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#13 たまに便利な小技 「#0」や「#1」など : poly~ オブジェクト その③ | Max サウンドプログラミングの可能性

このシリーズでは、音楽や映像、アートやイベントなどいろんな分野で活用されているプログラミング環境「Max」を中心に、サウンドプログラミングについて紹介していきたいと思います。

poly~オブジェクトについて3回目となりました。今回はpoly~オブジェクトに限らない小ネタですが、個人的にはpoly~オブジェクトでとても有用だと思う小技をご紹介します。

「そのサブパッチ内限定」のメッセージの設定と、特定の文字列をあらかじめ設定しておく方法

何のことやらわからないかもしれませんので、まず見て頂いた方が早いかもしれません。

これは、poly~内部のサブパッチのロックをオンオフしています。
「#0」が「1402」に、「#1」が「no13」に、それぞれ変わっているのがわかるかと思います。

「#0」は自分での設定は不可能ですが、サブパッチ固有の数字を生成してくれる記号です。これを使うと、poly~のそれぞれのサブパッチの中でsendやreturnオブジェクトが使えたり(こちらのオブジェクトについては別途紹介します。)、他のサブパッチに影響を及ぼさない形で名前をつけることができます。

poly~オブジェクトの、7番目と9番目のサブパッチ内部。
片方は「1444」もう片方は「1446」となっている。

「#1」は、poly~オブジェクトに「@args」と書いた後に記述されている文字列を表示します。「#1」なので1番目、「#2」だと2番目の文字列が表示されます。これは、同じパッチを使用したpoly~オブジェクトを複数使用し、パラメータを変えたい場合などに便利です。
ちなみに「args」は「arguments」の略で、プログラミング言語における引数のことです。

「@args」以降に文字列を書くことで、関数の引数のように(ちょっと違うけど)
扱うことができる。

小技を使用できる場面

この小技は頭の片隅に置いておくとたまに非常に便利な時があるのですが、使用できる場面が限られています。
前述のpoly~オブジェクト以外には、別のパッチをオブジェクトのように開く場合、pfft~オブジェクトなどがあります。(もっとあるかもしれません)
patcherオブジェクトでサブパッチを作った場合には使用できないので、注意が必要です。

赤枠で囲んだところが、poly~オブジェクトの「@args」に相当する。
使用するオブジェクトによって書き方が変わる。




田中文久 FUMIHISA TANAKA
ソニフィケーションアーティスト、サウンドプログラマー
東京芸術大学音楽環境創造科、同大学院修士課程修了。音楽に関する様々な技術やテクノロジーを駆使し、楽曲制作のみならず、空間へのアプローチや研究用途、最近では、あらゆるものを音に変換する「ソニフィケーション」を用いた制作・研究・開発等、音楽の新しい在り方を模索・提示している。

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