【放送後記】#11今すぐ知っておくべきウェルビーイング学ーback number「瞬き」の歌詞から考える”幸せとは…?” #12「お疲れ様」は禁止!?ウェルビーイング学第一人者に学ぶ幸せの考え方【ゲスト:前野隆司先生(ウェルビーイング学)】
2024/6/15に収録した前野先生ゲスト回が公開されました!
「なるほど、ウェルビーイングってそういうことだったのか!」
本編ではウェルビーイングについて、初学者の多くが抱きやすい疑問にも真摯に答えてくださいました。
ここでは、本編で入りきらなかった学生スタッフのQ&Aを放送後記として公開します!
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幸せの感度の上げ方「三つのいいこと」
内田(学生)
私は不幸の感度が高いんじゃないかと思っているんです。日常の中で不幸せなことや嫌な出来事って当然あるじゃないですか。その時に、一日の中でいいことが10個あったとしても、1,2個あった嫌なことを大きく感じてしまいます。幸せの感度を上げるために先生から教えていただいた幸せの四つの因子を意識することも大事だと思うのですが、不幸の感度を下げることも大事になると感じています。そのためのアドバイスがあればお聞きしたいです。
前野先生
不幸の感度を下げるって発想は初めて聞きました。確かに、日本人の8割はセロトニントランスポーターSS型(セロトニン不足になりやすく、不安感を持ちやすい)で、内田さんと同じように不幸の感度が高い。だから、日本は文学のはかなさや無常観、情緒豊かさやはかなさを美しいとする面が強調されると思っています。なので、不幸の感度がある程度あってもいいと思います。でもその感度が高すぎると良くないので、不幸の感度を下げる、セリグマン先生が考えた「三つのいいこと」というワークを紹介します。その方法は簡単で、今日あったいいことを三つ書いて眠りましょう。人間っていうのは、危機管理のためにネガティブな方を覚えるようにできています。なので、帰って寝る前にいいことを三つ思い出すと、幸せの感度があがっていく。私もやってみたのですが、寝る前に三個いいことを思い出そうとするのを続けていくと、昼間にも今日はこのこと書こうかなと、日常からいいこと覚えていこうという意識が生まれます。最初はなかなか書けない日もありますが、慣れるといいこともスラスラと書き出せるようになるので、ぜひ「三つのいいこと」やってみてください。
何とかなる因子、楽観性にも良い悪いがある。
小瀬(学生)
四つの因子の中で何とかなる因子について、個人が幸せになるにはそのような楽観性が必要だと思います。ただ、世の中にはビルの点検や防災など、安全管理を仕事にしている人もいて、その人たちが何とかなると思って仕事をしていたら大変なことになります。なので、悲観的で「あれもこれもやばいかも」と考えてくれる人のおかげで、未然に防げることもあると思います。
前野先生
おっしゃる通りです。だから、日本人はこの災害が多い国で生きていけるし、モノづくりにおいても世界から尊敬されるのは、細かいところまで目が行き届いていて、きちんとやるという遺伝子があるからだと考えます。ただ、心配も過ぎると、病気になったり、心がバーンアウトになったりしてしまうので多少何とかなると思っていた方がいいと言ったつもりでした。ものすごく振り切ってなんでもなるという意味ではないです。ちなみに、私の学生が分析したのですが、楽観性には「いい楽観」と「悪い楽観」があります。「悪い楽観」というのは適当でいい加減にやるということ。「良い楽観」はきちんと準備したからもう大丈夫だということ。小瀬さんの質問で例に挙がっていた安全管理の仕事でも、工事現場で適当にやっといてもなんとかなるではなく、準備はちゃんとやったから自信をもって工事をやろうぜということ。「いい楽観」が必要だと思います。
おわりに
今回のイドバタコウギは2024年度に新設されたウェルビーイング学部から前野隆司先生でした。
幸せというテーマはどんな人でも密に関わってくるものだと思います。学問としてどのような研究がなされているのか、個人的にも非常に興味深い内容でした。視聴者の皆さまにおかれましても、今回の番組が日常の気づきやひっかかりとなれれば幸いです。
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文責:星野烈
番組クレジット(収録当時)/SNS情報
ゲスト:前野隆司先生(武蔵野大学ウェルビーイング学部学部長)
企画/パーソナリティ:星野 烈(文学部4年)
高橋 和大(法律学部3年)
撮影/編集:内田 恵美莉(文学部4年)
小瀬 ゆかり(文学部4年)
大畠 佳太(文学部3年)
監修:土屋 忍(文学部日本文学文化学科 教授)