甘くて、美しい
甘美な夢を見た。
色白で、華奢で、Sサイズの顔にXLサイズの目をつけた女の子。
会ったことも見たことも無い女の子だったけど、その子は確かにわたしの恋人で、その大きな目でじっとわたしを見つめていた。
いつも彼女からキスをしてくるのに、物欲しそうな顔をしながらぴくりともしないので、わたしが「なに、今日はしないの」と言うと、それでも彼女は黙っていた。
たまらなくなってわたしが彼女の桃色の頬を両手で包んだところで目が覚めた。
漫画の試し読みのように、夢中になりかけたところでそれは終わった。
甘く、美しい。
この20年の人生でいちばん"甘美"という言葉が似合う景色だった。彼女の周りはふわりとピンクがかって、「恋は盲目」をそのまま描いたようだった。真っ直ぐに澄んだあの目が忘れられない。
わたしの潜在的な欲望が表出した幻想か、夢の支配人が作る悪戯なおとぎ話か。目を醒ました確かな光の中で、あなたに会える日は来るだろうか。
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