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#1 突然家業を継ぐことになった長女の話
2025年1月。私は家業を継ぐことになった。
私の家は、祖父が残した2つの事業があり、
そのうちのひとつを私が継ぐことになったのだ。
子供の頃から、家業に関わることが嫌だと思って過ごしてきた。
理由はいくつかあるけど、一番の理由は父親との確執。
父とは、なぜか生まれた時から相性が悪かった。
だから父から、家の仕事を手伝うように言われても、
全部拒否し、別の場所でアルバイトをし続けた。
社会に出てからもその姿勢は変わらず、25年会社員を続けた。
そして6年前に念願の独立をし、
今は小さなオフィスを借りられるまでになった。
「これでやっと自由になれる」
そんな風に思えるようになった矢先、
家に引き戻されることになったのだ。
仕事って目標をもって、それを達成するために頑張って、
目標が達成できたら、また次の目標を作って頑張るものだって
思って生きてきた。
思い通りにいかないこともあったけど、
そういう仕事のやり方は自分らしいって思うし、
そういう風に仕事をしてきてよかったと今は思っている。
でも家業については、
自分が自発的に関わりたいと思ったわけでもなく、
選択肢がない状態でやらざるを得なくなったわけで、
なかなかこの状況を前向きに受け止めることができない。
それでもやらなければいけない私のミッション。
このミッションとどう向き合っていくのか?
ポジティブに考えれば、
誰でも経験できることではないし、
書き残しておいたら何年後かに自分史でも書けるかもしれないので
書き綴っておこうかと思った。
世の中には、自分か望んでいなくても、
私のように家業を継ぐことになる人はたくさんいると思う。
この文章がそんな人の目に留まり、
「あー、自分だけじゃないんだ」って思えたら
ほんの少し前向きになれるかもしれない。
そんな気持ちを持ちながら、
この文章を書き続けられたらいいなと思う。