QRコード~公立昭和病院 感染症科 感染管理部 ノート
2019年も終わりを迎えようとしていますが、読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか?
2019年12月3日から開始いたしました、公立昭和病院 感染症科・感染管理部ノートも公開から、そろそろ1ヶ月が過ぎようとしております。
本ノートは、以下のテーマを扱っております
・感染症
・感染対策
・薬剤耐性AMR問題
・感染症診療
これらのテーマを記事として執筆するにあたり、重要となるキーワードが
・予想
・勉強
・問題解決
となります。
なぜ、これらのキーワードが重要になるのでしょうか?
感染対策を例にお話しましょう。
「すべての問題は、それが「問題である」と適切に認識された時点で、既に解決へと向かっている」と筆者は考えます。
逆に、「問題と認識されていないモノゴト」は、いつまでたっても解決には至らないでしょう。
たとえば、ある病院で、日常的にMRSAが検出されている状況があるとします。
その病院の「中」のヒトの視点では、もしかしたら「いつもと変わらないよね?」ということで、このMRSAの検出が、「普通」もしくは「標準・スタンダード」な状況として、問題として認識されていないかもしれません。
この状況を、この病院の「外」のヒトの視点で観察したらどうでしょうか?
「この病院の果たしている役割・規模から考えると、このMRSA検出は持続的なアウトブレイク(prolonged outbreak)かもしれないね~」と問題として認識されるかもしれないのです。
アウトブレイクとは、「通常発生している状態以上に感染症・微生物・薬剤耐性菌の検出が増加すること」とされております。
今回の例では、「通常発生している状態以上にMRSAの検出が増加している」ことがアウトブレイクの判断目安になります。
しかしながら、この持続的なアウトブレイク(prolonged outbreak)の状況では、長期に渡って耐性菌等の検出が増加している状況が続いているため、その「モンダイの存在に気づかれない」という大変恐ろしい状況に陥ってしまうことがあるのです。
ですが、一度この持続的なアウトブレイク(prolonged outbreak)の存在に気がつければ大丈夫!
そうです。「すべての問題は、それが『問題である』と適切に認識された時点で、既に解決へと向かっている」からですね。
本例でも、「MRSAの持続的アウトブレイク」と問題認識されれば、様々な解決策を打って、問題解決への道が模索されることでしょう。
もちろん、「MRSA持続アウトブレイク」解決への道のりは険しいものかもしれません。
それでも、問題を放置することが無い限り徐々に解決へと向かっていくはずですね。
さらに「持続アウトブレイク」(prolonged outbreak)という問題が起こり得ることを「予想」していれば、問題は大きくなる前に解決へと向かえます。
そして、この「持続アウトブレイク」(prolonged outbreak)を適切に「予想」するためには、「持続アウトブレイク」(prolonged outbreak)という存在をあらかじめ「勉強」して「知識」として持っておき、いつでも引き出せるようにしておくことが必要なのですね。
このように、感染対策1つとっても、
・予想
・勉強
・問題解決
というキーワードは大変重要なのですね。
本ノートでは、筆者の見解を含め様々な意見・提言を記載しております。
すべての記事は、筆者個人の見解であり、公立昭和病院の公式見解ではございません。ご了承ください。
また、記事の内容について、いろいろとお考えになることもあるかと想像いたします。
本ノートの記載内容が必ずしも「正しい」とは考えておりません。
なぜなら、筆者と読者は異なる「時間」「空間」で「生き」そして「考え」ているからですね。
「時空を超えて正しいことは存在しない」
でしたね。
書かれた文章は、「ヒトに読まれてなんぼ」です。
筆者の最大の喜びは、文章が多くの皆様に読まれることです。
さらに、読者の皆様がいろいろなことを「考え」たり「思いつい」たりするための「ヒント」になれば、望外の喜びとなります。
本ノート記事の冒頭に「QRコード」を掲載いたしました。
QRコードを活用いただき、周囲の皆様に「公立昭和病院 感染症科・感染管理部ノート」をぜひご紹介ください。
よろしくお願い申し上げます。
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