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#8 Maxで重要な「順序」② triggerオブジェクト | Max サウンドプログラミングの可能性

このシリーズでは、音楽や映像、アートやイベントなどいろんな分野で活用されているプログラミング環境「Max」を中心に、サウンドプログラミングについて紹介していきたいと思います。

Maxでプログラミングを行う際に重要な「順序」について複数回にわたって書いていきます。
前回は基本的な順序の大前提についてみていきましたが、今回は順序を整頓するために非常に有用な trigger オブジェクトについて紹介します。

triggerオブジェクト

まず、前回の引き算パッチを triggerオブジェクトを用いて書き直したものを見てみましょう。

オブジェクトの位置を変えても計算結果が変わらない

このように、オブジェクトの位置が変わっても計算結果が変わりません!
これでプログラミング時のオブジェクト配置の自由度がグッと上がることがわかると思います。

前回、ひとつのアウトレットやオブジェクトの出力が「右から左」が適用されると説明しましたが、基本的にオブジェクトにアウトレットが複数ある場合は、一番右のアウトレットから順番に出力されます。


triggerオブジェクトは、入力されたデータを、オブジェクトの引数に応じて右から左に順に出力していくオブジェクトです。

頻繁に使用するためか、「t」とだけ書いても動作します。
引数の数だけアウトレットが生成されます。
引数の種類は以下です。
・「b」: Bang
・「i」: 整数(Integer)
・「f」: 浮動小数点数(float)
・「l」: リスト
・「s」: シンボル(文字列)
・その他 : 引数に書いたものをそのまま出力

これを使いこなすと誤作動がグッと減るので、ぜひプログラミングに取り入れてみてください。


Maxを用いて創られた音楽


田中文久 FUMIHISA TANAKA
ソニフィケーションアーティスト、サウンドプログラマー
東京芸術大学音楽環境創造科、同大学院修士課程修了。音楽に関する様々な技術やテクノロジーを駆使し、楽曲制作のみならず、空間へのアプローチや研究用途、最近では、あらゆるものを音に変換する「ソニフィケーション」を用いた制作・研究・開発等、音楽の新しい在り方を模索・提示している。

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