素人の考古学―神奈川県横浜市栄区の横穴墓群巡り
鍛冶ヶ谷市民の森にある横穴墓群。約20群200基存在していたイタチ川流域の横穴群。
➀宮ノ前横穴墓群
6~7cに築成された24基の横穴群。
特徴は、玄室が細長い台形の床面と蒲鉾形天井を持っており、さらに奥の
壁に棺室といわれる独特の小部屋を掘っており、鎌倉型横穴墓と呼ばれる
ものがある。
➁七石山横穴墓群
イタチ川流域横穴墓群の1支部である。かつてJR本郷台駅周囲に100基以
上あったとみられ、現在は4基ほど線路北側に残るに過ぎない。
宮ノ前横穴墓群と同じ鎌倉型横穴墓である。7c末~8c築成。
人骨、鉄製品、玉類、須恵器など出土。この地域の有力者層、富裕農民層
らの墳墓と考えられる。
➂松ヶ崎横穴墓群
栄区と港南区の境にあり、イタチ川流域横穴墓群の1つ。
8基残っていたといわれるが、雑木林でほとんど雑草に埋められ、横穴が
2~3基見える程度である。
宮ノ前横穴墓群とおなじ横浜型横穴墓が特徴。
南関東の丘陵部辺縁には掘削しやすい土質の傾向が多く、横穴墓が多く築造された。
以上
小兵衛