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素人の考古学ー北部九州装飾古墳2/8(横穴墓系)巡り

(1)-1横穴墓線刻画系(大阪府 高井田横穴墓群)

 柏原市の大和川の両岸の丘陵一帯には古墳群や横穴群が密集しており、6c中頃から7c前半にかけて造られた古墳で、1279基の群衆墳を確認している。その中に釘かナイフのようなもので絵を描いた線刻壁画がある。
27基の横穴の壁や天井に線刻壁画が見つかっており人物や船、鳥、木の葉など題材は様々。
第二支群12号横穴の羨道の右側の壁に船の絵がある。舳先と艫がゴンドラのように上にそり上がり、帆柱がある。船尾の方にも人物がいて、斜めに艪か櫂のような棒がある。
この舟の真ん中に長方形の箱のようなものがあり、これも何か運んでいるだとか、遺骸を運んで霊魂を来世に運ぶというイメージで描いた絵だという説もある。国指定史跡

(1)-2横穴墓線刻画系(神奈川県 庄ケ久保横穴群)

 大磯町の大磯丘陵の一画に9つの横穴がり、そのうち8号横穴だけ、釘かナイフのようなもので人物を3体描いてあって、真ん中に丸顔で頭に被り物をしている男性がいる。一番左の人面の顎の下に、中にYという記号みたいなものがあるものがあり、そこから長い柄がある。さしばではという人もいる。古墳時代後期の築造。県指定史跡

(1)  -3横穴墓線刻画((宮城県 合戦原遺跡)

 標高15~35ⅿの丘陵の上に立地する54基の横穴墓。38号墓の玄室は幅3.6ⅿ・奥行3.3ⅿ・高さ1.7ⅿ。7世紀後半~8世紀前半の築造。
38号の奥壁に人物・動物のほか、器財(靭・さしば)・家・葉とみられる多様な図柄が線刻により描かれている。多様な線刻画は東北では珍しい。

(2)-1横穴墓浮彫画系(熊本県 鍋田横穴)

6世紀後半に阿蘇凝結溶解岩上に築造された61基の横穴群。そのうち10基に装飾があり、27号横穴は人物、弓、靫、盾、剣などが浮き彫りされ赤で彩色されている。
左外壁に両手を開き足を広げた大の字形の人物像が目に付く。
のみの痕が力強くこの墓の番人と思われる。流域を支配する首長としての墓誌にあたり、同時に外敵や悪霊から死者を護る鎮魂の図と考えられる。
国指定史跡。

(2)-2横穴墓浮彫画系(熊本県 長岩横穴群)

 古墳時代後期の横穴墓が122基確認されている。このうち9基に装飾があり、横穴の入口や外壁部分には人物や盾、馬などの浮彫や彩色がみられる。鍋田横穴墓とならんで日本を代表する浮彫装飾墳である。県指定史跡。

          (博物館等の資料を参考にさせて頂いています)      

        以上
                         小兵衛

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