暗号資産は通貨になれるか
ビットコインやイーサリアムに代表される暗号資産ですが、再び仮想通貨の名を手にすることができるのでしょうか
エルサルバドル、ビットコイン法定通貨に賛否:日本経済新聞
日経新聞を投資に活かすことを目的に、気になった記事を取り上げていきます。
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暗号資産と仮想通貨
ビットコインやイーサリアムは仮想通貨だろ?なんだよ暗号資産って
とお思いの皆さま。現在日本では、法律上仮想通貨という名称はなくなり、暗号資産に変更されています。これは、2020年(令和2年)5月1日に施行された資金決済法の改正により定められた呼称です。
暗号資産と呼ばれていた期間の方が長いですから、まだ浸透しきっていないですね。
今でも多くの記事などで"暗号資産(仮想通貨)"という表記がなされています。本noteではあえて暗号資産とだけ記載しています。
暗号資産を法廷通貨に!?
中米のエルサルバドルで本日(9/7)からビットコインが法廷通貨となります。
エルサルバドルは、GDPの約2割を外国からの送金が占めているようです。つまり、外国に出稼ぎに行くことが多く、それを母国(エルサルバドル)の家族に送ることで生活をしているということです。
この送金には当然手数料も多くかかっています。一年あたりで、その額なんと440億円にもなるようです。
ビットコインを法廷通貨とした背景にはこの送金手数料を引き下げる狙いがあるようです。また、国民の7割は銀行口座を持っていないといいます。そこで、ビットコインのシステムによって送金できることで銀行口座がない現状からでも容易に送金の呼び込みや、手数料を押し下げることができます。
一方で、ビットコインはそもそも価格が安定していません。最近でいえばテスラの動向で急落、高騰するなど、一企業に振り回されるほどです。
こうした背景から、国民たちも、ビットコインの利用には消極的なようです。
暗号資産は通貨になれるか
エルサルバドルの例を通貨になったというのであれば、なれるといえましょう。
しかし、現状では国民は利用に消極的です。仮に誰も使わず、国内の買い物などにも利用できなかったら、それは通貨と呼べるのでしょうか。
暗号資産は注目度もかなり高くなり、通貨に向けた道を歩んでいるようにも見えます。いくつかの企業は暗号資産も保有し、決済にも使えるようにしようと動き始めています。
しかし通貨として広く普及するためには、やはり価値の安定化が欠かせないでしょう。
現状の不安定さのなかで暗号資産による決済を受け入れれば、販売店側は売ったモノの利益が一日でゼロに、あるいはマイナスになるリスクを抱えることになります。(もちろん、利益が数倍になるリスクも同時にあります。)
ただ、逆もまたしかりといった側面もあると思います。暗号資産が市場で当たり前に取引されるようなものになれれば、需要も当たり前に出てきます。そうなれば、一定の額で暗号資産を引き受けるという人や機関などが出てきてもおかしくありません。
一定の額で取引ができるのならそれは価格の安定化に他なりません。
以上から鶏が先か卵が先かの議論ですが、
安定化が先か、一般普及が先かそこが一つの論点だと言えるでしょう。
ただし、各国、自国のデジタル通貨にも力をいれています。通貨をデジタル化することで、送金などの問題もある程度解消されるでしょう。その場合、暗号資産と違って、裏付け資産が存在することになりますから価格も安定し、暗号資産の立場は危うくなりかねません。一方で国を跨いだ送金という点では暗号資産に軍配が上がることは変わらないでしょう。
それも、暗号資産の優れた点として、1国に依存した金融政策の影響を受けないということがあるからです。各国から完全に独立し、誰の影響も受けず流通するからこそ、どこの地域にいてもフラットな取引ができると言えるでしょう。為替などもありません。
まとめ
暗号資産を法廷通貨としたエルサルバドル。
しっかりと通貨として機能していくのかは見物です。
また、各国デジタル通貨を検討し始めています。それでも暗号資産とは役割の違いが生じてきそうですから、それだけで暗号資産が通貨になれないということにはならなさそうです。
今後どうなっていくのか、その時々の出来事や風潮といった不確定で形もないものによってその未来が左右されていくのではないかと、私は思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。日々の学びや気づきから投資につながりそうなことを更新中です📝