確定ハンドレス展開が出来ず実用的では無かったルートにも可能性が生まれたのでまだまだ満足し甲斐がありますね。