素人の考古学―東京の低地(葛飾区・足立区・台東区)の古墳巡り
1. 葛飾区柴又八幡神社古墳
直径20~30mの円墳。6c後半
葛飾区八幡神社の裏手の石垣は石棺であることが判明。周溝の周りには溝が掘られ、円筒埴輪や人物や馬など形象埴輪が出土した。直刀、馬具、鉄鏃、須恵器なども出土した。
東京低地では石室を伴う古墳は本例のみ。
2. 足立区白旗塚古墳
この付近の利根川水系綾瀬川支流の毛長川南岸の自然堤防上には、擂鉢塚古墳、甲塚古墳、白旗塚古墳など7基からなる白旗塚古墳群が形成されていたとされる。
直径12m、高さ2.5mの円墳。6c築造
3. 足立区伊興氷川神社古墳
神社は古墳の上に建てられた。伊興地区は伊興百塚と呼ばれたほど古墳が多くあった。弥生時代から古墳時代にかけては半農半漁の集落があり、足立区で最も古くから開けていた地で、江戸中期までは水量が多かった毛長川の舟運の要所でもあった。
足立区伊興遺跡
都内屈指の古墳時代の遺跡。子持勾玉、古式須恵器など出土。多くの住居跡であったことを推定される小穴、方形周溝墓、祭祀用具など発見された。
毛長川流域の政治、経済の中心的な役割を果たした遺跡であったと考えられる。
台東区の古墳
浅草寺は隅田川西岸の微高地が最も広く高くなる地点に立地しており、境内に古墳群があったと伝えられている。本堂裏や弁天山にはその痕跡があり、伝法院には石棺を加工したと思われる手水鉢があり、弁天山は江戸絵図に古墳らしきものが描かれている。残念ながら古墳は全て消滅している。
以上
小兵衛