#9 Maxで重要な「順序」③タイミングの微調整 : deferlow | Max サウンドプログラミングの可能性
Maxでプログラミングを行う際に重要な「順序」について複数回にわたって書いていきます。
前回はtriggerオブジェクトについて紹介しました。今回はタイミングを微調整するオブジェクトを紹介します。
わりと「奥の手」的なものではありますが、覚えておくと役立つ時があるかもしれません。
deferlow (defer) オブジェクト
deferlow というオブジェクトがあります。
このオブジェクトを通ったデータは時間の優先度が下がり、後回しになります。
簡単な例を見てみましょう。
前回の引き算のパッチの「3」への接続に、deferlow オブジェクトをくっつけてみました。
本来なら引き算オブジェクトの右インレットに入るデータは 1, 3 の順で上書きされ、5 - 3 = 2 になるはずですが、deferlow オブジェクトがくっついたことで 3 の送信が後回しになり、5 - 1 = 4 が先に計算されているのがわかります。
注意したいのが、deferlow オブジェクトは優先度を下げるため、割り込み処理の内容などによって遅延時間が変わります。したがって精密な時間コントロールには向いていません。
また、 defer というオブジェクトもあり、こちらは Overdrive モードでのみ効果のある、deferlow と似た働きをするオブジェクトです。
Maxを用いて創られた音楽