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料理と治療に共通点!名人の技をどう受け継ぐか

師匠について、技を磨く――。

鍼灸学校の在学中あるいは卒業後に師匠に出会い、自分の治療を身につけていくパターンが、鍼灸の世界では王道です。

なかには複数の師を持つ方もいますが、いずれにせよ、誰かしらの影響を受けながら、治療技術を磨いていくことがほとんどでしょう。

料理がうまくなると治療が変わる

経絡治療学会会長の岡田明三氏は、経絡治療の大家として名高い、父の岡田明祐氏に師事し、1971年から原宿の神宮前鍼療所で修行。2001年に父に代わって、院長に就任し、これまで多くの弟子を育成してきました。

「うちでは料理をつくれないとダメですね。材料から買ってきて、当番が包丁を握って、お昼を作っています」

鍼灸院で料理の修業とは、意外な感じがしますが、料理と治療には、実は共通点が多いと、岡田氏は話します。

「料理は材料を買うところから準備して、手際よくやらないと時間がかかります。調味料をどの段階でどれくらい加えていくのか。順序も重要になりますね。それって鍼灸治療も同じじゃないですか」

患者さんがどんな治療を必要としているのかを考えながら、道具を準備し、自ら率先して動く――。終わったら片付けることも含めて、治療と料理の共通点は確かに多いかもしれません。

「実際、料理がうまくなると、治療の手順もよくなります。例えば、灸をするときには、モグサだけ持ってくるのではなく、線香や灰皿も必要だというように、先々が読めるようになる。頭の使い方が変わるのでしょうね」

師匠と弟子が語る修行時代のホンネ

実際に、長きにわたって岡田氏に弟子入りした橋本巌氏と阿江邦公氏は、修行時代をどのように感じていたのか。料理だけではない、そのユニークな修行時代について、座談会を行ってもらいました。父から受け継いだ名人の技のコツも披露!

治療家の技のルーツを探る

名人・岡田明祐氏の鍼さばきは、映像にも残っています。撮影に立ち会った橋本巌氏は言います。

「明祐先生は、無痛弾入の補的な鍼はもちろん、瀉的な鍼も運用し、
メリハリのある手技をされていました。明祐先生は、身体が小さくて線が
細いのですが、手つきがはっきりとしているのです」


治療家の数だけ、その技や学びにルーツがあります。

師匠と弟子の座談会や、26人のベテラン治療家に聞いた「技の原点 学びの原点」。月刊「医道の日本」2018年10月号で、たっぷり紹介しています。

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2018年10月号 創刊80周年記念特集「この先の治療に活かす 技の原点 学びの原点」

これから脈診を始めたい人には……

岡田明三氏といえば、毎年、夏期大学で脈診の講義を行っています。

これから脈診を始める人のために、脈の考え方から取り方、脈の記載方法、少人数で行うトレーニング法までを解説した動画もご参考に!


(了)

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