「医道の日本」プレイバック! 第7回 日本とヨーロッパを鍼でつないだ ドイツのシュミット医師来日(1953年)
創刊より80年以上、通巻922号を数える中から、特に読者の議論を呼び起こした企画、時代を映し出した企画を振り返ります。
日本とヨーロッパを鍼でつないだ
ドイツのシュミット医師来日(1953年)
旧西ドイツのシュツットガルト市で内科を開業していたヘルベルト・シュミット医師が来日したのは1953年3月27日のことだった。
当時39歳。同年の『医道の日本』誌によると、約1年半の滞在の間、柳谷素霊氏、間中喜雄氏、代田文誌氏、岡部素道氏ら鍼灸界の中心人物を訪ねて研究に勤しみ、帰国後は日本流の鍼をモットーとして治療に当たっていたという。
シュミット氏の来日は、のちの日本とヨーロッパの鍼に大きく貢献した出来事だった。
日本の鍼灸界は氏をあたたかく出迎え、1953年6月14日、日本教育会館で日独中の国際鍼灸座談会が開催されることとなった(医道の日本社主催)。
日本側の出席者は柳谷氏、間中氏、岡部氏と龍野一雄氏、司会が井上恵理氏という豪華なメンバーで、各国の鍼灸の現況を報告し合い、その後シュミット氏、香港中医会理事長の許密甫(シュウ・ミッポウ)氏の実技が行われた。
1953年5月号では、間中喜雄氏が滞在中の氏の様子を「シュミットさんの話」と題して紹介している。
シュミット氏が亡くなった1995年5月号の口絵に掲載された実技の写真では、柳谷氏、岡部氏、井上氏、本間祥伯氏、小川晴通氏らの真剣なまなざしが印象的である。
※本記事は、医道の日本社のWebサイトで2009年11月23日に公開されたものを元に作成しております。
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