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セールスにおける心理学の重要性を理解するための旅


『悪用はしてません』大変お恥ずかしいのですが、営業を20年やっていて心理学の効果を知ったのは、数年前。今、答え合わせのつもりでいろいろ調べています。あ~なるほど...そういうことねって思うことばかりでした。新入社員の頃教えてもらいたかったなぁ~具体例を考え教材にしたら需要があるのかなぁ~?これが、この本を書こうと思ったきっかけです。

何を今さら⁈って思われるかもしれませんが、心理学と営業との関係を知らずに売ってました。知ってたら2倍売れてたのかも?と思うと…過ぎ去った時間は元に戻せないので学び直しのつもりで、心理学の重要性を理解する旅に出かけます。

住宅営業は、競争が激しいビジネスの一つです。良い商品を持っていても、それを伝える力がなければ、顧客獲得には繋がりません。そこで、本教材では心理学のテクニックを用いて、住宅営業で販売を促進するための方法を解説します。心理学を応用することで、顧客の心理にアプローチし、効果的な営業を行うことができます。本教材を読むことで、住宅や不動産営業において販売力を強化し、成功につなげることができるでしょう。

【目次】

第1章 コミュニケーションテクニック

1.1 アクティブリスニング
1.2 エンパシー
1.3 共感の表現
1.4 説得力のある言葉づかい
1.5 質問の使い方

第2章 マーケティングテクニック

2.1 顧客のニーズを分析する
2.2 顧客の課題に対するソリューションを提供する
2.3 強みをアピールする
2.4 競合他社との比較
2.5 顧客の評価に基づくアプローチ

第3章 心理学的アプローチ

3.1 社会的証明
3.2 認知的不協和
3.3 アンカリング
3.4 希少性の利用
3.5 恐怖心を利用したアプローチ

第4章 営業手法

4.1 営業のフロー
4.2 営業ツールの活用
4.3 成功した営業マンの秘訣
4.4 クロージングテクニック
4.5 アフターフォローの重要性

第5章 実践例

5.1 実践例1:リフォームの提案
5.2 実践例2:新築住宅の提案
5.3 実践例3:中古住宅の提案
5.4 実践例4:一棟買い投資物件の提案
5.5 実践例5:フォローアップの提案

【結びに】

第1章 コミュニケーションテクニック

1.1 アクティブリスニング
アクティブリスニングとは、相手の話を注意深く聴くことで、相手の言葉や気持ちを理解するコミュニケーションの技法です。住宅営業においては、お客様が持つ不安や希望などを理解するために重要な役割を果たします。
アクティブリスニングのポイントは以下の通りです。

相手の話に集中する

  1. アクティブリスニングを行う際には、相手の話に全神経を集中することが重要です。相手の言葉に意識を集中し、言葉だけでなく、声のトーンや表情などからも相手の気持ちを読み取ることができます。

【事例】
お客様 「この家、床暖房ですよね」
営業  「そうなんですよ、ご興味ございますか?」
お客様 「はい、興味はありますけど

営業 「(...けど...)何か?(語尾に違和感がある)ございますか?」
お客様「はい、いいと思うけど故障や価格が心配なんです。」

けどをスルーしたら、この営業は、拾ってくれない...と思われてしまいます。言葉尻、表情、リアクションお相手の反応は、全集中で観察しましょう!

パラフレーズをする

2.相手の話を聴いたら、相手が伝えたいことを自分自身の言葉で言い直すことが重要です。これをパラフレーズといいます。自分の言葉で相手の話をまとめることで、相手の気持ちや思いを正確に理解することができます。

【事例】
お客様「娘と私は、とにかく本が好きで娘は10冊/月購入する。主人は、趣味が野球で休みの日は、草野球。帰ってからは晩酌しながら野球観戦が大好き!」
営業「奥様とお嬢様は、読書が大好き。これからも増える可能性があるので、大容量の本棚が必要であり、本に囲まれて暮らすのが理想。書庫と階段の踊り場には、愛読書を天井まで並べられる本棚があればその暮らしが実現できますね。ご主人様の趣味は見るのもやるのも野球一択。リビングには大画面の壁掛けテレビとスピーカーシステム、道具入れや趣味の野球グッズを飾れるスペースがあったらテンションが上がりますね!」

質問をする

3.相手の話に対して、質問をすることで相手の気持ちや考えを掘り下げることができます。ただし、相手に対して自分の主張や意見を押し付ける質問は避け、相手の話に対して適切な質問をすることが大切です。

【事例】
お客様「子供部屋は、4.5帖が多いんですか?」
営業「ありがとうございます。4.5帖と5.25帖が半々くらいです。」
✕「予算が気になりますか?」
〇「ちなみに、〇〇様は子供部屋ってございましたか?」
 「それがどれくらいの広さでしたか?」
 「ぶっちゃけ、広さにはご満足でしたか?」
 「どれくらい(何歳)まで使用されましたか?」・・・

アクティブリスニングを行うことで、お客様とのコミュニケーションがスムーズになり、お客様のニーズに合った提案を行うことができます。住宅営業においては、アクティブリスニングを積極的に取り入れ、お客様との信頼関係を築くことが大切です。

1.2 エンパシー
エンパシーとは、相手の立場や気持ちを理解し、共感することで、相手との信頼関係を築くコミュニケーションの技法です。住宅営業においては、お客様が抱える問題や不安を理解し、共感することが重要な役割を果たします。

エンパシーのポイントは以下の通りです。

相手の気持ちを理解する

1.エンパシーを行うためには、相手の気持ちを理解することが重要です。相手の状況や背景を考慮し、自分自身が同じ立場に立った場合にどのような気持ちになるかを考えることが大切です。

【事例】
ただでさえ住宅ローンを組むのって、みなさん勇気が必要ですよね。僕もローンを組んでいるのでドキドキしました。ただ、それに変えられない、〇〇様の夢が叶う素敵な生活が待っています。先ほど伺った、自分だけのスペース(書斎と言う名のゲーム部屋)で思いっきり楽しみたい!この暮らしはプライスレスですよね!

共感する
2.相手の気持ちを理解したら、自分自身が相手の状況に同じ立場に立った場合にどのような気持ちになるかを想像し、相手の気持ちに共感することが重要です。相手の気持ちを理解するだけでなく、自分自身も相手と同じ気持ちになることで、相手との信頼関係を深めることができます。

【事例】   
結局、住み始めたらローンの支払いが気になるし少しでも安くて、広い家がいいと皆さんおっしゃいます。情報が多すぎて、何を信じたらよいのか分からなくなりませんか?僕なんかも、趣味の物を購入する時すごく迷います。だからこそ、使った人のレビューはできるだけチェックします。

表現する

3.エンパシーを行うためには、相手の気持ちを表現することが重要です。相手が抱える問題や不安について、自分自身が共感したり、理解したりしたことを相手に伝えることで、相手との信頼関係を構築することができます。

【事例】
あえて、家を建てない選択肢だってあるんですよね。だってそうじゃないですか?家賃がもったいないとか言いますけど、賃貸には固定資産税も都市計画税もかからないし、家のメンテナンスも大家さんが払ってくれるんですよね。

エンパシーを行うことで、お客様との信頼関係を深め、お客様のニーズに合った提案を行うことができます。住宅営業においては、エンパシーを積極的に取り入れ、お客様との信頼関係を築くことが大切です。

1.3 共感の表現

住宅営業において、共感を表現することは非常に重要です。共感はお客様との信頼関係を構築するために必要不可欠な要素であり、共感的な表現をすることで、お客様とのつながりを深めることができます。

共感的な表現には、以下のようなものがあります。

お客様の感情を共有する

1.お客様が何かを話している時に、その内容に対して「わかります」と言ったり、相手の感情に合わせた表情やジェスチャーをすることで、お客様の気持ちを共有することができます。

【事例】
今おっしゃられたこと、めちゃくちゃ響きました。今回の計画にかける〇〇様の想いの強さを実感いたしました。

ポジティブな言葉を使う

2.お客様が不安や心配を話している時に、その内容に対して「大丈夫です」といったポジティブな言葉を使うことで、お客様の心を落ち着かせることができます。

【事例】
住宅営業の僕でも、住宅ローンの契約書に印鑑を押すときには手が震えました。だからこそ、お客様にも無茶な計画の場合は、おススメしない場合もあるんです。安心して進められるように、一緒に考えていきましょう!
聴き手を表現する

3.お客様が話している内容に対して、「あなたの気持ちが分かります」といった具体的な表現をすることで、お客様が自分の気持ちを受け止めてくれていると感じさせることができます。

【事例】
アパートの階段を子供を抱えながら、買い物袋を持って上がるのってものすごく大変ですよね。だからこそ、駐車場から玄関、玄関からキッチンの動線がすごく大切なんです。

リフレーミングをする

4.お客様がネガティブな気持ちを話している時に、その内容をポジティブなものにリフレーミングすることで、お客様の気持ちを前向きに変えることができます。例えば、「それは大変ですね。でも、この問題を解決すれば、どんなに素晴らしい家に住めるか想像してみましょう」といった具合です。

【事例】
もし、当社と一緒に家づくりをしていただければ、来年の冬には、灯油を買いに行かなくてもいいし、玄関はいったら夏はスイス、冬はハワイみたいに快適な暮らしが待っていますよ!!もちろん寒い朝に、「リビングのエアコンつけてきて」ってご主人に言わなくても、さっと起きれます!

共感的な表現は、お客様との信頼関係を構築するために非常に重要な要素です。ただし、共感を表現する際には、相手の気持ちに寄り添い過ぎないように注意が必要です。お客様の話を適切に聞き、共感的な表現をすることで、お客様とのつながりを深め、信頼関係を構築することができます。

1.4 説得力のある言葉づかい

説得力のある言葉づかいは、顧客に対して信頼感を与え、購買意欲を高めるために非常に重要です。以下に、説得力のある言葉づかいについてのポイントをいくつか紹介します。

簡潔で明確な表現をする

  1. 言葉が長すぎたり、意味が不明確だと、相手に伝わらないことがあります。そのため、簡潔で明確な表現をすることが重要です。また、テクニカルな用語や業界用語は、相手が理解できるように説明するように心がけましょう。

【事例】
①30坪の坪って、畳2枚分の広さです。約3.3㎡。30坪なら60帖と言うことになります。
②キッチンの適切な高さは、身長 ÷ 2 + 5㎝です。奥様が160㎝なら85㎝のキッチンが使いやすい高さです。

共感的な言葉を使う

2.顧客に対して共感的な言葉を使うことで、信頼感を与えることができます。例えば、「私も同じように感じました」という表現は、相手が抱えている問題や悩みに共感していることを示すので、親近感を与えることができます。

【事例】   
わたしも奥様がおっしゃる通り、アパートに住んでいる時に、子供が床におもちゃを思いっきり落としたり、ドンドン音をたてて飛び跳ねた時には、下の階にとても気を使いました。

具体的な数字や事例を用いる

3.抽象的な言葉よりも、具体的な数字や事例を用いることで、説得力を高めることができます。例えば、「こちらの住宅は、省エネ性能が高いため、年間の光熱費が平均で30%節約できます」というように、具体的な数値を用いることで、相手に具体的なメリットを伝えることができます。

【事例】
ご提案プランは、実質16帖のLDKでありながら、上下の空間に吹き抜けを設けることで、体感は20畳以上に感じることができるんです。住まいは平面的な広さだけでなく、3Dで把握すると広く感じるだけでなく、無駄な初期コストを50万円削減しました。

ネガティブな表現や言葉遣いは、相手の気持ちを損なうことがあります。そのため、ポジティブな表現を心がけましょう。例えば、「こちらの住宅は、他の物件と比べて少しコンパクトな面積です。その分利便性が群を抜いています。」というように、ポジティブな表現で説明することができます。

結論を先に述べる

4.最初に結論を述べることで、相手に自分の主張を理解してもらいやすくなります。また、相手の関心を引くことができるため、効果的なアプローチになることがあります。

ただし、相手に対してあまりにも直接的なアプローチをすると、説明する必要がなくなってしまうため、適切なバランスが必要です。また、結論を先に述べる場合でも、その後に詳細な説明や根拠を示すことで、相手に納得してもらえるようにすることが大切です。さらに、相手の時間的な制約がある場合には、最初に結論を示すことで、必要な情報だけを押さえてもらうことができます。

【事例】
お客様「〇〇ハウスさんの家は、高い!って噂ですがどうなんですか?」
営業「よく言われます!はい、高いです!」
「ただし、住宅の価格って大きく分けると買うときの価格と買ってからの価格が存在するんです。当社は買ってからの価格が業界TOPクラスに安いので、初期コストはかかりますがトータルコストで比較すると、安いねって皆さんにご支持いただいています。その差は、40年で1000万円以上!こういう家づくりに、ご興味がございますか?」

1.5 質問の使い方
質問の使い方には様々なテクニックがあります。以下に代表的なものを紹介します。

  1. オープンエンド質問:相手に開放的な回答を促す質問です。例えば、「どのように感じましたか?」、「何が一番気に入りましたか?」などです。

【事例】
今日ご案内した住まいで、一番印象に残っているのはどんなところですか?

2.クローズドエンド質問:答えが「はい」や「いいえ」のような短い回答に限定される質問です。例えば、「これを購入しますか?」、「この商品は使いやすいですか?」などです。

【事例】
 次の打合せは、午前が良いですか?それとも午後が良いですか?

3.反復質問:同じ質問を繰り返すことで、相手の回答を深堀りする質問です。例えば、「それはどういうことですか?」、「もう少し詳しく教えてください」などです。

【事例】   
先ほど、階段ホールに棚を造りたいとおっしゃいましたが、もう少し詳しく教えてください。どんなものを飾りたいのでしょうか?

4.関心質問:相手の関心やニーズに基づいて質問することで、相手との信頼関係を築く質問です。例えば、「何が一番気になりますか?」、「どのような機能をお探しですか?」などです。

【事例】
この5つのご要望の中で、一番優先したいのはどれでしょうか?

5.情報収集質問:情報を集めるための質問です。例えば、「この住宅には防音の部屋がありますか?」、「この商品の製造国はどこですか?」などです。

【事例】
職業をリサーチする初期質問(サニタリースペースにて)
ご主人様の出勤される時の服装はどのようなものが多いですか?
スーツですか?それとも作業服ですか?

以上のような質問テクニックを駆使することで、相手とのコミュニケーションを深め、より効果的な営業を行うことができます。ただし、過剰に質問を行うことは相手に負担をかけるため、適切なバランスが必要です。

第2章 マーケティングテクニック


住宅営業においては、マーケティングが非常に重要です。本章では、マーケティングに関するテクニックを紹介します。

2.1 顧客のニーズを分析する
顧客のニーズを正確に把握することは、マーケティング戦略の成功に不可欠です。顧客のニーズを正確に理解することで、顧客の心に響く商品やサービスを提供することができます。
まず、顧客のニーズを理解するためには、市場調査が必要です。市場調査を行うことで、顧客の嗜好や需要傾向、競合状況などを把握することができます。

次に、得られた情報をもとに、顧客のニーズを分析します。顧客のニーズを分析するためには、以下のような手法があります。
アンケート調査:アンケート調査を行うことで、顧客の要望や意見を収集することができます。
インタビュー調査:インタビュー調査を行うことで、顧客の生の声を聞くことができます。
顧客接触分析:顧客との接触の中で得られた情報を分析することで、顧客のニーズを把握することができます。

以上の手法を用いて、顧客のニーズを正確に理解し、顧客の心に響く商品やサービスを提供することが重要です。

2.2 顧客の課題に対するソリューションを提供する
顧客の課題に対するソリューションを提供するためには、商品やサービスについての知識が必要です。商品やサービスの特徴や利点を理解し、それを顧客に伝えることができるようになることが重要です。また、顧客の課題に合わせたカスタマイズを提供することで、顧客のニーズに対応することができます。
顧客の課題に対するソリューションを提供するためには、常に顧客の立場に立って考えることが必要です。顧客が抱える課題を解決することで、顧客にとって本当に価値のある商品やサービスを提供することができます。

【事例】
医療関係の奥様、自衛隊のご主人さまへ
「もしこのエリアで、未曾有の災害が発生した際ご主人様は、家族を置いて出掛けなければなりません。そんな時に、当社の防災型の自立住宅では残された、奥様とお子様を安全に守ってくれます。さらに、コロナ禍で避難所にはたくさんの方が集まり感染のリスクがあります。言わばこの住宅は、〇〇様にとって家族を守るシェルターなんです。」

顧客の課題を解決するためには、自社の強みや特徴を的確にアピールすることも重要です。たとえば、リフォーム業者であれば、施工実績や施工技術に優れていることを強調し、顧客にアピールすることで信頼を得ることができます。

2.3 強みをアピールする

競合他社と差別化するためには、自社の強みを明確にし、顧客に伝えることが必要です。顧客が求めるニーズに合わせた商品・サービスを提供することも大切で、顧客満足度を高めることができます。自社が持つ強みを活かし、顧客が求める価値を提供することで、競争力を強化しましょう。

強みをアピールするための具体的な例をいくつか挙げます。
例1:長年の実績
自社が長年にわたり提供してきたサービスや製品の実績をアピールすることで、信頼性や安心感をアピールすることができます。例えば、「当社は50年以上にわたり、お客様から信頼されるサービスを提供してきました。」などのように、長年にわたる実績をアピールすることができます。
例2:専門性やスキル
自社が持つ専門性やスキルをアピールすることで、他社との差別化を図ることができます。例えば、「当社は国内トップクラスの専門家が集まっており、常に最新技術を取り入れています。」などのように、専門性やスキルをアピールすることができます。
例3:顧客の声
顧客からの評価や口コミをアピールすることで、商品やサービスの価値を訴求することができます。例えば、「当社のサービスを利用したお客様からは、満足度の高い評価をいただいています。」などのように、顧客の声をアピールすることができます。
これらの例からも分かるように、自社の強みをアピールするためには、まず自社の強みを正確に把握し、その強みを顧客に魅力的に訴求することが重要です。

2.4 競合他社との比較

住宅分野においても、競合他社との比較が重要なマーケティング戦略の一つです。

例えば、自社の住宅が、他社の住宅と比べて耐震性や断熱性が高いという場合、それをアピールすることができます。また、自社の住宅が、他社の住宅よりもデザイン性や設備の充実度が高いという場合も、それをアピールすることができます。

さらに、価格に関しても、競合他社との比較は重要です。自社の住宅が他社の住宅よりも価格が安い場合、価格面での強みをアピールすることができます。逆に、他社の住宅よりも価格が高い場合には、価格以上の価値を提供することを強調することが必要です。

ただし、競合他社との比較は、単に他社を貶めることにつながる場合があるため、注意が必要です。他社と比べて自社の強みをアピールすることは大切ですが、不適切な比較によって競合他社を貶めることは避けるべきです。

不適切な比較を行うと、信頼を失うだけでなく、顧客からの不信感を招く可能性があります。また、競合他社が自社よりも優れている点がある場合には、それを率直に認め、自社が優れている点に重点を置くことが大切です。

そのためには、競合他社と自社の比較について十分な情報収集を行い、客観的な評価を行うことが重要です。また、自社の強みを明確にし、それを客観的なデータや事例とともに提示することで、顧客からの信頼を得ることができます。

競合他社との比較は、マーケティング戦略の一環として重要ですが、適切な方法で行うことが大切です。顧客にとって有益な情報を提供し、自社の強みを客観的にアピールすることで、競合他社との差別化を図り、市場での優位性を確立することができます。

2.5 顧客の評価に基づくアプローチ

顧客の評価に基づくアプローチは、顧客満足度や顧客体験を重視するマーケティング戦略です。顧客が商品やサービスに満足しているかどうかを測定し、その結果をもとに改善点を把握し、サービスの向上を図ることが目的です。

具体的なアプローチとしては、顧客アンケートの実施やフィードバックの収集、顧客の声を積極的に聞くことが挙げられます。顧客アンケートでは、商品やサービスの購入体験、利用感、改善点などについての評価を集めます。また、フィードバックを収集することで、顧客が直接的に意見や要望を伝えることができます。

これらの評価結果を基に、改善点を把握し、商品やサービスの改善を図ることが重要です。改善点に応じて、商品やサービスの品質、価格、デザイン、サポート、アフターサービスなどを改善することが必要です。また、改善点に応じて、社内のプロセスやシステムの改善も必要になる場合があります。

顧客の評価に基づくアプローチは、顧客満足度を高めることができるだけでなく、リピート率や口コミなどの重要な指標を向上させることができます。また、改善点を把握することで、競合他社との差別化を図り、より良い商品やサービスを提供することができます。

第3章 心理学的アプローチ


第3章では、マーケティングにおける心理学的アプローチについて探求します。心理学的アプローチは、顧客の行動や意思決定に影響を与える心理的要因を分析し、それを利用してマーケティング戦略を立てる手法です。本章では、心理学的アプローチを応用することで、顧客の購買行動につながる要因や、商品やサービスをより魅力的に見せるための手法について解説します。

3.1 社会的証明

社会的証明(social proof)とは、他人の行動や意見を参考にして自分の判断や行動を決めるという心理現象です。人は社会的存在であり、自分が正しいと感じるためには、周りの人々が同じように行動したり、同じように思ったりすることが重要とされています。

例えば、新しいレストランに行く際に、周りの人々がそのレストランに高評価を与えているという情報を得た場合、自分自身もそのレストランに行きたいと思うようになります。また、ある商品を購入する際に、他の人々がその商品を購入しているという情報を知った場合、自分自身もその商品を購入しやすくなります。

社会的証明は、特に情報が不確実な場合に強く現れます。例えば、新しい製品を発売したばかりの企業の場合、その製品についての情報が少ないため、社会的証明に基づいた判断が行われやすくなります。このように、社会的証明はマーケティング戦略において非常に重要な役割を果たしています。

3.2 認知的不協和

認知的不協和とは、個人が持っている信念や価値観に矛盾する情報を受け取った場合に生じる心理的不快感のことを指します。住宅に関する認知的不協和の例を考えてみましょう。

例えば、ある人が「自分は環境に優しい生活を送りたい」という価値観を持っている場合、エコロジー住宅のような環境に配慮した住宅を購入することが望ましいと考えるかもしれません。

しかし、その人が予算的な理由から、エコロジー住宅よりも価格が安く、環境に配慮していない一般的な住宅を購入した場合、認知的不協和が生じるかもしれません。つまり、自分の価値観と実際の行動が一致しないため、心理的な不快感を感じるということです。

また、逆に、高額なエコロジー住宅を購入した場合でも、エネルギー効率やCO2排出量などの指標が低くないと、認知的不協和が生じる可能性があります。つまり、高額な住宅を購入しているにもかかわらず、環境に配慮していないという状況に不快感を覚えるということです。

認知的不協和は、消費者行動にも影響を与えることがあります。たとえば、環境に配慮した住宅を購入することが、自分の価値観に合致すると感じた場合、その行動は自己表現の一つとして認識され、さらなる環境に配慮した行動をとることが期待されます。

逆に、価格やデザインなど、他の価値観が優先された住宅を購入した場合、その行動は自分自身にとって価値がないと感じる可能性があり、消費者満足度を下げることにつながります。

3.3 アンカリング

アンカリングとは、人が物事に対する判断をする際に、最初に得た情報(アンカー)を基準としてその後の情報を評価する心理的傾向のことを指します。つまり、最初に提示された情報が後の判断に影響を与えることを意味します。

住宅に関するアンカリングの例を挙げると、例えば不動産会社が住宅の価格を最初に提示する際に、高めの価格を提示することで、その後の価格交渉においても高めの価格が基準となってしまうことがあります。

また、リフォーム業者が最初に提示した工事費用が、その後の見積もりの基準となってしまい、同じような内容でも他社より高い見積もりを提示された場合でも、比較検討が困難になってしまうこともあります。

逆に、アンカリングを利用することで、価値を高めることも可能です。例えば、ある住宅の価格が高めであるということをアピールすることで、その住宅の品質やデザイン性などの価値が高いことを印象付けることができます。

【事例】
地域ビルダーの戦略で、大手ハウスメーカーに匹敵するくらいの展示場を建てていかにも高級路線で高そう!というアンカリングを行う。しかし、提案は一般的な家でありながら「自由にカスタマイズ、こだわりを諦めずにこの価格」と顧客の想定している価格より安い商品を提案することで、思ったより安いと感じてしまう。
アンカリングは、人々の判断に大きな影響を与えるため、マーケティング戦略においては注意深く扱う必要があります。

3.4 希少性の利用

希少性は、商品やサービスにおいて重要な心理的要因の一つです。商品やサービスが希少であると知られると、その価値が高くなり、人々はより欲しがるようになります。これは、人間の本能的な欲求に起因しており、希少性が高いものを手に入れることで、自己満足感や社会的地位の向上を感じることができるからです。

住宅分野においても、希少性を利用することができます。例えば、限られたエリアにしか住宅が建っていない場合、その住宅の価値は高まります。また、限定的なデザインや限定的な材料を使用した住宅も、希少性が高まり、価値が上がる傾向があります。

さらに、希少性はマーケティング戦略にも利用されます。限定的な数量の商品や、期間限定の『キャンペーン』などは、希少性を利用して需要を高めることができます。住宅分野においても、限定的な条件での販売や、数量限定のキャンペーンなどを行うことで、希少性をアピールし、需要を高めることができます。

ただし、希少性を利用する場合には、嘘や誇張を用いてはいけません。消費者が事実と異なる情報を知った場合、信頼を失ってしまい、信頼回復は非常に困難となります。したがって、正確な情報を提供することが重要です。

3.5 恐怖心を利用したアプローチ

恐怖心を利用したアプローチは、商品やサービスを売り込むための一つの手法です。この手法は、商品やサービスに関する不安や問題を強調することで、消費者の恐怖心を刺激し、商品やサービスを購入する意欲を高めることを目的としています。

住宅分野においては、例えば、火災や地震などの自然災害に対する恐怖心を利用したアプローチがあります。例えば、自社の住宅が、火災や地震に強い構造になっていることをアピールすることで、消費者の不安を解消し、安心感を与えることができます。

また、防犯性能の高い住宅をアピールすることで、住宅購入者の恐怖心を解消し、安心感を与えることもできます。例えば、防犯カメラや防犯センサーなどを導入して、住宅内の安全性を高めることができます。

ただし、恐怖心を利用したアプローチは、消費者に過剰な恐怖心を与えてしまう可能性があるため、注意が必要です。消費者の不安や問題点を解消することを目的としてアプローチを行うことが重要です。

第4章 営業手法

第4章では、営業手法について解説します。

4.1 営業のフロー
住宅営業のフローは、以下のような流れで進められることが一般的です。

  1. 顧客のニーズや要望をヒアリングする。

  2. 自社の商品やサービスの特徴を説明する。

  3. 顧客に対して見積もりや提案書を提出する。

  4. 顧客の反応を確認し、価格交渉や条件交渉を行う。

  5. 契約を締結する。

このように、住宅営業では、まず顧客のニーズや要望をしっかりと把握し、その上で自社の商品やサービスを提供することが大切です。

4.2 営業ツールの活用

住宅営業において、営業ツールとして有効なのは、以下のようなものがあります。
・パンフレットやカタログ
・見積もりや提案書
・3Dプランニングツール
・VRツール
これらのツールを活用することで、顧客にわかりやすく自社の商品やサービスをアピールすることができます。

4.3 成功した営業マンの秘訣
住宅営業において、成功した営業マンには、以下のような共通点があります。
・顧客のニーズをしっかりとヒアリングし、それに合わせた提案を行うことができる。
・商品やサービスの特徴をわかりやすく説明し、顧客に納得してもらうことができる。
・価格交渉や条件交渉を巧みに行い、契約を締結することができる。
・アフターフォローを徹底し、顧客からの信頼を獲得することができる。

これらのスキルを身につけることが、住宅営業において成功するための秘訣と言えます。

4.4 クロージングテクニック

住宅営業において、契約を締結するためには、クロージングテクニックを使うことが重要です。代表的なクロージングテクニックとしては、以下のものがあります。

アルティメイタムクローズ:顧客に「〇〇までに決めていただけない場合は、この価格や条件は適用できません」と言うことで、顧客に決断を促すテクニックです。例えば、「今日中に決めていただけるなら、特別価格でご提供できます」というようなアルティメイタムを提示することで、顧客に決断を促します。

アサンプションクローズ:顧客に「○○については問題ありませんね、よろしいですか?」とアサンプションを提示することで、実質的に契約を締結したものとして扱うテクニックです。例えば、「契約書にサインする前提で、何日から入居をご希望ですか?」というような質問をすることで、顧客に契約を前提とした話を進めます。

アイデンティティクローズ:顧客に「あなたはこの住宅を選ぶべき人です」と自己肯定感を高めることで、契約を促すテクニックです。例えば、「この住宅は、センスの良い方々に人気があります。あなたも、その一人ですね」と言うことで、顧客に自分自身を肯定的に見せ、契約につなげます。
これらのクロージングテクニックは、顧客の状況や個性に合わせて使い分けることが重要です。また、あくまでも誠実かつ適切な手法を用いることが、信頼関係の構築につながります。

4.5 アフターフォローの重要性について

住宅営業において、アフターフォローは非常に重要な役割を持ちます。アフターフォローとは、商品やサービスを提供した後に、顧客との関係を維持し、信頼関係を深めることを指します。

住宅営業においては、契約締結後にも顧客との関係を継続することが重要です。住宅は一生ものの買い物であり、住宅を購入した後も、顧客の生活に密着した商品であるため、顧客が抱える問題や不安を解消するためのサポートを提供することが求められます。

具体的には、引っ越し後のアフターサポートや、メンテナンスや修理などのサービスの提供、情報提供、イベントやセミナーの開催、定期的な訪問などが挙げられます。これらの取り組みにより、顧客との信頼関係を深め、リピート率の向上や口コミによる新規顧客獲得に繋げることができます。

また、アフターフォローには、顧客からのフィードバックを受け取ることも重要です。顧客からの声を聞くことにより、商品やサービスの改善点を把握し、顧客満足度の向上に繋げることができます。

総じて、住宅営業においては、契約締結後も顧客との関係を維持し、信頼関係を深めるために、積極的かつ適切なアフターフォローを行うことが必要です。

第5章 実践例

営業において、心理学のテクニックを活用することで、お客様とのコミュニケーションをよりスムーズに進めることができます。ここでは、リフォームの提案、新築住宅の提案、中古住宅の提案、一棟買い投資物件の提案、フォローアップの提案について、心理学のテクニックを用いた提案方法を紹介します。

5.1 実践例1:リフォームの提案
リフォームの提案において、お客様が抱える不安や心配を払拭することが重要です。そのためには、お客様に寄り添う言葉を選んで話し、共感することが大切です。

例えば、「古くなったお風呂やキッチンで不便な思いをされているのは、大変お辛いことだと思います。今回のリフォームで、より快適に過ごせる空間を提供したいと思っています」といった具合に、お客様の気持ちに寄り添った表現をすることが重要です。

また、お客様がリフォームをする意図を引き出すことで、リフォームの必要性を説明することができます。

例えば、「今回のリフォームで、より家族とのコミュニケーションが増え、家族の絆が深まることを期待しているのですが、お客様はどのようなことを期待されていますか?」といった具合に、お客様の想いを引き出すことができます。

5.2 実践例2:新築住宅の提案

新築住宅の提案においては、お客様の夢や理想を叶えることが求められます。そのためには、お客様の気持ちに寄り添い、共感を示すことが大切です。

例えば、「お客様の理想のお家を形にすることが私たちの使命だと考えています。お客様の想いを一緒に叶えていくために、何でもお気軽にご相談ください」といった具合に、お客様と一緒に理想の住まいを実現するという姿勢を示すことが大切です。

事例①お客様が求めるものを予測し、それに合わせた提案をすることも重要です。例えば、ファミリー向けの住宅ならば、子供部屋や収納スペースの充実などが求められるでしょう。一方で、シングル向けの住宅ならば、使い勝手の良いコンパクトな間取りや、収納スペースの少なさを補うデザイン性の高いインテリアなどが求められるかもしれません。

事例②お客様の心理的なニーズにも注目することが重要です。例えば、新築住宅を建てる際には、将来的な安心感や、自分たちが所有することでの誇りや自己実現感などが求められるかもしれません。こういったニーズを理解し、そのニーズに合わせた提案をすることで、お客様の心に響く提案をすることができます。

事例③新築住宅の提案においては、お客様の不安や心配を取り除くことも大切です。例えば、建物の品質や施工技術、耐震性などに関する説明や、保証制度などの案内などを行うことで、お客様の不安を解消することができます。
最後に、お客様とのコミュニケーションを大切にすることも、新築住宅の提案において重要なポイントです。お客様の希望や要望に対して、素早く丁寧に対応し、適宜アドバイスや提案を行うことで、お客様との信頼関係を築き上げることができます。

5.3 実践例3:中古住宅の提案

中古住宅の提案においては、お客様の不安や心配事を解消することが大切です。まずは、お客様が求める条件をしっかりとヒアリングし、その条件に合った物件を紹介することが大切です。

また、中古住宅であることによる不安や心配事がある場合には、専門的な知識を持ったスタッフが丁寧に説明することが必要です。この際には、お客様が抱く不安や心配事に対して、具体的な解決策を提案することで、お客様の心を安心させることができます。

例えば、「中古住宅を購入することで、将来的に必要な修繕費用がかかる可能性がありますが、弊社では中古住宅に特化したスタッフがおり、専門的な目で物件をチェックし、必要な修繕費用やメンテナンスのアドバイスを行っています。

また、弊社が取り扱う中古住宅は全て購入前に徹底的な点検を行っているため、お客様に安心してお住まいいただけます」といった具合に、お客様の不安を解消するためのアドバイスを提供することが重要です。

5.4 実践例4:一棟買い投資物件の提案
一棟買い投資物件の提案においては、お客様が持つリスク回避の欲求に対して、具体的なアドバイスを提供することが大切です。

例えば、「一棟買い投資物件はリスクが高いと思われるかもしれませんが、弊社が取り扱う物件は全て、将来的なリスクを最小限に抑えるような物件を選別しています。

また、弊社では物件選定や購入から管理・運営まで、トータルでサポートすることで、お客様に負担をかけずに、安定的な収益を得ることができます」といった具合に、リスクに対する対策を示し、安心感を与えることが必要です。
5.5 実践例5:フォローアップの提案

フォローアップの提案においては、お客様との信頼関係を深め、リピート率を高めることが重要です。心理学的なテクニックとしては、以下のようなアプローチが効果的です。

まず、お客様に対して感謝の気持ちを伝えることが大切です。例えば、「先日はご契約いただきありがとうございました。お客様のお力添えがあったからこそ、素晴らしい成果を得ることができました。改めて、心より感謝申し上げます」といった具合に、お客様の貢献を認め、感謝の気持ちを伝えることで、お客様との絆を深めることができます。

次に、お客様とのコミュニケーションを継続するために、フォローアップの重要性を伝えることが大切です。例えば、「お客様にはこれからもご満足いただけるよう、フォローアップを行ってまいります。何かお気づきの点がございましたら、いつでもご相談ください」といった具合に、フォローアップを通じてお客様にサポートを提供する姿勢を示すことで、信頼関係を深めることができます。

また、お客様とのコミュニケーションを円滑にするために、お客様のニーズや要望を把握することが大切です。例えば、「お客様が気になっていることや、もっと知りたいことがあれば、どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください」といった具合に、お客様が抱える疑問や不安に寄り添い、コミュニケーションを促すことで、お客様との関係を深めることができます。

以上のように、フォローアップの提案においては、感謝の気持ちを伝えること、フォローアップの重要性を伝えること、お客様のニーズや要望を把握することが大切です。これらのアプローチを通じて、お客様との信頼関係を深め、リピート率を高めることができます。

【結びに】
営業においては、お客様との信頼関係を構築し、ニーズを理解し、的確な提案を行うことが求められます。そのためには、コミュニケーション能力や心理学的なテクニックを取り入れることが有効であることが分かりました。しかしながら、それらのテクニックはあくまでも手段に過ぎず、真摯な姿勢とお客様に対する誠実な対応が最も大切な要素であることを忘れてはなりません。営業は、お客様との良好な関係を築くことができれば、長期的なビジネスの発展に繋がることがあります。そのためには、常にお客様の立場に立ち、真心を込めた対応を心がけることが必要不可欠です。

以上でセールスにおける心理学の重要性を理解するための旅は、一旦終わりになります。これは、旅の始まりにすぎません。今回このコンテンツを最後まで読んで頂いた方にお知らせがあります。

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