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素人の考古学―東京都多摩川下流その2(田園調布)古墳群巡り

 この地域には長期にわたった古墳があるが、4c前半~5c初頭の古墳発生期には、大型古墳が築造され、5c末~7cには小型前方後円墳を中心として多くの円墳が築造された。5c前半~後半にかけては、野毛古墳群で、大型円墳が築造された。

1.   亀甲山古墳(国史跡)

 107m前方後円墳 4c後半~5c初頭 荏原台古墳群では最大の規模。   
 宝莱山古墳の次の世代の首長の墓と考えられる。 未調査。

亀甲山古墳

2.   群集墳(1号から8号墳)

 亀甲山古墳と宝莱山古墳とに挟まれた地域に5c末から7cにかけて、8基
 の小古墳が築造された。

(1号墳 39m円墳 6c後半)
(3号墳 円墳 6c後半~7c前半)
群集墳マップ(6c後半から7c前半)

3.宝莱山古墳

 97.5mバチ形前方後円墳 4c前半 3段築成
 都内で現存する最古の古墳。荏原地域の首長墓ではないかとされている。   
 出土品から初期ヤマト政権との強い関係にあったと考えられる。

宝莱山古墳
(四獣鏡・勾玉・ガラス製丸玉・鉄剣)

4.浅間様古墳

 個人宅地化され原形をとどめないが石室が保存されている。
 円墳 7c後半

浅間様古墳

5.狐塚古墳

 直径約40ⅿの円墳とされている。 5c後半

(狐塚古墳)
(墳頂に古墳のものか組石がある)

6.御嶽山古墳

 直径42ⅿの円墳あるいは帆立貝形前方後円墳。5c
 出土品は、鉄剣、鉄鏃、三角板鋲留短甲、横矧板鋲留短甲などが出土し被
 葬者が武人であることは明らか。
 また鏡の縁に7つの鈴がついた「七鈴鏡」が出土しており、北関東の祭祀
 形態が南武蔵におよんでいたようだ。
 

御嶽山古墳

7.等々力渓谷横穴墓群

 等々力不動尊の広場に面した崖地に横穴墓が3基ある。6基以上あるらし
 い。
 1,   2号墳は見過ごしそうな状態で、横穴墓の入口も見えない。
 3号墳は前庭部、羨道、玄室が残っており、切石が組まれた羨道からガラ
 スを通して、内部を覗くことができる。
 7c築造。全長13ⅿ 3体以上の人骨が埋葬され土師器、須恵器、耳環など
 が埋葬されていた。

(3号墳)

               以上
               小兵衛

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