①2024年の7月のある朝の別れ。
前日に彼と過ごしていた私は仕事先まで車で送ってもらっていた。昨日の夜、些細なことで喧嘩をし、なんともいえない空気感のまま、出発した。
昨日の些細な喧嘩と言うのは、甘い時間を欲しがって迫っている私に気づかないふりをして、ただダラダラと過ごしていた彼に対して、「何もしないんなら私は何の為に今日ここに来たか分からない。」と彼を罵った事から始まった。しかし本当はそうではなかった。私は明日の彼の1日の予定に不信感を持ち、不安でいた。彼に尋ね確かめても不安な気持ちが消えなかった。ダラダラしながらも、抱き寄せ、抱きしめてくれていたにもかかわらず、モヤモヤと不安が消えず彼に八つ当たりをしてしまった。
私が放った言葉に対して彼は、すぐに反応はしなかったが、怒りを鎮めるように目を閉じてそして少ししてから、ゆっくりと口を開いた。「お前はただのSEX依存症か…。俺がそのセリフを聞いて、どんな気持ちになるのか想像したのか?喜ぶと思ったのか?」と私を静かに諭した。私は何も言えなかった。自分のモヤモヤした不安をただ彼にぶつけてしまった私が悪いと思った。でもそれでも、不安は消えず、ただ時間が過ぎ朝が来るのを待つしかなかった。
そんな前夜の空気のまま迎えた朝、悲しいかな私はまだ引きずっていた。彼もまた引きずっている様ではあるものの、おそらく必死に普通を装ってくれていた。
車に乗り込みすぐに、窓に貼り付けてあったパーキングの領収証について、「剝がさなくていいの?どこの?」と尋ねた。すぐに彼は「昨日役所行った時のでもう要らないよ。」と誠意を持って答えてくれた。その時私は、ふと数日前に車で見つけた見知らぬ土地のパーキングの領収証の事を思い出した。それを見つけた時には、“いちいち聞くのもしつこいよな。。。“と思いとどめたにもかかわらず、昨日からの不安とモヤモヤと彼の今日の予定についての解消されない不安から、口にしてしまった。「先週、尼崎行ったん?」彼は「尼崎?行ってないで。なんで?」「パーキングの領収証があったから、ナンバーも載ってたし…」と置いてあった領収証を見せたところ、「これ、堺やで?先週の打ち合わせの時やん。」と聞き、「そうなんや、地名分からなかったから調べたら尼崎って出たから…」と言う私に、少し間を空けて彼が呆れた声で「お前ってほんまに謝らへんよな。〝そうなん?〟ってなんなん?人疑ってそれだけか?しかも前もって調べたんやろ?んで、俺が慌てるタイミング見計らって言うてやろってずっと思ってたんやろー!どんだけ人を侮辱したら気が済むねん。昨日はSEXしなかったら来た意味ないとか、俺にはそれしか価値がないって事遠回しに言うてるんやんけ!おまえの性根はどんだけ腐っとんねん!」と激怒させてしまった。彼は車を運転中だったが私は数発の怒りを受けた。
私は情けなかった。彼の言う通り、私は心底腐り切っている。どうしてこんなにも自分のことしか考えられない人間なんだろうか。本当に情けなくて、どうしようもない気持ちのまま、車を降りた。「今日は仕事行かない。」そう言い残して車が通れない細い道に逃げた。背中から「ここまで送ってやったのに仕事行かへんて、どう言うことやねん!!!!!!!!」とまた彼を怒らせていた。私は、自分の中の感情の整理が出来ておらず、とても働ける気がしなかったし、絶望感と、情けなさでまるで自分の体が自分のものでない様な感覚で歩いていた。
その時から、連絡を取っていない。私は携帯すら怖くて見られず、触っていない。。。
次回へつづく
✳︎ここまで読んでくださりありがとうございました。この先の今の悩みや悔い、また過去の出来事など、随時書いて行こうと思います。