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習い事のピアノを練習してくれない―妄想お悩み相談室

妄想でお悩み相談を受け付けてます。相談内容はフィクションです。回答は素人が頑張ってかいてます。

子どもにピアノを習わせて1年。最初は頑張って練習していましたが、最近は言っても「あとでー」ばかりで、先生に見せるのも申し訳ないくらいです。他の子と差がついても可哀想だし、どうしたらいいでしょう。
(ピアノ大好きっ子/40代/主婦)

ピアノをどのくらい真剣に習わせたいとお考えでしょうか。
それによって、対応が変わります。

ピアノを趣味にするか、プロを目指したいか

急におおげさに思えるかもしれませんが
これ、めちゃくちゃ大事です。

うまくなったらプロ目指しても、
とか
先生に認められるようならプロ目指しても、
では、お金が無駄になります。

はっきりいって学校のレベルを問わないなら、
ピアノを幼い頃から弾きはじめてやめずに続けている子は
音大には入ることができます。

なんでそんなに確信もっていえるかって?
わたしが音大出身者だからです。

音大を出ましたが、プロの演奏家にはなれませんでした。
趣味としてもあまり弾かないかな。
でも、楽譜があればたいていのものは弾けますし、
流行りの曲を聞き覚えて
メロディーとごく簡単な伴奏で弾いたりもできます。

仕事は音楽に関係している部署なので、
音大に行けたこと、そこで経験したことは
わたしの人生の糧になっています。

でも、親としては、複雑だったんじゃないかな
と思うんですね。

「もったいない」といわれました。
せっかく音大を出て、
ピアノを趣味にするなんてもったいない。
わたしに投資した分が返ってこなかった
という感覚があるのかもしれません。

話を戻します。

趣味でいいから、楽しく弾いてほしいなら
練習を強要するよりも
楽しく弾ける雰囲気を作るべきでしょう。

プロを目指させたいなら、
あの手この手で練習をさせて、
コンクールなどの目先の目標を掲げて、
頑張らせるしかありません。

ただ、どちらのケースでも、親がきちんと関わる必要があります。
ピアノなどの習い事は、
親がどこまでコミットできるか、で
結果が変わってきます。

ピアノは、親が関わる必要のある習い事です

先生の前で、恥ずかしくない程度に弾けるようにする。

これを子どもだけでできるようにするのは、
めちゃくちゃ大変です。
特に、小学校低学年くらいまでは、
ほぼ無理。
親がどれだけ関われるかにかかってきます。
しかも、無理矢理でなく、
子どもが楽しく練習できるように
持っていかないとならないので、
なかなか大変だと思います。

ただ、先生もその辺はわかっているので、
毎日、ちょっとだけいっしょに弾く、
というところからスタートしていきましょう。
同じ楽譜を見て、同じ音を、
1オクターブとなりで
いっしょに弾く。

できたらたくさんほめてあげてください。

課題がたくさんあるなら、
今日はこの曲、明日はこの曲
明後日はこのリズムうち、
明々後日はソルフェージュ
みたいな感じで、
毎日ひとつずつさせるのでもOK。
継続させることが大事です。

で、全部親もいっしょにやりましょう。
そのうち、弾く課題は毎日やって、
ソルフェージュなんかは交互にとか、
取り組み量を増やしていってください。

このくらい関わって、
親が管理していかないと、
子どもは練習しないし、
弾けるようになりません。
(もちろん、一部の天才的努力家は除きます)

親が関わる大変さ

わたしは、上の子にピアノを教えようとして、うまくいきませんでした。
なまじっか自分が弾けるので、
できるまでやらせようとしたり、
課題も毎日全部やっていこうとしたり。

改めて関わり方を書いていて、
あー、そっか、とりあえずそのくらいでいいじゃんね、
と思いました。反省。

親が関わる難しさがあるんです。
親だからこそ、厳しくなってしまう。
ちゃんとできるようになってないと!
って思ってしまう。
でもその時、最初の質問を考えてほしいんです。

あなたは子どもをプロのピアニストにしたいんですか?

趣味程度でいいのなら、
本人がいやがらない程度に、
でも、楽しく弾き続けられる程度に
練習を続けていける環境をつくってあげれば充分です。
怒りながら「練習しなさい!」
なんて、いう必要なし。

ピアノって、まず楽譜を読めるところからはじまるので
小さい子にはなかなか難しいんですよね。
リトミックとかで絶対音感を養ってて、
耳で覚えて、音と鍵盤の関係を体で覚えて
みたいな子であれば、楽譜が読めなくても
弾けるでしょうが
凡人であれば、まず楽譜。

楽譜を読み解き、鍵盤の位置に変換して、
それを指の動きに変換して、弾くんです。
しかも、最終的に左右別々のことをしなければなりません。
さらには表現とやらをそこにのせないといけない。
相当ハードでしょ?

だから、あなたのお子さんはすでに、
相当頑張っているんです。

まずはほめてあげて、
いっしょに楽しく弾くことからはじめてみてください。

音楽との関わりが末永くありますように

楽器を演奏できるって、ステキなことですよね。
ピアノが弾けてよかったなと思うこと、
すごく多いです。
それが仕事にはならなかったけれど、
演奏できる幸せというのは、
一度学んで身に付けられれば、
一生感じることのできるものです。

だから、わたしも、あなたのお子さんに、
無理な練習でピアノを嫌いになってほしくないのです。 

最後にひとつだけ。
弾く楽しみを感じるようになったら、ぜひ、
聴く楽しみも教えてあげてください。
とりあえず、家でクラシックを常に流しておくとか。
そこからコンサートを聴きに行ったりとか。

クラシックコンサートってつまらない
という印象があるかもしれませんが、
聴き方を学ぶととても楽しくなりますよ。 

音楽との豊かで良好な関係を
お子さんも、あなたにも、築いていってくださいね。

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