シンガーソングライターの女子大生がWeb会社で記事を書きはじめるまで。「IDENTITY名古屋」の次世代インターンゆいにしおの詞。
「インターン生にシンガーソングライターがいる。」
先輩の山下さんからそう聞いて、思わず聞き返してしまった。IDENTITYのインターン生は変わった人ばかりだということは前々から聞いていたが、シンガーソングライターがいるということにまず驚いた。そしてシンガーソングライターがWEB会社のインターンをしているという違和感いっぱいの組み合わせに衝撃も覚えた。
数日後に初めて噂のシンガーソングライターゆいにしおに会った。最初の印象は“普通の大学生”。しかし、時間が経つとどこか“普通の大学生”とは違う雰囲気をまとっているように思えてきた。それが一体何かは分からず、彼女が自分のことをあまり多くを語らなかった事もあり、違和感の正体が謎に包まれたまま月日が経った。
そしてある日のインターン生が集まるミーティングで彼女にインタビューをすることが決定。決まってから聞きたいことが頭の中でいくつも湧いてきた。しかしインタビューの場で実際に彼女と向かい合うことで生まれれくる疑問をぶつけてみることで違和感の正体にせまることができるのでは、と思いあえて細かい質問項目を用意しないで臨んでみた。
PROFILE—ゆいにしお ライター。1997年生まれ、愛知県出身。椙山女学園大学在学中。大学1年の頃、シンガーソングライターとして名古屋周辺のライブハウスで活動を始める。ソニーミュージックアーティスト主催「キミウタ」では、8000通以上の応募の中から、11組のファイナリストに選出された。ほか、SCHOOL OF LOCK!主催の「未確認フェスティバル」でセミファイナル出場など。その後「IDENTITY名古屋」にてインターンをはじめ、現在に至る。
大学生シンガーソングライターのライフスタイルとは
大学に通いながらサークル活動をしつつ、バイトに励む“普通の女子大生”
——今日はよろしくお願いします。今回はランチ&インタビューでセッティングしたのでリラックスして話してください。まず最初に簡単な自己紹介とこれまでの活動について教えてくれますか?まだあまりよく知らない部分が多いので!
ゆいにしお(以下:ゆい):はい(笑)。生まれも育ちも愛知県で、愛西市に住んでいます。
今大学3年で日本文学や英米文学を勉強しています。シンガーソングライターの活動は大学の1年のころから始めました。
そもそもシンガーソングライターになったきっかけは、大学1年のとき。軽音サークルに入っていてオリジナルのバンドをする人が多かったんですけど、私はバンドをするよりは1人で気ままにやりたいなと思ったからです。
なのでサークル入ってすぐ私は1人で活動をして、のちのち他の人とバンドも組む機会もあったんですけど、結局のところ最近本格的にやってるのは1人ですね。
普段は大学とシンガーソングライターとインターンと、あとバイトをちょこっとやってます。バイトは名古屋にある映画館でチケットを売ったり切ったりしています!混んでいなければ自由に映画が観れるのも嬉しいですね。
——みなさんがよく利用するあそこですね!急に親近感が湧いて来ました。長いこと続けられているんですか?ご飯食べながらで大丈夫ですよ!(笑)
ゆい:はい!実はこのバイトは2年生の時からで、1年生の時にはラーメン屋で働いていました(笑)。もともと従兄弟が働いていたお店で「人が足りないから手伝って」と言われたのと、まかないのラーメンが美味しいので始めました。
お仕事なので大変なこともたくさんあったんですけど、お客さんが優しくて「頑張ってな」って言われたりすると嬉しかったです。結局美味しいまかないに引き止められながら長いこと続けてました(笑)。
それに比べると映画館は映画が観れて楽しいんですけど、最低時給くらいなので生活を考えるとかなり厳しいです。
——そうだったんですね。ぶっちゃけシンガーソングライターのほうで収入はありますか?
ゆい:はい。シンガーソングライターでもお客さんが集まったりCDが売れるとお金は入りますね。とくに今は事務所に所属してるわけじゃないので(※1)売り上げは全て自分のものになります。たくさん売り上げがあるわけではないのでプラスのときもあればマイナスになることもありますね。
お金の使い道はシンガーソングライターの活動費がほとんどです。それ以外にショッピングに行って何かを買うとかはないですね。ただ旅行とかに使ったりしますよ。友達と国内旅行で京都とかに泊まりで行ったりします。そういえば、前に祇園で着物を着て歩いていたら外国人にめっちゃ写真を撮られることがありました(笑)。
※1 インタビュー後に事務所に所属することが決定したそうです!!おめでとう!
——よく見かけますよね!「ここで一曲!」とかはならないんですか?
ゆい:いやーアカペラはきついですね。音楽がないと!実はカラオケはめちゃ下手くそなんですよ。自分の曲しか歌えなくて。やっぱりたくさん練習したからっていうのと、自分が歌いやすいように声が活かせれるように作っているからですね。
曲は日常生活の“エモさ”から生まれる
映画、本、恋愛など身近で感じたエモさを曲にすることで同世代のファンから支持を得る
——それはなんか意外ですね!ちなみに曲はどのようにできあがりますか?
ゆい:1曲作るのに短くても1ヶ月はかかります。本とか読んだり映画を観たときに「あ、なんかすごいエモい感情になった」っていうときに曲を作ります。あと実際に自分の体験で「エモい」ってなったときですね。
——でましたインターンズおなじみの“エモい”。ゆいにしおの考えるエモいって何ですか?
ゆい:前にインターンの先輩の明日香さんが”エモについて”語ってましたね。とても共感できるし、きっと人それぞれの定義があるかと思いますが、私の“エモい”は結構恋愛ネタが多いですね。なので作る曲も恋愛系が多くて、映画や実体験がもとになっています。
——以前から恋愛系の曲を作っていたのですか?
ゆい:最近この路線になってきたのですが、ちょっと前までは生活感のあるフォークソングとかを作っていました。ただライブとかであんまりウケがよくないのでやめちゃって。同世代のファンが欲しかったので、そうすると恋愛系のほうが共感を得やすかったですね。
今は同世代のファンが多くて、東京にライブ行くと毎回来てくれる人もいます。みなさんツイッターとか、最近だとMVを出したのでそれを観てくれた人が聞きに来てくれます。
だいたいライブはカフェっぽいところでやります。お客さんは食事を食べながらとかで、まったり聞いてもらってその後にCDを売ったりします。そこでファンの人と話しますね。握手とかサインすることもあるし、同世代の人だと歌詞のどこに共感してくれたという話をします。結構自分の恋愛に当てはめている人が多いですよ!
——ちなみに一番人気の歌詞は?
ゆい:「帰路」という曲。別れた人を思い出すらしいです。共感されると、自分のエモさが他人にも伝わってよかったなって思います。
そう考えると記事を書く時とは違うんだなって思います。歌詞はエモさが伝わるために分かりやすい表現とちょっと文学的な感情を取り入れて凝ってるんですけど、記事は分かりやすさ重視なところがありますね。
以前から歌詞を書くので文章を書くのは好きなんですけど、最近だと実際記事を書いて編集のかたのチェックが入るとめちゃめちゃ落ち込みます(笑)。
得意なライティングもインターンでは苦戦
歌詞のターゲットは自分と同じ同世代で限定的、記事のターゲットは自分より上の世代でさらに幅広い読者層という違いに悩む
——書き方の違いは苦労しますよね。そろそろIDENTITYの話にうつりましょうか(笑)。最初にIDENTITYを知ったのは?
ゆい:そうですね。碇さんとモリジュンヤさんのインターン募集の記事を読んで、その下に応募ボタンがあったので即クリックしました!ライターに興味があったのとカツセマサヒコさんのツイッターで紹介していて面白そうだなと思ってIDENTITYを知りました。
あと最近は歌詞を書いたりブログを書いたりしているなか、学年的にも「そろそろ将来のことを考えないとな」と思っていたことも応募の後押しになりました。
——実際インターンを始めてみてどうですか?
ゆい:記事執筆だけじゃなくて、いろんな仕事を頂いています!最近だとcocoroneにも関わらせてもらっています。
ただ毎月記事を書いていて、まだ結構時間かかるんですよね。私はパンがあったら「パンです。」ということしか思いつかなくて(笑)。ただそのまま表現するだけで、広げられなくて全部似たような文章になっちゃうんです。
そもそも私の趣味思考は一般的な女子大生寄りではなくて、どっちかっていうとサブカル系が好きなんです。女子大生らしいとこで言えばインスタグラムは好きで写真を撮る時に気を使ったりとかはするんですけど。記事じゃなく歌詞なら割と書けるんですよね。
——スラスラと書けていると思ったら結構苦戦しているんですね!歌詞と記事の違いってありますか?
ゆい:歌詞はターゲットがかなり絞られていますね。同年代、pops系なんですけどちょっと大人よりな感じで引っかかる層が聞いてくれています。でも記事だと年代幅が広くて、その違いですかね。
あと食べ物にエモさを感じないので、今後は他の記事を参考にしながら数をこなしていってエモい記事が書けたらいいなと思います。
——他のインターンズの印象はどうですか?
ゆい:“IDENTITYの主力のサービスを支えてる人々”って感じです。全員キャラが際立っていて強い(笑)。碇さんにも「あの面々に流されないで頑張って欲しい」と言われました。それに加えてみんなから「女子大生目線」を求められることにはちょっと困っています。
——これまで3ヶ月経験してみて、どんな人がこのインターンに向いていると思いますか?
ゆい:採用基準が“変わった人”ってよく言われるんですけど(笑)、“変わった人”って思わなくても面白いことが好きだったら楽しめるんじゃないかなと思います。何かにハマれる属性があれば、事業の立ち上げや記事執筆に合うものがあると思います。結局面白いものを持ってる人が“変わった人”なのかもしれないです。
——最後に一言!
ゆい:エモい女子大生お待ちしております!
※今回のインタビューでは『ステーキとローストビーフのお店 宮』さんにお邪魔しました!
ーエピローグー
インタビューの翌週に街中のたくさんの人混みのなかで
まだ小さく、でも強い何かを感じて目を止めた。
そこにはゆいにしおがいた。
それはきっと恋愛やお仕事に悩む “普通の女子大生“という一面と、それを詞にして力強く発信するという“普通とはちょっと違った女子大生“という別の面とが、混ざり合って生まれる魅力なのかもしれない
次世代インターンゆいにしおの今後の活躍に目が離せない。
文:yuki
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