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【実話怪談】「子供の足音」
先日載せた「世界は知らないだけで怪奇に溢れているのかも知れない話」を知人に話した時に頂いたお話をひとつ。
子供の足音
幽霊が見えたりはしないが時折り何か気配のようなものを感じることがあると語るMさんは結婚を機に仕事を辞め、新しい新居へと引っ越した。
新婚生活に心躍られる日々も束の間、住み始めてすぐに部屋の薄暗さとジメッとした雰囲気を感じたという。
変わったことと言えば夜はしっかり眠れていて十分な睡眠が取れているはずなのに昼間から異常な眠気に襲われて気がつけば夜になっていること。
そんなある日、家事をこなしているとまた昼間から強い眠気に襲われリビングで寝てしまったという。
いつものように夕方に目を覚ますと昼間の明るく日差しが差し込んできていた雰囲気とは一転、辺りは暗くじっとりとした空気を感じたという。起きなきゃと思い身体を動かそうとするが身体は全く動かず、Mさんは金縛りだと自覚する。
夫が帰ってくるにはまだ早い時間、暗く湿った部屋の中、なにかの気配を感じて背筋に悪寒が走る。誰もいない家の中からなにものかの気配を感じて怯えていると部屋の中から子供のような走り回る音が聞こえてくる。
ピクリとも動かないMさんにその足音は廊下からリビングへとバタバタと走ってくる。そしてMさんの横を何度も子供のような足音でドタバタと走り回ったり、自分を跨ぐような気配を感じたという。
後日、何度か同じ経験をして引っ越すことになったというMさん。
引っ越してからは昼間に異常な眠気に襲われることもなくなりそれ以来、子供の足音も聞いていないそう。
あれはなんだったんだろうとMさんは不思議そうに語ってくれた。