相続税対策
今般はセールスパーソン、Aさんからの相談内容について考えてまいります。
Aさんからの相談は、クライアントB子さん(58歳)とその母C子さん(85歳)との間の将来起こる相続にあたりC子さんの財産を相続した際のB子さんの相続税を安くする対策について、C子さんができる対策についてどのような手法が考えられるかとのことです。
ここでまず最初におさえておきたいことは、C子さんの年齢を鑑みて、認知機能について確認をすることです。AさんにうかがったところCさんは既に認知症を発症しているとのことです。その状態であればC子さんが主体となってできることは何もありません。
相続税の問題は、被相続人の問題というより相続人の問題です。もちろん非相続人ができる事はやれば良いのですが、それだけではなく、相続人自身ができることをやる、そして難しいことではなく簡単なことから今できることを今やるということを積み重ねていくことが大切です。この場合、被相続人であるC子さんが何もできないということであれば相続人であるB子さんができることをやっていくということになります。
B子さんは将来、相続税を払うためのお金が必要ということですから現在B子さんが保有している財産をいかに増やすかということを考えていけば良いわけです。財産を増やす方法は2つです。1つは入ってくるお金を増やす、もう1つは出て行くお金を減らすということです。入ってくるお金を増やすということでは今の仕事での収入を増やすということは現実的ではありません。自分が働いてお金を増やせないのであれば、お金に働かせてお金を増やすということです。つまり今持っている現金を運用するということです。投資信託や変額年金などを使って運用するのが効果的です。次に出て行くお金を減らすということであれば、生命保険を見直してみることが良いでしょう。B子さんは将来相続によって多額の資産を引き継ぐ事は決まっているわけですから夫の死亡によって死亡保険金がなければ生活できないということも起こらないでしょう。また、医療保険に入っていないから、医療費が払えないということもないでしょう。であれば今家族で入っている生命保険は全て解約し、その解約返戻金を投資信託や変額年金等で運用し、毎月支出していた保険料の分を投資信託や変額年金で運用していくということができます。相続が心配であるくらい多額の財産があるわけですから、投資信託が短期で大きく値崩れしたとしても、その時点で売却してお金を取り崩さないといけないということはないと思われます。長期にわたっての運用が可能な環境にあるわけですから、ダイナミックな運用をしていくのが良いでしょう。
昨今、介護保険の販売数も増えてきているようです。セールスパーソンが、クライアントに対し、介護状態になった場合の話をしているわけです。介護状態になったらお金が必要だから介護保険という話になっているのでしょう。しかし、介護についての問題はお金の問題だけではなく、相続や財産管理に関わるその他法律上の問題が密接に関係しています。介護のお話をする際には、介護保険の話だけではなく、様々な法律上の問題点についてもクライアントに提言していくことが必要であると思うわけです。
ともあれAさんが変額保険、変額年金販売が主流ではなかった15年前に変額年金を販売し、クライアントの資産を大幅に増やしてきたことは素晴らしい成果であると思います。またその間に株価の暴落など何度もありました。それらの場面においても未来を見る目と資産運用の正しい知識を持ってクライアントに寄り添ってきた事はAさんのアドバイザーとして、セールスパーソンとしての成功を物語っています。これからも、ぶれない信念で大きく飛躍してください。
商いは一時的に儲かれば良いのではなく、生涯において収益を上げていくことが大切です。お客様の資産を増やすには時間がかかります。今やっていることが10年後、15年後の大きな信用を築き上げ長きにわたって大きな成果につながっていくことを信じて今この瞬間、お客様の利益を追求していくことが成功の礎となるわけです。