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素人の考古学―北部九州装飾古墳7/8(具象壁画系2)巡り

北部九州装飾古墳6/8(具象壁画系1)より続く

(6)-2壁画(具象画)系(福岡県 竹原古墳)
 直径17.5m・高さ約6m、2段築成の円墳。
埋葬施設は南に開口する横穴式石室で全長約6.5mの複室構造。
後室には奥壁に沿って石棚があり、奥壁と前室奥壁の左右の袖石に赤と黒の顔料で装飾。
馬を引く人物や龍、玄武、朱雀、団扇の柄を長くしたさしば、船、波、旗などが鮮やかに描かれている。6世紀後半。国指定史跡。

(福岡県 竹原古墳)

<竹原古墳の絵画が意味するもの>
四神信仰、龍媒信仰、葬送儀礼の表現、騎馬民族到来などいろいろな説がある。
四神信仰とは、東西南北に動物の形をした神が配置され四方を守っているという中国古代の信仰。東に青龍、西に白虎、南に朱雀、北に玄武があり、竹原にはこの内三神が描かれている。中国や朝鮮半島に石室内の四方に四神を描いた壁画古墳があるが、竹原は青龍の位置が北方向に描かれるなど正しい位置に描かれていない。
龍媒信仰も中国古式の信仰で、水辺に牝馬をつれ、龍の種を得て駿馬を誕生させる信仰である。ここに葬られた人は駿馬誕生の願いを絵に描き、子々孫々発展することを祈ったのだろうか。
葬送儀礼の表現とは、死者を船に乗せて来世に乗せて送っている儀礼の様子を描いたのではといわれている。
騎馬民族到来は、船に馬を乗せ朝鮮半島から渡ってきた様子を描いたのではないかといわれている。
このように竹原の絵は、中国や朝鮮半島の影響をかなりうけている。
(パンフレットより)
                     以上
                    小兵衛

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