送葬のフリーレンに見える・益軒十訓 02

6.村の英雄

○ ヒンメル 「アイゼンは、辛く苦しい旅がしたいのかい?」

大和俗訓 心術下 三十七
 昔、二人、同じ船に乗りて行くに、一人は性、急なり。
日和悪しく、船の遅きを苦しみて、昼夜、心を悩まし、形かじけたり。
一人は、性、穏なり。
船の遅きを苦しまず、よく食し、安く寝て、顔色美し。
其の所に着きしかば、二人、一時に陸にあがる。
此の間、船の遅きとて、心を苦しめし者、何の益あるや。
唯、自ら苦しめるのみ。
是れ、心短き人の勤めとすべし。
天下の事、我が力に為し難き事は、唯、天に任せ置くべし。
心を苦しめるは、愚なり。

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