#7 世界に一台しかない音 | 元祖発車音 開発秘話 新宿駅の音
今でこそ多くの駅で聞かれる発車メロディや発車サウンド。
その元祖である、「JR新宿駅・渋谷駅の音(1989-)」について、当時の開発プロジェクトリーダーである「井出 音 研究所」所長・井出 祐昭が、開発秘話や制作エピソードを語ります。
TOKYO MORNING 1989 (井出 音 研究所)
ー印象に残っている楽器は?
さて、以前のインタビューでは、音の選び方についての発見をお話しました。
音色がキーとなる中、特徴的な楽器はあったのでしょうか?
印象的だったのは、クリスタルマリンバです。世界に一台しかない佐々木硝子というところが開発したマリンバです。アルポホルン等もクリスタルで創っています。
ガラスの音って通りやすくて意外と柔らかいんです。そこが良くて成田エキスプレスの発車メロディに採用しました。
ちなみに、サックス等のマウスピースでもクリスタルのものがありますが、これも柔らかくてとても良いです。
ただ、クリスタルって、すごい超音波が出ているんです。聴いていてもやばかったので、弾いてる人はもっと大変だったと思います。(笑)
負担になるような音を出来るだけ使わないようにして、中域にあるすごくいい帯域を用いました。透明感がある帯域なんですよね。
実は、クリスタルマリンバは運ぶのも大変。この時も色々試しましたが、運搬が難しかった覚えがあります。
難しいものを運ぶときは、ハープの運搬業者の人に頼むのがコツです。
Tr.3とTr.4の成田エクスプレス、是非お聴きください。
※このクリスタルマリンバの裏でとある動物が鳴いています…次回はその秘密をお話します。
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