24歳の値段。僕はバイトを辞め、僕の時間を売ることにした
24歳の春、
僕はアルバイトを辞めた。
外国で仕事を探すということは
僕には難しいことだった。
1か月前にやっと見つけた
アルバイト先。
フードコートにある
日本食ファストフードの店だった。
時給は1000円。
ある日、店長は僕に言った。
お前くらいの女、掃いて捨てるほどいる。
僕は不快だった。
「女」と言われたことが嫌だった。
下品なおじさんだなと思った。
24歳の春、
僕はアルバイトを辞めた。
24歳の夏、
僕は自分の時間を売ることにした。
僕の値段は
買主に付けてもらった。
月曜日、
僕は17歳の男の子に日本語を教えた。
火曜日、
僕は70歳のマダムと餃子を包んだ。
水曜日、
僕の時間を買う人はいなかった。
木曜日、
僕は40代の男性とコーヒーを飲んだ。
金曜日、
僕は木曜日の男性を優しく抱擁した。
土曜日、
僕の時間を買う人はいなかった。
僕はしこたま酒を飲んで、音楽に包まれた。
日曜日、
僕は50代の男性に水を浴びせられた。
24歳の夏、
僕は自分の時間を売ることにした