設備投資銘柄を先読み投資
21年度第1四半期決算で、黒字転換や、営業利益数倍などめざましい数字が日々目にはいってきます(昨年比だとあまりあてにならないですし、19年度比でも昨年分がずれ込んで増えているだけの場合もありますが)
確かに経済はもとに戻りつつあります。
そのことを受け、設備投資の計画が増加しているようです。
設備投資、1都3県20%増 今年度 手控えの計画再開:日本経済新聞
設備投資計画調査
日本政策投資銀行が調査し、公表しています。
この調査によると、設備への投資額が昨年比で20.2%増加したようです。これはあくまで計画の数字なので実績としてはもう少し落ちるかもしれません。
投資する設備としては、既存設備の入れ替えだけでなく、脱炭素等の環境配慮、そしてDXなどに向けたものがも多そうです。
一方で、サービス業では逆に投資計画は減少しています。これは五輪を見込んだホテルの建設が完了し、償却期に移行したことが伺えます。
設備投資のサイクル
景気にはいくつかのサイクルが存在します。
株式投資を行う上では欠かせない知識ですね。
その中でも設備投資と関係が深いとされているのが、ジュグラーサイクルです。
ジュグラーサイクルは10年程で一巡するサイクルで、設備の入れ替えなどの影響によるものだとされています。これは、取得した設備の耐用年数が10年ほどに設定されることが多く、10年で償却されるためだと考えられます。(減価償却っていうやつです)
このサイクルについては、五輪への準備もあったため、少しリズムが乱れています。
したがって、特に関東圏においては昨年分を飲み込んだ今年度、来年度あたりが一度山になって落ち着くことも予想されますね。
一方で関西圏は、大阪万博を控えています。これから本格化していく部分もあるでしょうから、分けて考えておく必要があります。
設備投資関連銘柄
この時、よく目安とされるのが、以下の企業たちですかね。(他にももちろんありますが)
キーエンス
ファクトリー・オートメーションのセンサーが主力です。この他にも検出・計測機器を手掛けています。DXを推進する際の目玉を持っている企業といえます。
ダイフク
立体自動倉庫で首位に立つ企業です。マテリアルハンドリングを柱とし、物の保管や運搬に強みを持っています。製造業であればダイフクのお世話になることも少なくないでしょう。
SMC
空気圧制御機器で世界シェア1位です。これもFA(ファクトリー・オートメーション)を実施する際に欠かせない要素になります。キーエンスと合わせてこちらもDX関連投資では大きな存在となります。
ファナック
工作機械用の数値制御装置で世界首位です。
こちらもFAでの数値制御が行われます。
人手不足が叫ばれる日本において、工場の自動化は欠かせませんから、注目度は依然高いです。
オークマ
工作機械の大手です。マシニングセンタに強みを持っています。マシニングセンタは自動で工具を入れ替え、連続した加工が可能なものです。こちらも自動化というわけですね。
安川電機
サーボモータとインバータで世界首位の企業です。産業用ロボット販売でもかなりの実績を持っています。
工場の自動化、新設では大きな影響を持ちそうです。
THK
直導案内機器(リニアガイド)で最大シェアを持つ企業です。
ロボットなどで自動輸送する際に用いられるレールなどと思っていただければ良いです。UFOキャッチャーをイメージしてもらえればいいかと思います。そのような形で、ロボットでの運用の際に必要なパーツとなります。
設備投資が強化されているときにはこれらの企業が利益を上げることとなります。
まとめ
21年度の設備投資計画が昨年比で増加していました。
設備投資には経済的なサイクルもありますので、それと合わせて、設備投資計画や、先行指標となる機械受注調査もあります。
これらをうまく組み合わせて先読み投資をしていきましょう!