「常に変化をしながら社会に価値を還元できるエンジニアリング」Idein CTOの組織作り論
本音に迫るIdeinメンバーインタビュー。第3回は、共同創業者である取締役兼最高技術責任者CTO山田の登場です。高い技術力を誇るIdeinのエンジニアメンバーをまとめる山田の素顔に迫ります。
Idein株式会社共同創業者 取締役兼最高技術責任者 CTO 山田康之(やまだやすゆき)
1982年生まれ。大阪大学情報科学研究科情報システム工学専攻博士前期課程卒。大学では超解像技術の研究を行う。卒業後、大手電機メーカー、バイオインフォマティクス系ベンチャー、フリーランスを経て、Idein株式会社を創業。最高技術責任者として高水準のエンジニアを技術面から牽引するとともに、チームとしての意思決定・コミュニケーションリーダーとして会社の基盤を支える。
創業のきっかけはアイディアと技術力の出会い
― Idein創業の経緯を教えてください。
代表の中村との共同創業という形でスタートしましたが、中村との出会いはフリーランス時代に参加した勉強会でした。そこで機械学習についての講師をやっていたのが中村です。勉強会後に中村と話す中で、比較的早い段階から共同創業の話はしており、中村が実現したいと思うアイディアに対して、技術力など私が提供できるものがあると感じたこと、ちょうど私自身フリーランスから起業をしようと考えていたタイミングということもあり、創業の決断に至りました。
最初はお互い何もわからないところからのスタート、狭い部屋で少人数からのスタートでしたが、そこから少しずつ仲間が加わりながら現在に至ります。一言で振り返ると、楽しんでやってこられたなと。
ー Ideinの事業について簡単に教えてください。
IdeinはAIが動くIoTプラットフォームを作っている会社です。
それを使っていかに価値を出すか、プロダクトをいかにマーケットフィットさせるかに日々向き合っています。
世の中に価値を還元できるエンジニアが揃う場所
ー Ideinの強みを教えてください。
独自の技術力です。特にエンジニアリング能力が強みです。
エンジニアリングという言葉には技術そのものだけではなく、世の中に何かしらの価値を届けるというニュアンスが含まれていると思っており、ちゃんとそういう意識があるエンジニアが多いのも強みかなと認識しています。
ー世の中に価値を還元できるエンジニアが揃っていると?
はい。
エンジニア一人一人の能力を最大限に引き出す
ー その技術力を生かすこと、世の中に価値を還元できるエンジニアをまとめていくことが山田さんの役割だと思いますが、その中で楽しかったこと、苦労したことはありますか?
中村の知名度もあって、それぞれの専門分野においてかなり広範な知識や高いスキルをもったメンバーがジョインしてくれました。自分ももともとエンジニアなので、そのようなメンバーと働けることは自身の知的好奇心を満たせて楽しく思っています。
一方で、すごくスキルのあるエンジニアが揃ってる中、その個性をまとめ上げて一つの目標に向かうという事が必要になってきますが、それぞれの能力を最大限引き出さなければならないというプレッシャーがあります。これでろくなプロダクトを作れなかったら自分に原因があると。全員が100%の力を発揮すること、根本的にパーフェクトな解を出すというのは難しいと思いますが、できる限り100%に近づけられるようにし、社会に還元していきたい。精神的にはそこが大変なところです。
ー なるほど。優秀なエンジニアたちが揃うがゆえの悩みですね。そんなエンジニアチームの人員構成(人数・メンバー)、雰囲気、働き方を教えてください。
いくつかのチームに分かれています。Actcastというプラットフォームを手を動かして作っているチームが13名、Actcastの強みとなっている基盤技術、コンパイラ・デバイスサイドの基盤技術を担うチームが6名、機械学習・ソリューション開発を行うチームが11名います。
雰囲気ですが、それぞれのチームが、そしてそれぞれのチームの中でも良い意味で結構バラバラで個性・多様性を尊重するチームだと思っています。
働く時間もバラバラで、全体の状況を把握する打ち合わせの時間は取っていますが、それ以外は自由で、自己裁量が大きい働き方ができると思います。
ー そんな個性豊かなチームをまとめるCTOとして心掛けていることを教えてください。
エンジニアを一人の専門家、一個人として意見を尊重することを大切にしています。それがひいては心理的安全性と昨今呼ばれている概念につながると思いますし、それがあるとパフォーマンスにつながると考えています。この心理的安全性は私自身がエンジニアとして働いていた経験から必要性を感じていた部分でもあります。もちろん常に全員の意見を採用することが出来ない時もありますが、その意見に含まれるインサイトをできるだけ拾いたいと思っています。
また、先ほどの話とも通じるのですが、エンジニア一人一人の能力を引き出せるように心がけています。働くことに対するスタンスは人それぞれ違いますが、自分の能力が引き出されていないと思うことはストレスが溜まることだと思います。もちろん組織の中で上手にアウトプット出来る人も居れば、そういう状況に無い人もいますが、それを出来るだけシステマチックに解決するにはどうすればいいかはよく考えています。もちろん完璧な解はない問題だとは認識していますが。
変化し続ける会社、組織であること
ー 会社が成長していく中で、創業から変化した部分、変わらず大切にしている部分は何でしょうか?
変化した部分としては第一に仕事の内容ですね。創業当時は3年先5年先の価値を作るところが必要とされていましたが、今は目の前の価値を創出することにシフトしていっています。結果的に泥臭い仕事も少し増えてる感じはあります。しかし、一見なんでも無いような仕事でも高いスキルのエンジニアがやる事で出せるクオリティがあって、そういうクオリティが我々のプロダクトには必要だと考えています。
また、組織の人数が増えたり、COVID-19があったりしてコミュニケーションのあり方は変わってきていると思いますし、組織が変化していく中で常に変わり続けるべきものだと思っています。
というのも、情報検索(インフォメーションリトリーバル)のアルゴリズムがそうなのですが、データ量が少ないうちはナイーブな(素朴な)アルゴリズムが実は速く検索出来るけれども、巨大なデータになると効率性のためにデータ構造やアルゴリズムの工夫が必要になりますね。プログラミングの世界でも現実の組織でもコミュニケーションというのはそういうものかと思っていて、そういう変化は必要だと思っています。今は過渡期にありますし、スケールが変わるなら過渡期にあり続けると思っています。
変わらず大切にしていることは、生き残る組織というのは状況に適応して変わり続けられる組織であるから、変化を恐れずにいたいと思っています。そのために会社組織を環境と捉えるのでなく、自分達のチームの意思決定の一端を担うのは自分たち自身だという意識・主体性は人数が増えても大切にしますし、大切にして欲しいと思っています。
一方で自分ではない他者の尊重というのも変わらず重要だと思っています。自分のフリーランス時代の経験も影響していますが、一人では届かない認知に至り、一人ではできない事を実現するために集まって働いてるのが組織ですから、他者の尊重はすごく大事だと思っています。
ー 3年後、5年後Ideinをどうしていきたいですか?
プロダクトマーケットフィットを達成して安定的な価値創出ができる会社に、組織としてはエンジニアリングの価値をもっと効率的に出せる組織にしていきたいと考えています。
そのために変化していきたいと考えています。創業時から現在にかけて変わった部分として仕事内容が変化したと述べましたが、変化しながら安定した価値供給ができる組織になったら、また目の前の事だけではなく少し先の事もやれる組織になりたいと考えています。
目標に向かう中で柔軟に変化し、解を探し続けられる人材
ー 最後にそんな3年後、5年後のIdeinを作っていく上で、一緒に働きたい人材、今求める人材についてお聞かせいただけますでしょうか?
変化しなければいけないということを話してきましたが、常に変わり続ける状況・スケールする組織の中で常に最適解を探索し続けられる人材です。
スケールする組織にはよくある事だと思いますが、組織が変わるということは組織のボトルネックが常に変動し続けることなので、自分の役割を組織の中でこれだと捉えるのでなく、柔軟に捉えられる人の方が楽しめると思います。そういう状況を不完全情報ゲームだと捉えて目標のために局面局面で最適な行動を取る、みたいなメンタリティがある人は強いですね。
エンジニアに関しては、ソフトウェアやエンジニアリングが好きだというのは変わらず重要な才能ですが、ソフトウェアエンジニアリングの潮流として、現代のソフトウェアはユーザの要求に答えてどんどん複雑さを増していっています。AmazonやGoogleなどのBig techのプラットフォームに支えられて一見個人で出来ることは増えているようにも見えますが、一方で技術のコモディティ化が進んで世の中に新しい価値を届けるのは難しくなってると感じています。
そんな中新しい価値を届けるにはアイディアみたいなものが必要ですが、「アイディアというのは複数の問題を同時に解決するもの」という定義を採用すると、アイディアが生まれるためには二律背反を解決するような状況が必要で、それは現実の問題を解決しようとして生まれていくものだと思います。そういうところに飛び込んでいける人をIdeinでは必要としています。
また、Ideinのようにプロダクトとしてプラットフォームを作っていく上で、ただプラットフォームを使うだけでは向き合わないような複雑さ、普通はプラットフォーム(Google等)が肩代わりしてくれるような複雑さと向き合うことになります。それと向き合うには個人としての力も必要ですが、やはりある程度の大きさのチームで戦うことが必要になり、その中で個々が力を発揮する必要があります。
そういう状況の中で現実の問題に主体的に取り組み、自らアウトプットを出すだけではなくて、さらにそれをチームの中で上手に価値に繋げられる人が求められていますし、特に大企業のような固定された役割のないベンチャー・スタートアップでは求められる人材だと思います。そういう人をIdeinは常に探しています。
ー 人が成長し、組織が成長し、社会が成長する。山田さんの描くIdeinの未来がますます楽しみです!山田さんありがとうございました!現在、Ideinでは一緒に働くメンバーを絶賛募集中です!ご興味のある方は当社採用ページをご覧ください!!