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「藝大コンプレックス」

鎌倉の伝説の立ち呑み屋、ヒグラシ文庫(写真は大船のヒグラシ文庫)。
共同通信OBのU氏と私と彼女で、夕方4時くらいから呑んでいた時の話。
初老のアーティスト風のおやじが彼女と思しき美女と入って来た。

L字カウンターのある店は広さ12畳くらい。
自分らの斜向かいに席を構えると、話を始めた。

有名人の店長の知り合いらしく、
その紳士が国際的なデザイン賞を受賞した云々の話になった。

友人のU氏、
アーティスト、特に藝大OBとの付き合いも多い。
そのこともあって、
思わず、「藝大ですか」?
と口を滑らした。

その瞬間、その初老の紳士、
「藝大でなくて悪かったな、おれは◯◯大だよ」
と凄い剣幕。
怒りは収まらない。

U氏が謝ってそこはなんとか収まったが、
その紳士が去ったあとに、
あんな有名な賞を受賞していながら出身大学を気にするなんて、もう、卒業して〜十年は経っているだろうに。

藝大コンプレックスって根強いものがあるんだな。
と、みなで、今後、藝大という「記号」の取り扱いには注意しようという話になった。

U氏も私も芸術とは縁のない一般の大学出身。
芸術系大学にヒエラルキーがあるにしても、
そのデリケートさは、実感として湧かない。

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