見出し画像

子どもがわがまま過ぎて手に負えません―妄想お悩み相談室

妄想でお悩み相談を受け付けています。相談内容はフィクションです。回答は素人が一生懸命書いています。

最近反抗期なのか、子どもがわがままで手に負えません。スーパーでお菓子を欲しがり、だめだというと床に寝転んで買ってあげるまでアピール。家でも思い通りにいかないと物を投げたりします。ママ友のお子さんは聞き分けのいい子ばかり。どうしたらいいのでしょうか。
(ピノコ/30代/会社員)

お子さんの年齢がわからないのですが、寝転んでアピールするというところで、幼稚園~小学校低学年のお子さんだと想定してお答えしたいと思います。

わがままは最初からわがままなのか

わがままをどう取り扱うかってとても難しいですよね。我が家でもよくこのことについて夫とぶつかります。

ただ、欲しいものを見て欲しがるのは、すごく普通な行動です。欲求に素直な子どもたちですから、その場に行ってしまったら、欲しい!と思ってそう発言するのも当然です。それ自体はわがままではないと思うんです。お菓子ほしい~と言い始めた瞬間から床に寝そべっているわけではないですよね?最初は単純に「お菓子がほしい、買って?」と伝えてくるだけのはず。
そうした、わがままではなく、欲求をぶつけられた最初のタイミングで、どう対応するかでお子さんの態度も変化していくのではないでしょうか。

「お菓子?!ダメダメ!」
とか
「1つだけ好きなの選んでいいよ」
とか、もちろん時と場合によってさまざまな対応がありますよね。

個人的に一番よくないパターンだなと思うのは、だめだと最初に伝えておいてけっこう粘るものの、その後結局買ってあげる、というものです。
これを何回か繰り返すと、子どもは賢いので

(あ、ごねればなんとかなるんだー)

と学習します。その”ごねる”部分がわがままにつながっていくのではないでしょうか。
すでにごねることを学習してしまっている場合、ごねても無駄だ、と理解させるのはたぶん骨が折れます。というか、ごねることを教えてしまっているということなので、保護者の方がしっかりとした意志を持って接する必要があります。

以前ゲームばかりするお子さんについてのお悩みでも書きましたが、欲求をぶつけられた時は、保護者の考え、希望を伝えたうえで、子どもと交渉するのがよいと思います。

お菓子を買いたいお子さんに、まずは買えるのか買えないのか、買えるとしたらいくつOKなのか、子どもが自由に選んでよいのか、伝えます。そして、なぜその数なのか、あるいはなぜ買ってはいけないのか、選べる自由がないならそれはなぜなのかも伝えてみましょう。そして、子どもにその条件をのむかのまないか確認します。OKなら、たぶん床に寝転ぶことはありません。NOだった場合、そこから交渉になります。

欲求の段階で話し合いたい

「お菓子を好きなだけ自由に買いたい」と子どもが言い出したら、それはさすがにできませんよね。そういった非現実的なことを言われた場合、それがなぜできないのか、丁寧に説明していきましょう。

欲求をぶつけてきている子どもは、あまり真剣に考えていません。思ったことを口に出しているだけです。これはこうだから、できないんだよ。それはわかってくれるかな?と落ち着いた口調で話していけば、理解してくれるはず。ここで注意しなければならないのが、こうじゃなきゃヤダ!と子どもが意地になってしまうこと。意地になると子ども側も引っ込みがつかなくなってしまいます。できれば意地を張らせる前に、丁寧に話し合うことができるとよいですが、うまくいかないことも多いでしょう。
意地を張られると、意地を張ることをやめてもらうという段階が一つ加わるので、さらに時間が必要になります。

こうじゃなきゃヤダ!状態になってしまった場合、まず保護者がすべきことは、「共感」でしょう。
「そっかー、こうじゃなきゃ嫌なんだね。そうだよね、お菓子たくさん食べられた方がうれしいもんね。そっかー。たくさん食べたらどうなるの?ご飯はもう食べないの?お菓子だけでよくなっちゃいそうだね。それはそれでハッピーだけど、お母さんじゃあ、お菓子あるからご飯作らなくていいかなー。お母さんも今日、お菓子たーくさん食べて、それだけでごちそうさまにしたいや。」
わたしの子どもの場合、ここまで共感されると、「やっぱり何個でいいや」となります。さすがに夕飯なしでお菓子だけなのは……って思うらしい。
もちろん、こううまくいかない場合も多いと思うので、ここまで共感したのちに、再度保護者としての希望を伝えていってかまいません。
「でもさ、お菓子だけだと栄養バランスとか崩れちゃうじゃん。お菓子って、脂肪が多かったり、お塩が多かったりするのね。そういうのばっかり食べると、病気になりやすくなったり、変な風に太っちゃったり、すごく痩せすぎたりしてしまうんだよ。だから、お菓子は何個にしよう?」
といった具合に。

最初からスムーズに交渉がうまくいくわけではありません。今回はスーパーでのお買い物でしたが、家庭内でも別のシーンでも、いろいろあると思います。でもまずは保護者がどうしたいかを明確に示し、子どもが交渉する余地を残して、話し合うこと。
これに尽きるのではないでしょうか。
こうした交渉を繰り返すことで、子どもも自分が何を求めているのか冷静に見つめることができるようになってきます。そうすると、”わがまま”ではなく、交渉をうまく進めるために伝えようとするようになっていくはずです。

そのわがままに、理由はないか

我が家の上の子どもは、弟ができた頃から、すごく甘え、わがままを言うようになりました。赤ちゃんを見つつ、甘えてくる大きい子どもの対応は正直骨が折れ、ちゃんとやってくれ!と思わずにいられません。でも、今はそれを受け入れるしかない、とも思っています。
むしろ家で甘えられる、わがままを言えるのは、子どもにとって家が安心できる場所であるという証拠。

わがままを言うとき子どもは
・自分を見てほしい、かまってほしい
・自分をどこまで受け入れてくれているのか見極めたい
という想いを隠し持っています。
年齢が進むにつれてそうした想いと現実のギャップを受け入れていくわけですが、わがままを言える時にわがままを受け入れてもらえなかったら、親を信頼できなかったり、親のいない場面でそれらを発散(学校で人に強く当たる、など)したり、心の安定を欠いてしまう可能性があります。

親の目のある場ではとってもいい子だけど、親のいない場ではびっくりするような行動を取っている子どもに出会ったことがあります。
びっくりするような行動というのは例えば
・人の家に唾をはく
・クラスメイトに対して悪口を言う
・友だちの家庭菜園の野菜を勝手に採る(採ったものはその場に放置)
年齢が幼いにもかかわらず家では一切わがままを言わないお子さんの場合、外で反動が出てしまっていないか、むしろそちらの方が注意が必要なのかもしれません。

保護者が子どもを受け入れて、向き合う

子どもに共感して、子どもを受け入れて、とにかく交渉を通して向き合うこと。
これらは時間がかかりますし骨が折れます。
大きな声で「コラ!」としかる方が圧倒的に楽ですし、簡単に子どもを支配できます。でもそれでは、子どものわがままはおさまりませんし、子どもとの良い関係はなかなか築かれません。

しっかり子どもと向き合って、お子さんの欲求が何なのか、よくよく見極めてあげるしかないのではないでしょうか。

大変ですし、わたしも子どもとの関係には悩みっぱなしですが、お互い頑張りましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?