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【症状の整理】吃音症で障害者手帳を取得することを決意するまでの記録③
これまで、「吃音症で障害者手帳を取得することを決意するまでの記録」と題し、①・②と投稿してきた。
が、
初心者あるあるとして、全体の流れを考えずに書き始めている、ということをご容赦いただきたい。
というのも、「そもそもお前の吃音の症状ってどのレベルなん?」ということを記載していなかったことに、今更気付いたのである。
というわけで、
(というわけで、では済まされないかもしれないが)
今回は、番外編では無いが、補足説明的な意味合いを込めて、そもそもの私の吃音のレベルについて書こうと思う。
結論から言うと、ずばり、「あ行・か行・た行・な行・ま行」が言えない。
全体の半分ちょっと、といったところだろうか。
上記の5つの行の文字が最初にくる言葉は、前回(②参照)記載した、道具的学習(以下のとおり)を使わなければ、連発や難発が起こる。
使っても、言えない時もある、が。
①息継ぎをしないで発語する
②頭のなかで「1、2、3、4!」と数えて勢いをつけてから発語する
③廊下を歩く誰かの足元を見ながら「今!」と思ったときに発語する
④右手で体側をトントンと叩きながら「今!」と思ったときに発語する
日常生活においては、「言い換え」を多用してしまっている。
これは、病院の先生からは「あんまりよろしくない」と言われているのだが、「言い換え」を多用すれば、フリーな会話はこなせるため、どうしても辞められない。
例えば、
「ありがとう」→「サンキュー」
「いつも」→「ずっと」「よく」
「まじで」→「本当に」
「明日」→「○曜日」
といった具合だ。
基本的には、この言い換えを休むことなく頭の中で続けながら、話している。
そのため、会話の前後は極度に緊張し、疲弊する。
それだけならまだいい。
生きていける。
問題なのはここからだ。
言い換えができない言葉。
「おはようございます」
「ありがとうございました」
「お願いします」
「〇〇〇〇(名前)です」
「お世話になっております」
「お電話ありがとうございます」
「〇〇株式会社〇〇所属の〇〇です」
といった言葉たち。
並べてみれば分かるが、ほとんどが仕事関連である。
(勿論前回記載したとおり、学校も大変ではあったのだが。)
これらは、上記①から④までの方法で、毎回賭けに出るしかない。
その結果、賭けに勝つこともあれば負けることもある。
負けたら諦めて、吃りながら発語する。
ここまでを読むと、大変に見えるかもしれないが、私のレベルは軽症の部類に入る。
だから、自分だけが大変だとは全く思っていない。
斉藤和義の歌詞を引用すると
「自分の仕事が1番辛いと思う奴にはならない」みたいな感じだ。
これは私のモットーというか目標でもある。
軽症の部類なのだが、リハビリに通っていた頃の先生からは「軽症が一番厄介だ」と言われていた。
それは、「言い換え」を覚えてしまい、リハビリの成果を試すことを避ける患者が多いため、という理由からだった。
核心を突かれた気持ちであったのを覚えている。
そうなのだ。
どんなにリハビリ室で上手く言えたとしても、実戦となると、怖くて「言い換え」をしてしまうのだ。
まあ、リハビリを辞めた今となっては「これが私の生きる道」程度に捉えているが。
さて、私のレベルの話はこれくらいにしておき、次回からは本筋に戻ろうと思います。
ありがとうございました。