本当の生活様式
「新しい生活様式」という言葉は,何だか感覚的に良いものに感じてしまうかも知れない。例えば,「物理的な距離は近くても,心の距離が遠い」よりも「物理的な距離は遠くても,心の距離は近い」方がいい。そんな風に言われると,何だかとても素敵に聞こえるから,言葉というのは怖い。これを世の中のことに当てはめてみると,すごく面白いと思う。
例えば結婚。
それまでは毎日のように一緒にいるわけではなかったから,物理的な距離は遠かったかもしれない。でも結婚してみたら,日々一緒に生活する中で,徐々に心が離れていく。そんなことは多いんだと思う。そこが人間的であるし,人間である所以だろう。もしそれを一緒に切り抜けられたら,次なる高みに到達できるのかもしれないじゃないか?個人的にはそっちを目指すのが本来の姿ではないかと思う。
今マスコミに言われているような「新しい生活様式」をするのは,元の社会生活を取り戻すための過渡期のことでなければならないと思う。それを分かった上での「新しい生活様式」じゃなきゃダメでしょ。だって,SARSやMERSの時だって,韓国やその他の地域で,普段の生活の中にフェイスシールドが取り入れられたままになったりはしなかったはず。お店にアクリル板が設置されたりはしなかったはず。今,コロナを乗り切るための「新しい生活様式」であって,その先には,元の生活様式(多少は変化すると思うが)を取り戻すためだってことをきちんと理解すべきではないかと思う。
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