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飛行機が「定刻より早く出発」することはあるのか?

よく飛行機で旅行するひとには、気になる話題だと思う。
答えは、ある。それも、搭乗便を予約した客が全員そろう前に。

2024年11月1日に、シンガポールのスクート航空が予約客を置いてきぼりにした件がそれだ。

起きたこと

この日、シンガポール発クアラルンプール(マレーシア)行きのスクートTR456便は、定刻より1時間以上早く出発した。出発時刻は04:50だが、実際に出たのは03:21だった。

出発を早めた理由

シンガポールの新聞『ザ・ストレーツ・タイムズ』の取材に、スクートは「運行の都合」と説明している。
 
・出発時刻の変更を搭乗予定客に知らせたのか
・乗り遅れた客が何人いるのか
は明らかにしていない。

乗り遅れた予約客は

携帯電話で出発情報を見ていたが、時間の変更はなかった。搭乗口に着いたら誰もいない。あわてて近くの搭乗口にいた職員の助けを求めると、別のターミナルに移動するよう言われた。
スクートの社員は乗り遅れた搭乗客たちに詫びたが、「どうしてこうなったのか自分もわからない」と言うだけだった。

遅れた予約客はどうなったのか

対応したスクートの社員は、乗り遅れた予約客の名前、電話番号、E-mailアドレスを聞き取った上で、各人に150シンガポール・ドル (約1万7千円)を支払うと説明した。
 
予約客たちは、同日07:04発のシンガポール航空SQ104便でクアラルンプールに向かった(スクートは、シンガポール航空グループ)。

報道されたのは、この件が起きて2か月以上も経った12月19日だった。
 
LCCがよく遅れるのは事実で、わたし自身も何度も経験している。しかしこれは、予約客を置いて定刻前に飛行機が出発した例で、航空会社の信用にかかわる話だ。

時間変更の案内がなかったのなら、予約客は空港で途方に暮れることになりかねない。同日の代替機で移動できても、到着地で乗り継ぎを予定していたとしたら、残りの行程は全部変えなければならなくなる。

たまたまわたしは、11月の別の日にスクート便に乗っていたため、このニュースに目が留まった。「もし自分が乗る便だったら?」とつい想像してしまうできごとだった。

 情報源:Scoot apologises after KL-bound flight took off 1½ hours earlier than scheduled on Nov 1, The Star, 19 Dec 2024.


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