さよならだけが、人生さ。
お世話になった上司が、異動になった。
面接で私を採用してくれた恩人である。
いわゆるお調子者ポジで、波長があう人には非常に慕われる反面、合わない人にはまさしく蛇蝎のごとく嫌わる。
そんなタイプの人だった。
一緒に仕事をする中ではそれなりにぶつかることもあったけれど、看過できない発言をされたときは面と向かって「今のはあり得ません。」と主張して、相手も同じように思うことを言って
それでもあとくされなく一緒に仕事ができる、というのはなかなか稀有な関係性だったと思う。
仕事との向き合い方、身のこなし方など、学んだことも多かった。
なんだかんだ言って、私は彼のことを人として好ましく思っていたのかもしれない。
別れの挨拶をしたとき、なんとなくもう、今生で会うのはこれで最後だろうな、と感じた。
そして、人はまるで、羽みたいなものだな。。。そんな風に思った。
ひらひらと舞って、いろんなところにいくけれど、またすぐに別の場所へ飛んでいく。
幻みたいな刹那の時間。繋がって、途切れて、また別のどこかとつながる。
それを繰り返していく。
そんな風に、人生は進んでいくのかもしれない。
昔誰かが言ったように、
さよならだけが、人生なのかもしれない。
だとしたら、その刹那をより輝かせるためにできることは。
その人という多面体の、好ましい部分にできる限りフォーカスすること。
だと思う。
前回のリーディングでも述べたけれど、この世界も人も、多面的な存在だ。
一人の人間の中には、本当にしょうもない面と、泣けるほど暖かい面が混在している。
そしてこの世界は、「フォーカスした面」が誇張されて目の前に現れる、というシステムになっている。
いわゆる引き寄せの法則も、このシステムを上手に利用して望みをつかむためのものだ。
ある人を好ましく思っていたけど、好ましくない側面を見てしまってからは、よくない面ばかり目につくようになった。。。そんな経験はないだろうか?
これは、自分のフォーカスが、相手の好ましい側面から好ましくない側面に移行したことで起こってくる。
また、周りの人がみんな「あの人は気難しい」と言っていても、自分は全くそう思わない、むしろ気さくでいい人だと思っている。。。
という場合も、自分だけはその人の気さくな側面にフォーカスしているから、
自分の世界ではその人の気さくな側面がより強く表れている、ということだったりする。
むろん、好きになれない人や苦手な人を無理に好きになろうとする必要性は皆無だけれど。
多くの時間を一緒に過ごす相手に対しては、この「フォーカス」の力を作用させてみると
現実世界はより優しくなる。
今の世界がなんか居心地悪い。。。とお悩みの方がいたら、だまされたと思って試してみてほしい。
私はこの方法で、なにか大きな行動を起こしたわけでもないのに、なんかしらんけど
仲良くやれるようになった人がたくさんいる笑
どうせ刹那、されど刹那の、大切な邂逅。
暖かい思い出とともに、大切に胸にしまって、次へ行きたいから。
みなさまも、美しき日々をお過ごしください。